公開日 2024/03/21

【医師解説】生後4ヶ月の赤ちゃんができることとは?体や心の成長・発達を解説

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清益 功浩 先生

生後4ヶ月の赤ちゃんは首がすわり、縦抱きをしても首がぐらつかなくなってくる時期です。体の成長に伴い、運動機能が発達する様子を見られるのは、普段お世話をしているママやパパにとっても嬉しい瞬間でしょう。

本記事では、生後4ヶ月の赤ちゃんができるようになることや、生活のなかで気をつけたいポイントを解説します。生後4ヶ月の赤ちゃんに関するよくある質問も紹介しているので、詳しく知りたい方はぜひ読んでみてくださいね。

生後4ヶ月|赤ちゃんの体重や身長の目安

生後4ヶ月の赤ちゃんの体重や身長の目安を、以下の表にまとめました。(※厚生労働省「乳幼児身体発育調査」より)

項目

男の子

女の子

体重

5.67kg~8.72kg

5.35kg~8.18kg

身長

59.9cm~68.5cm

8.2cm~66.8cm

おむつのサイズ

Mサイズ

服のサイズ

60センチ

うまれたばかりのころに比べると、体重は2倍以上に、身長は10~15cm近く大きくなっています。おむつや服のサイズアップをする赤ちゃんもいるでしょう。

生後4ヶ月を過ぎると、これまでよりも体重の増え方はややゆるやかになる傾向です。

▶︎生後3ヶ月の赤ちゃんに関する詳しい解説はこちら

▶︎月齢別の赤ちゃんの成長・発達に関する詳しい解説はこちら

視力や見え方の変化

生後4ヶ月の赤ちゃんの視力は0.1くらいまでに発達し、ぼんやりと見えるようになってきます。動くものをじっと見つめたり、追いかけて見たりします。また「遠い・近い」など奥行きがわかるようになり始めるのも生後4ヶ月くらいの時期です。

最初は白・黒・グレーの判別しかできなかった赤ちゃんも、生後4ヶ月の時期になると大人と同じようにたくさんの色を認識できるようになりますよ。

生後3,4ヶ月健診では目の動きが自然であるかどうかや、眼球運動に異常はないか、斜視の有無などを確認します。詳しくは、下記の記事で解説していますので参考にしてみてください。

関連記事:【医師解説】赤ちゃんの寄り目(斜視)の原因や偽斜視との見分け方について医師に聞いてみました。

生後4ヶ月の赤ちゃんができるようになること

生後4ヶ月 できること

生後4ヶ月になると、首すわりの完了や寝返りを始める赤ちゃんもいます。体重や身長が伸びていくに伴って、全身の筋肉も発達していきます。赤ちゃんが自分で体を動かそうとする時期ですよ。

唾液腺が発達して、これまでに比べてよだれが増える赤ちゃんもいます。

首が座り始め、ぐらつきづらくなる

生後3ヶ月ごろから首すわりの兆候が見え始めていた赤ちゃんも、生後4ヶ月のころになると首周りがしっかりと発達し、首すわりが完了する子も増えてきます。うつ伏せから頭を持ち上げて、左右を見渡せるようになります。仰向けの姿勢が長かった赤ちゃんにとって、新しい視界の獲得につながるでしょう。

首すわりが完了すると、うつ伏せの状態から肘で上半身を支えるようなしぐさが見られることもあります。腕の筋肉も鍛えられて、これから寝返りやハイハイへとつながっていきます。

▶︎首座りに関する詳しい解説はこちら

寝返りを始める

「寝返り」とは、仰向けの姿勢から赤ちゃんが自分の力だけで体をひねり、頭を持ち上げて腹ばいの状態になることを指します。

寝返りができるようになるのは生後6ヶ月〜7ヶ月ごろの赤ちゃんが多く、生後4ヶ月では足や上半身を反対側へひねろうとするしぐさが少しずつ見られる時期です。ママやパパは赤ちゃんの周りに危険がないか確認し、最初は寝返りのサポートをしてあげるのもおすすめです。

▶︎赤ちゃんの寝返りに関する詳しい解説はこちら

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生後4ヶ月の赤ちゃんの心の発達

生後4ヶ月 心の発達

生後4ヶ月の赤ちゃんは、好奇心が旺盛になって周囲のおもちゃや絵本などに興味を持って触ろうとする様子が見られます。生後3ヶ月までは渡したおもちゃを受動的に握るだけだったのが、少しずつ自分の近くにあるおもちゃに手を伸ばそうとしますよ。

感情表現が豊かになり、足や手をバタバタと使って、体全体で喜びを表そうとします。

好奇心が旺盛になる

生後4ヶ月の赤ちゃんは、首すわりが完了したり寝返りの練習を始めたりすることで、生後3ヶ月までよりも体を動かせるようになります。見えていた視界も変わり、今までよりもどんどん好奇心が旺盛になっていきますよ。

おもちゃだけでなく、目で見たものに興味を持ち手を伸ばそうとしたり、正体を確かめるために口で舐めたりくわえたりして確認しようとします。赤ちゃんにものを触らせる場合は、安全面や衛生面を考慮しましょう。

体全体で感情を表現する

全身の筋肉が発達して、手や足を動かす力も強くなっていきます。嬉しいときに手足をバタバタとさせ「キャッキャ」のような声をあげる様子も見られるでしょう。

反対に、構ってほしいときやママやパパがすぐ近くにおらず寂しいときには、寂しそうな声を出すこともあります。

赤ちゃんの情緒はぐんぐんと発達している段階です。ママやパパが目を合わせスキンシップを取り、情緒の発達を促していきましょう。

関連記事:【医師解説】ハンドリガードをする理由や見られる時期、発達との関係について

生後4ヶ月の赤ちゃんの睡眠時間

生後4ヶ月 睡眠時間

生後4ヶ月の赤ちゃんは、睡眠時間の目安が「12時間〜15時間」とされています。生後3ヶ月ごろから昼夜の区別がつき始め、生後4ヶ月ごろには夜にまとまって眠れる赤ちゃんが増えてくるでしょう。個人差はあるものの、4時間〜5時間ほどまとめて寝るようになる赤ちゃんもいます。

日中のお昼寝の回数も減り、午前中に1回、午後に1回〜2回といった様子になってくるでしょう。

生後4ヶ月の時期には「睡眠退行」が見られる赤ちゃんもいます。睡眠退行とは、一定になってきた赤ちゃんの睡眠時間が、また不規則に戻ってしまう状態のことです。ある程度まとまって寝ていたのがまた夜中に起きるようになってしまうと、ママやパパの体も疲れてしまうかもしれません。

ただ、睡眠退行は赤ちゃんの脳が発達していく過程で表れるといわれています。睡眠退行はずっと続くわけではないため、赤ちゃんの成長による変化と捉えられるとよいでしょう。

▶︎赤ちゃんの夜泣きに関する詳しい解説はこちら

▶︎黄昏泣き(コリック)に関する詳しい解説はこちら

生後4ヶ月の赤ちゃんの授乳回数や量の目安

生後4ヶ月 授乳回数

生後4ヶ月の赤ちゃんは、授乳のリズムも整って1日に5回〜6回ほどの授乳回数となります。1回に飲める量が増えるため、授乳間隔は4時間〜6時間ほど空くようになるでしょう。

夜にぐっすりと眠っている場合は、無理に起こしてまで授乳する必要はありません。

また、赤ちゃんがお腹いっぱいになったら、自分から母乳やミルクを飲むのを止めることもあります。遊び飲みを始めたら授乳を切り上げることも大切ですよ。

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生後4ヶ月の赤ちゃんの生活リズム

昼夜の区別がついてくる時期になり、本格的に生活リズムを整えていくのがおすすめです。できるだけ同じスケジュールを繰り返すようにすると、赤ちゃんの生活リズムも自然と整っていくでしょう。

朝起きてからカーテンを開けて日の光を浴びさせ、濡らしたガーゼなどで顔を拭いてあげるのもおすすめです。寝間着から服にお着替えをするのもいいでしょう。お散歩やお風呂の時間もなるべく毎日同じ時間にすると、生活リズムを作りやすいだけでなく、ママやパパにとっても見通しが立てやすくなりおすすめです。

夜は遅くとも20時〜21時には就寝させるようにしましょう。入眠準備として、お風呂からあがったら部屋を暗くしておいたり、スマートフォンなどを赤ちゃんの近くで使用したりしないようにすることも大切です。

赤ちゃん 頭の形測定

生後4ヶ月の赤ちゃんとの遊び方

生後4ヶ月 遊び

生後4ヶ月の赤ちゃんは、手に持ったものを口に持っていくのが好きな時期です。握りやすく、舐めたりくわえたりしても問題ないおもちゃを使って遊びましょう。

歯茎や口をむずがる様子が見られる赤ちゃんもいます。赤ちゃんの乳歯が生えるのは一般的に生後6ヶ月〜8ヶ月ごろとされていますが、生え始める時期には個人差が大きく、早い赤ちゃんだと生後4ヶ月で歯が見え始める子もいます。軽くて握りやすい歯固めを渡すと、赤ちゃんが自分で握って口にくわえて遊ぶでしょう。

色覚が発達したくさんの色を認識できる時期です。色をたくさん使った絵本やおもちゃは、赤ちゃんにとって適度な刺激になりますよ。

▶︎揺さぶられっ子症候群に関する詳しい解説はこちら

生活で気をつけるべきこと

生後4ヶ月の時期は、手に取ったものを口に運んで確認しようとします。赤ちゃんの周りに誤飲してしまいそうなものは、絶対に置かないように気をつけましょう。

赤ちゃんの口の大きさは、直径約4cmとされています。それよりも小さいものは誤飲のリスクが高いため、手の届かない場所に片づけておくことが大切です。

寝返りも始まってくると、ベビーベッドやソファなどでの不慮の事故が起きやすいため、目を離さないようにしましょう。

▶︎赤ちゃんの頭皮の乾燥やフケに関する詳しい解説はこちら

産後4ヶ月ごろのママの様子

産後4ヶ月

産後4ヶ月ごろのママは、赤ちゃんの睡眠時間や授乳時間がある程度一定になってくることで、以前よりも負担が楽になってくる方もいるでしょう。しかし、産後3ヶ月〜6ヶ月の間に発症しやすいとされているのが「産後うつ」です。気分が落ち込んだりいらだってしまったりするほか、赤ちゃんをかわいいと思えなくなることもあります。

ママ自身がリフレッシュできる時間を作れるように、パパや頼れる大人に赤ちゃんのお世話を代わってもらい、少し赤ちゃんから離れる時間を作るのもいいでしょう。

産前のように少しずつ体を動かしつつ、お出かけする時間を増やすのもおすすめです。

生後4ヶ月の赤ちゃんに関するよくある質問

生後4ヶ月 よくある質問

生後4ヶ月の赤ちゃんに関する、よくある質問を紹介します。同じような疑問を持っている方はぜひ読んでみてください。

Q.3・4ヶ月健診では何をチェックしますか?

A.生後3,4ヶ月健診では、主に赤ちゃんの成長や発達の確認をします。身体測定のほか、首のすわり具合や目の動き方、耳の聞こえ、股関節の状態などをチェックされます。個人差があるため、健診を受ける時点で首すわりが完了していなくても問題ありません。

また、ママやパパが育児で心配なことや赤ちゃんの発達に不安なことがあれば相談できるようになっています。日常生活のなかで気になることがあれば、健診までにメモしておくといいですよ。

3,4ヶ月健診は任意のため必ず受けなければならないものではありません。しかし、赤ちゃんの成長を確認できる貴重な場であり、できる限り受診するのが望ましいでしょう。

関連記事:【医師解説】3,4ヶ月健診は何をチェックする?内容や費用、注意点について医師に聞いてみました。

Q.赤ちゃんの歯が生え始める時期は?

A.一般的に赤ちゃんの乳歯が生え始める時期は「生後6ヶ月〜8ヶ月ごろ」とされています。最初は下の前歯から生えて、2歳半〜3歳のころにようやく20本すべての乳歯が生えそろうようになります。

歯の生え始める時期やスピードは個人差が非常に大きく、生後4ヶ月で歯が見え始める赤ちゃんも珍しくありません。歯が生え始めたら、虫歯を予防するための口腔ケアを始めるのもいいでしょう。

Q.赤ちゃんの頭の形が気になります

A.赤ちゃんの頭は、脳の成長に対応できるように頭蓋骨がいくつかのピースに分かれており、変形しやすい状態です。頭の同じ部位が、長時間地面などに触れていると、その部分の成長が阻害されて平らになります。後頭部の片側が平らになると斜頭症、全体が平らになると短頭症と呼ばれます。

向き癖があり頭の形が気になる場合は、改善するために以下の方法が有効とされているので参考にしてください。

▶︎向き癖に関する詳しい解説はこちら

  • 抱っこや授乳、話しかける方向を赤ちゃんの向き癖の反対側にする
  • 向き癖側の頭から体までをバスタオルやマットを利用して少し持ち上げる
  • 保護者の管理のもと腹ばいでの運動時間を作るタミータイムで発達を促進する

生後4ヶ月〜8ヶ月ごろに重度のゆがみがある場合は、自然な経過の中でのゆがみの改善は難しくなります。

もし、上記の方法を試してみても、頭の形が気になる場合は、専門の医療機関に一度相談することを検討するのもよいでしょう。

関連記事:【医師解説】絶壁頭や斜頭症など、赤ちゃんの頭の形のゆがみは放っておいてもいい?

できることが増える喜びを赤ちゃんと一緒に楽しもう

生後4ヶ月の赤ちゃんは、首すわりが少しずつ完了し始め、見える景色がまた新鮮になる時期です。赤ちゃんが自分で体を動かせるようになり、見えるものに手を伸ばそうとしたり、うつ伏せになろうと寝返りの練習をしたりする様子も見られるでしょう。

赤ちゃんが見せる感情表現も豊かになる時期のため、ママやパパにとってはあやしたりスキンシップをとったりするのも一段と楽しくなります。

赤ちゃんの成長に目を向けて、できるようになったことを赤ちゃんと一緒に喜びながら育児を楽しんでいきましょう。

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製造販売業者

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