ヘルメット治療の歴史
1992年
米国小児科学会が「仰向け寝」運動を推奨し、早期乳幼児突然死症候群の発生を劇的に改善。
しかし、絶壁になったり、向き癖により頭のかたちが変わってしまったと米国頭蓋顔面センターへの相談数が増加
1998年
FDAが米国で初めて「頭蓋形状矯正ヘルメット」を医療機器として承認
2014年
厚生労働省「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会」にてヘルメット矯正治療の検討がおこなわれる
2018年
厚生労働省が日本で初めて「頭蓋形状矯正ヘルメット」を医療機器として承認
2022年
ベビーバンドが医療機器として承認取得(医療機器承認番号:30400BZX00090000)
ヘルメット治療の原理
まずはじめに、ヘルメット治療は、赤ちゃんの頭に圧力をかけてかたちを変形させるものではありません。 赤ちゃん自身の頭蓋の成長を原動力にしておこなう治療です。 ヘルメットを装着することで、頭の平らな部分には成長を促す空間を作り、既に成長している丸い部分には成長を待機させます。 その結果、頭の成長に従って平らだった部分の成長が追いつき、頭のかたちが整います。 ベビーバンドのヘルメットは、赤ちゃん一人ひとりの頭のかたちに合せてオーダーメイドで設計されるため、無理なヘルメットの装着はありません。
ヘルメット治療の留意点
ベビーバンドでヘルメット治療を始める前に、 ご留意いただきたいポイントです。
納期は約1〜1.5週間
医療機関で診断後、ヘルメットを発注し装着するまで約1~1.5週間かかります。 赤ちゃんの頭蓋成長が治療に欠かせない原動力のため、治療期間・治療効果の観点からも低月齢時からの治療をおすすめします。頭のかたちが気になったら、お早めに専門の医療機関へご相談ください。
装着は1日23時間
1日23時間、入浴や汗を拭き取るなどの時間以外は継続して装着することを推奨しています。装着時間が長いほど、平らな部分の成長が促進されるため、治療効果は高くなります。 ただし、発熱などの体調不良はもちろん、プールに入る、家族で記念写真を撮る、肌に赤みが出ているなどの場合に短時間外すことは問題ありません。
清潔に保つ
長時間、赤ちゃんの皮膚に触れつづけるものなので、ヘルメットシェルとクッションは定期的に洗浄してください。長期間お手入れしなかった場合、におい、皮膚の炎症、不快感などの問題が発生する可能性があります。
通院は月に1回
ヘルメット治療中の通院は、月に1回程度が目安です。 通院する医療機関や赤ちゃんの月齢、ゆがみの度合いによっても頻度は異なります。医療機関にて、治療経過やトラブルが発生していないかを確認します。
治療期間は2〜6ヶ月
ベビーバンドによる標準的な治療期間は、2~6ヶ月程度です。 頭のゆがみの度合いや治療の開始時期によって異なりますが、低月齢で頭のゆがみ度合いが低いほど、治療期間は短くなります。
ヘルメット治療の 医学的研究
治療効果に関する研究
高い治療効果
2015年の米国の研究にて、1,531人の赤ちゃんがヘルメット治療をおこない、1,454人(95.0%)が頭蓋矯正に成功(正常な数値に改善)※1
重度のゆがみは自然に改善しづらい
2021年の日本の研究にて、重度の斜頭症の赤ちゃんの約7割が2ヶ月の自然経過では改善しないという研究結果※2 一方でヘルメット治療を行った、重度の斜頭症の赤ちゃんは、自然経過よりも2ヶ月でゆがみ度合いが約3倍改善
顔面変形の改善
2021年の日本の研究にて、重度の斜頭症の赤ちゃんの約7割が2ヶ月の自然経過では改善しないという研究結果※3 一方でヘルメット治療を行った、重度の斜頭症の赤ちゃんは、自然経過よりも2ヶ月でゆがみ度合いが約3倍改善
治療開始時期と矯正効果
2013年の米国の研究にて、ヘルメット治療による斜頭症の矯正効果は、赤ちゃんの月齢が上がるにつれて低下※4
- ・矯正効果は生後32週で生後20週未満の半分以下
- ・生後32週後から矯正効果は比較的一定で推移
治療の懸念点に関する研究
主な副作用は皮膚炎。 発症率は比較的低い
2020年のフランスの論文にて、ヘルメット治療による合併症発症率が報告 赤み(1.6%)、擦過傷(0.6%)、皮膚アレルギー(0.1%)、骨炎(0.1%)、血腫(0.05%)、斜頸(0.05%)※1
頭蓋成長は阻害しない
2021年の日本の研究にて、自然経過とヘルメット治療の頭囲成長を比較し、ヘルメットをしたことで成長が阻害されていないことが報告されています※2