公開日 2024/03/25

【医師解説】赤ちゃんの夜泣きはいつからいつまで?原因と乗り越えるための対策を解説

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清益 功浩 先生

「赤ちゃんの夜泣きはいつまで続くの?」「どう対処したらいい?」「乗り越えるポイントはある?」そんなお悩みを抱えてはいませんか。

一般的に、生後6ヶ月前後から始まり、1歳半前後に落ち着くとされています。

しかし、何をやっても泣き止まない赤ちゃんとの生活が続くと精神的に疲労を感じるママやパパも多いでしょう。

この記事では、赤ちゃんの夜泣きの原因や対処法、相談できる機関について解説します。

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赤ちゃんの夜泣きはいつおさまる?

平均して生後6ヶ月前後に始まり、1歳半前後でおさまるとされています。期間には個人差があり、全くなかったという子がいるのも事実です。

しかし、赤ちゃんの多くは、早いと生後3〜4ヶ月ごろから夜泣きが始まり、生後8〜10ヶ月ごろにピークを迎えます。

何をやっても泣き止まないケースも多いですが、成長とともに終わりを迎えるのが一般的です。

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赤ちゃんが夜泣きをする3つの原因

赤ちゃん 夜泣き

赤ちゃんはどうして夜泣きをするのでしょうか。理由もなく泣いていることも多いですが、主な原因として以下の3つが考えられています。

  1. 身体や環境への不快感
  2. 昼間の強すぎる刺激
  3. 睡眠リズムが未発達

医学的に解明できていない部分も多いので、泣き止ませられなくても自分を責める必要はありません。

1.身体や環境への不快感

赤ちゃんは言葉で不快感を訴えられないため、泣くことで周囲に助けを求めている場合も多くあります。そのため、赤ちゃんが泣き止まない場合は、以下の点を確認しましょう。

  • いつもと比べ体調に変化はないか
  • お腹が空いていないか
  • おむつが濡れていないか
  • 喉が渇いていないか
  • 室温は快適か

特に、赤ちゃんは体温調整機能が大人より未熟であることから、気温の変化に対応しにくい傾向にあります。大人が感じない程度の気温の変化でも敏感に感じ取ってしまうのが特徴です。

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2.昼間の強すぎる刺激

生後5ヶ月をすぎると、人の動きや表情を認識できるようになるため、日中に受けたさまざまな刺激が原因で、夜泣きを起こす傾向にあります。

一般的に、人間の脳は睡眠時に、日中の体験や記憶の整理、定着をしているといわれています。しかし、赤ちゃんは脳の発達が未熟なため、昼間の体験や刺激が多すぎる場合、情報の整理が追いつきません。その結果、興奮状態になり、目が覚めて泣き始めてしまいます。

赤ちゃんの外出に関しては、以下の記事で解説しています。月齢に応じた外出する時間帯や外出時間など、ぜひ参考にしてみてくださいね。


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3.睡眠リズムが未発達

赤ちゃんは睡眠リズムが未発達のため眠りが浅く、大人と比べて睡眠サイクルも短いのが特徴です。月齢別の睡眠リズムの特徴は、以下のとおりです。

  • 新生児期:2〜3時間おきの睡眠を繰り返す
  • 生後2〜3ヶ月:夜間の睡眠時間が長くなる
  • 生後4〜5ヶ月:昼夜の区別がはっきりする
  • 生後6〜8ヶ月:睡眠時間がまとまってくる
  • 生後9〜11ヶ月:昼寝の回数が1回になる
  • 生後12ヶ月以降:夜通し寝られる子が増える

生まれて間もない頃は、まだ昼夜の区別がついていないため、夜間に覚醒し泣いてしまう子も多くいます。しかし、成長とともに夜の睡眠時間が増えてくることで、夜泣きの原因も以下の表のように変化していく場合がほとんどです。

年齢

夜泣きの原因

生後1〜5ヶ月

不快感の訴え(空腹やおむつが濡れているなど)

昼夜の区別がついていない

生後5ヶ月〜1歳

生活リズムが整っていない

歯が生え始めてむずがゆい

日中の刺激が強すぎた

1〜2歳

日中の刺激や体験の影響

月齢が低いうちは、身体や環境の不快感が原因となる傾向にあります。成長とともに、生活リズムや日中の活動の影響が強くなるため、規則正しい生活を意識しましょう。

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赤ちゃんの夜泣きへの5つの対処法

赤ちゃん 夜泣き 対策

赤ちゃんが夜泣きをした際には、以下の対処法がおすすめです。

  • 不快感の原因を取り除く
  • 生活リズムを整える
  • 抱っこや子守唄で安心感を与える
  • 寝る前のルーティンを見直す
  • 夜泣き対策グッズを使う

理由もなく泣いている場合も多いため、無理に泣き止ませようとせず、落ち着いて対処しましょう。

1.不快感の原因を取り除く

室内の温度や湿度を快適に保ち、不快感の原因を取り除きましょう。汗をかいていれば、着替えさせるだけでも落ち着く場合があります。必要に応じてエアコンや加湿器、掛け物で調節するとよいでしょう。

そのほか、以下の対処により落ち着くケースもあります。

  • おむつを交換する
  • 授乳する
  • 白湯を与える

ただし、夜泣きではなく体調不良で泣いている場合もあるため注意が必要です。顔色や全身状態を確認し、普段と泣き方が異なる際は、速やかに医療機関を受診しましょう。

2.生活リズムを整える

なるべく同じ時間に起きて、同じ時間に寝るなどルーティンを意識することで、自然にぐっすり眠れるようになります。起きたら日の光を浴びて、夜は遅くならないように寝かしつけるなど、規則正しい生活を心がけましょう。

また、睡眠時間だけでなく、授乳や食事、入浴の時間を一定にするのも重要です。赤ちゃんは自分で生活のリズムを整えられないので、大人が意識的に整えてあげる必要があります。

3.抱っこや子守唄で安心感を与える

抱っこや子守唄などで落ち着けるように促すのも効果的です。赤ちゃんによって安心する抱き方はさまざまであるため、いろいろと試してみるとよいでしょう。

ただし、激しく揺らしてあやすと、脳にダメージを与える可能性があるため、注意が必要です。

そのほかにも、テレビの砂嵐やビニールのガサガサとした音、流水音などの胎内音に似ている音も安心感を与えられる傾向にあります。また、普段から聞き慣れているベッドメリーの音楽をはじめ、赤ちゃんが好む曲もあるため試してみてくださいね。

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4.寝る前のルーティンを見直す

子守唄や絵本、手遊びのような布団で寝る習慣がつくルーティンを取り入れるのもよいでしょう。抱っこや母乳だけで寝かしつけていると、目覚めた際に環境の違いで夜泣きを起こしてしまう場合があります。

また、赤ちゃんは眠いのに寝つけないため泣いてしまうケースも多く、自分で寝られるような習慣作りが欠かせません。寝る前に同じルーティンを繰り返せば、寝るための心の準備が整い、入眠しやすくなります。

自分で寝る習慣が身につくと、夜泣きで目覚めてしまっても落ち着きやすくなるでしょう。

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5.夜泣き対策グッズを使う

寝かしつけにも利用できる以下のような対策グッズを取り入れてみるのもおすすめです。

  • おくるみ
  • バウンサー
  • ホワイトノイズマシン

ママやパパの負担を減らせるように、効果的に利用しましょう。

①おくるみ

おくるみで手足を包んであげることで、抱っこのような安心感を与えられます。また、モロー反射で動いた手足に驚いて目覚めてしまうことも減らせるでしょう。

ファスナー式のおくるみや通気性・保温性に優れた製品も多いので、調べてみてください。

②バウンサー

抱っこが負担になる場合は、ゆらゆらとした揺れで赤ちゃんをリラックスさせられるバウンサーを利用しましょう。電動のバウンサーだと車の揺れを再現しているものもあるため、ドライブで落ち着きやすい赤ちゃんにおすすめです。

③ホワイトノイズマシン

ホワイトノイズマシンは自然の音や胎内音などが出るグッズです。

人形やおもちゃに搭載されているタイプやオルゴールになっている製品もあるので、赤ちゃんが気に入るグッズを調べてみるとよいでしょう。タイマー付きのグッズであれば、自分で音を止める必要もありません。

赤ちゃんの夜泣きを乗り越えるための4つのポイント

夜泣き 4つのポイント

赤ちゃんの夜泣きを乗り越えるには、以下のポイントを意識しましょう。

  • 「夜泣きは悪いことではない」と理解する
  • 何をしても泣き止まないこともあると知る
  • 周囲に助けを求める
  • リフレッシュする時間を作る

夜泣きは赤ちゃんの発達に必要なことですが、ひとりで抱え込まないのが重要です。ママやパパに負担が偏らないように、みんなで乗り越えましょう。

1.「夜泣きは悪いことではない」と理解する

夜泣きは、睡眠の発達過程に起こる現象であり、親の関わり方や育児法とは関係ありません。

また、さまざまな対策を実践しても、時期が来るまではおさまらないことも多く、明確な原因も判明していないのが事実です。

すぐに泣き止ませないといけないと感じる人もいるかもしれませんが、夜泣きは悪いことではないことを理解しておきましょう。赤ちゃんが寝ぼけて泣いているようであれば、様子を見るのもよいでしょう。

2.何をしても泣き止まないこともあると知る

夜泣きをしている赤ちゃんは、どんな対策をしても泣き止まないことがあります。

泣き止ませられないのはママやパパの責任ではありませんが、近所への迷惑が気になる人もいるでしょう。夜泣きが始まったら、両隣や上下階の人に一言挨拶しておくと安心です。

トラブルを未然に防げるだけでなく、近所への理解があるだけでも、夜泣きに対する焦りを軽減できます。

また、赤ちゃんに激しく泣き続けられると大きな声を出してしまいそうになる人もいるでしょう。そのような場合、安全を確保したうえで、一度違う部屋に行って、気持ちを落ち着けるのが重要です。

ママやパパの気持ちに余裕がないと、焦る気持ちが伝わり、赤ちゃんも落ち着かなくなってしまいます。飲み物を飲んだり音楽を聴いたりして、リラックスしてから赤ちゃんの様子を見に行きましょう。

3.周囲に助けを求める

夜泣きの対応は、ひとりで抱え込まずに周囲に協力を求めるのが重要です。祖父母や親戚などの身内に助けを求めてみましょう。ママやパパのどちらかだけが対応していると、辛く感じることも少なくありません。

祖父母や親戚などの身内が近くにいない場合は、かかりつけの小児科医や保健師に相談するのもおすすめです。また、子育て支援センターに足を運べば、先輩ママからのアドバイスを受けられる可能性もあります。

夜泣きの期間は短くないので、周囲と助け合う環境作りが欠かせません。

4.リフレッシュする時間を作る

ママやパパがストレスで疲れ果ててしまう前に、リフレッシュする時間を作るのも重要です。

夜泣きが続き十分な睡眠時間が取れないと、育児ノイローゼに陥ってしまうこともあります。ひとりで外出する時間や友人と電話で話す時間を作って、ストレスを溜めないようにしましょう。

家事の外注やファミリーサポートの利用もしてみてください。

赤ちゃんの夜泣きが辛い時の4つの相談先

夜泣き 相談先

赤ちゃんの夜泣きを辛く感じる際は、以下のような機関に相談するのも1つの方法です。

  1. かかりつけの小児科や産婦人科
  2. 市町村の窓口
  3. 子育て支援センター
  4. 子育ての悩みが相談できるアプリやサイト

夜泣きに限らず、子育ての悩みや不安はひとりで抱え込まずに誰かに相談しましょう。

1.かかりつけの小児科や産婦人科

乳幼児健診や予防接種などで受診した際に、夜泣きについて相談してみましょう。アトピー等の身体のかゆみによる不快感が原因で夜泣きを起こしている場合は、治療を受けて改善される可能性があります。

相談できる内容は医療分野に限られるケースも多いため、ママやパパのサポートの手配等までは難しいかもしれません。しかし、サポートを探していることを伝えれば、依頼できる施設やサービスを紹介してもらえる場合もあるでしょう。

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2.市町村の相談窓口

各市町村の役所が相談窓口を設置しており、さまざまな専門家に相談可能です。幅広い内容の相談をできるだけでなく、必要に応じて専門の部署を紹介してもらえる可能性もあります。
主な相談窓口と連絡先は以下のとおりです。

相談窓口

対応時間

連絡先

都道府県の子育て相談窓口

都道府県による

相談窓口一覧

日本助産師会相談窓口

火曜:10時〜16時

03-3866-3072

こころの健康相談統一ダイヤル

都道府県による

0570-064-556

よりそいホットライン

24時間対応

0120-279-338

こころのホットライン

公式HPを確認

050-5491-9824(1回20分無料)

無料で相談できる窓口も多いので、一度連絡してみるとよいでしょう。

3.子育て支援センター

子育て支援センターでは、ほかのママやパパ、子どもたちと交流できるだけでなく、専門家に発達や子育てに関する相談ができます。

遊び場を併設している施設も多く、子どもを遊ばせながら交流できるのが特徴です。基本的に利用料がかからないので、気軽に活用してみるとよいでしょう。

夜泣きや子育ての悩み相談に限らず、リフレッシュにも繋がりますよ。

4.子育ての悩みが相談できるアプリやサイト

赤ちゃんの夜泣きに関する相談や、他のママやパパとの交流を楽しめる専用のアプリやサイトもあります。

利用者の体験談等も投稿されていることが多いため、夜泣き対策の参考にもなるでしょう。たとえば、以下のようなアプリやサイトがあります。

  • 胎内音に似た音を流せるアプリ
  • チャットで子どもの健康相談ができるオンライン診療アプリ
  • 子育ての体験談が投稿されているアプリ

赤ちゃんとの外出を負担に感じる人は、子育ての悩みが相談できるアプリやサイトも利用してみてください。

赤ちゃんの夜泣きはみんなで乗り越えましょう

赤ちゃんの夜泣きは、発達過程に起こる生理現象のひとつであり、はっきりとした原因がわからないケースも多くあります。

しかし、大人と異なり睡眠サイクルが未発達であることも、夜泣きの理由のひとつと考えられているため、成長とともに落ち着いていく場合がほとんどです。

夜泣きをした際は、おむつを替えたり抱っこをしたりして落ち着かせてあげるとよいでしょう。バウンサーやホワイトノイズマシンなどの対策グッズを活用するのもおすすめです。

また、夜泣きが続くと心身ともに疲弊してしまうママやパパも多いので、周囲の人や専門機関のサポートを借りて、リフレッシュの時間を取るのも重要です。

夜泣きに悩んでいるママやパパは、ぜひこの記事を参考に、周囲のサポートを受けながら一緒に辛い期間を乗り越えましょう。

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