公開日 2024/03/18
【医師解説】赤ちゃん(新生児)との外出はいつから?外出時間の目安や持ち物リストを紹介

目次

赤岩 明 先生
初めて育児をするママやパパは、赤ちゃんとのお出かけを心待ちにしている方も多いのではないでしょうか。赤ちゃんとの外出は楽しみな反面、「どんなことに注意したらよいのか」「何を準備したらいいのか」など、知っておきたいことがたくさんあります。
本記事では、新生児期に外出を控える理由や月齢別のお出かけ時間の目安、おすすめの持ち物リストや服装などを紹介します。
赤ちゃんとの外出は1ヶ月健診が終わってから
赤ちゃんとの外出は、原則として1ヶ月健診が終わってからです。新生児期は、どうしても必要な場合以外は、なるべく家で過ごすようにしましょう。新生児期は生まれてから生後28日未満を指します。1ヶ月健診で赤ちゃんの発育に問題がないことを診てもらってから、お出かけを予定します。
新生児期にお出かけを控える理由とは
新生児のお出かけがおすすめできない理由は以下の通りです。
- 体温調節がうまくできないため
- 免疫機能や抵抗力が未熟なため
- 体力が未熟なため
この時期の赤ちゃんにとって、外の世界は刺激が多く、外出は体に大きな負担がかかります。ママの免疫をもらって生まれてくるものの、まだ抵抗力は弱く、感染も心配ですから少しずつ外の世界に慣れるようにします。
お出かけデビュー前に、まずは「外気浴」を始めよう
外気浴は生後3週間を過ぎた頃から始めます。 窓を開けて、室内に入り込む外気を赤ちゃんに触れさせることで、新鮮な空気に接し、呼吸器機能や体温調節機能が刺激されます。急な温度変化がないように、季節やお天気により窓の開け方を調節し、外気浴の間は外からの風や日光が赤ちゃんに直接あたらないよう、抱っこをしながら見守ってあげてください。
ベビーベッドなどで行う場合は、目を離さないようにします。
月齢別|赤ちゃんと外出する時間帯と外出時間

赤ちゃんの月齢別に、外出する時間帯や外出時間の目安を紹介します。発達時期や赤ちゃんの成長に合わせ、無理をしないで、少しずつお出かけを進めましょう。
生後1ヶ月~
生後1ヶ月を過ぎた赤ちゃんは、外気浴で少しずつ外の気温や空気に慣らしてからお出かけを始めましょう。初めは1日のうち午前中に5分〜10分のように、短時間で家の周辺のお散歩からスタートし、徐々に外にいる時間を延ばしていきます。
生後2ヶ月~3ヶ月
生後2ヶ月〜3ヶ月ごろの赤ちゃんは少しふっくらとして、表情も豊かになり、生後1ヶ月から始めたお出かけによって、赤ちゃんは徐々に外の世界に慣れてきているでしょう。ママの体調も安定していれば、1日に30分〜1時間ほど外出ができます。午前中にお出かけして、午後にはしっかりとお昼寝できるようになると、少しずつ生活リズムが整ってきます。

生後4ヶ月~5ヶ月
生後4ヶ月〜5ヶ月ごろの赤ちゃんは首がすわり、縦抱きが安定する時期です。ベビーカーの角度を起こしたり抱っこ紐で縦抱きをしたりしてお出かけすると、目線が変わり赤ちゃんにとって新たな刺激となるでしょう。
以前よりも授乳の間隔が長くなるので、1時間以上のお出かけもしやすくなりますよ。生後5ヶ月以降では離乳食を始める赤ちゃんもいます。母乳やミルクだけでなく麦茶も飲めるようになり、暑い日のお出かけの水分補給にもおすすめです。
生後6ヶ月以降
生後6ヶ月以降では離乳食を始めている赤ちゃんが多くいます。体力がついて赤ちゃん自身もお出かけを楽しむ様子が見られるでしょう。おむつ替えの間隔も長くなり、頻繁に替えなくても済むようになる時期です。電車やバスなどの交通機関を利用してのお出かけも楽しめます。
生後6ヶ月を過ぎると、親子ヨガやベビースイミングなど始められる習い事もあります。同じくらいの月齢の赤ちゃんを育てるママに出会えることもあり、ママにとってのリフレッシュにもおすすめです。
赤ちゃんとお出かけするときに知っておきたいこと

赤ちゃんとのお出かけは、必要なものが多いだけでなく、外出先の設備の確認などしっかりとした準備が大切です。ここでは以下のポイントを解説します。
- 持ち物リスト
- 外出先のチェックポイント
- 服装リスト
入念な準備や下調べは、赤ちゃんとの外出を快適に過ごせるかどうかを左右するため、これから赤ちゃんとのお出かけを控えているママやパパはぜひ参考にしてください。
初めての外出におすすめ「お出かけ持ち物リスト」
必須 | 母子手帳、健康保険証、医療費受給者証 | |
おむつ(月齢に合わせて4〜6枚) | ||
おしりふき | ||
ガーゼやタオル | ||
哺乳瓶 | ||
ミルク | ||
調乳用のお湯 | ||
着替え(1〜2着) | ||
ビニール袋 | ||
抱っこ紐 | ||
おすすめ | 授乳ケープ | |
ウェットティッシュ(おしりふきで代用できる場合は不要) | ||
月齢に合わせたおもちゃ | ||
お気に入りのおもちゃ | ||
おすわり後の赤ちゃんにチェアベルト | ||
スリングやヒップシート |
お出かけ前に確認しておきたい「外出先のチェックポイント」
初めてお出かけする場所は、どんな設備があるかをあらかじめ確認しておくと安心です。外出先で授乳したいと考えているとき、外出先に給湯器がなければ液体ミルクを活用するのもおすすめです。
- エレベーターの有無
- トイレの場所
- ベビーカーで入れるトイレの有無
- 授乳室やベビールーム
- 給湯器や電子レンジ
- 電車の場合、ベビーカーを停められる車両番号

季節別おすすめ「服装リスト」
月齢が進むにつれ成長するとはいえ、赤ちゃんはまだ体温調節が上手ではありません。言葉が出てくるまでは、気温や赤ちゃんの様子に合わせてママやパパが服装を調節してあげることが必要です。
春(気温10度~21度)の服装
春(3月~5月)は、一年のなかでも風が強い季節です。
〈おすすめの服装〉
- 肌着
- 長そでロンパース
- 靴下
少しずつ気温の高い日が増えるものの、強風により体感温度が低く感じることもあるでしょう。気温が高めの日でも、風よけに上着などを1枚余分に持って出かけると安心ですよ。
夏(気温22度~29度)の服装
夏(6月〜8月)は気温や湿度の高い日が多く、快適に過ごせるための服装が大切です。
〈おすすめの服装〉
- 短肌着
- 半そでロンパース
- 帽子
とくに赤ちゃんは大人よりも体温が高く汗っかきのため、調節しないとあせもになることもあるでしょう。紫外線が強く赤ちゃんの肌にも影響があるため、日焼け止めや日よけの帽子などでの紫外線対策も重要です。ほかにもベビーカー・抱っこ紐につけられる保冷剤や、モバイル型の扇風機なども活用するとよいでしょう。
秋(気温14度~23度)の服装
秋(9月~11月)は一年のなかでも過ごしやすい日が多い季節です。
〈おすすめの服装〉
- 肌着
- ロンパース(半そでまたは長そで)
- 薄手の上着
気温や湿度、紫外線の強さなども落ち着き、お出かけしやすい時期といえます。朝や夕方に気温が冷え込む日には、調節しやすい上着があると便利ですよ。
冬(気温5度~9度)の服装
冬(12月〜2月)は、外の気温がかなり低く、赤ちゃんが体調を崩さないように防寒が重要です。
〈おすすめの服装〉
- 長肌着
- 長そでロンパース
- 薄手の上着
- 靴下
- ニット帽
- 手袋
外と室内の温度差が激しいため、脱ぎ着して調節できるような服装を選ぶとよいでしょう。ベビーカーやチャイルドシートに敷けるあたたかいパッドや、抱っこ紐につけられるブランケットなどもありますよ。
赤ちゃんとのお出かけおすすめスポット

赤ちゃんとのお出かけにおすすめのスポットを紹介します。とくにお出かけデビューのときや、1歳を迎える前までの月齢の低い赤ちゃんとの外出に便利な場所をピックアップしています。
公園
公園はおすすめのスポットです。家の近くに公園がある場合は、生後1ヶ月を過ぎた赤ちゃんのお出かけデビューにもよいでしょう。自然の多い公園では、四季の変化を感じられて赤ちゃんの心の成長にもつながります。また、遊具がある公園では上の子も一緒に連れていき遊ばせることもできますよ。
支援センター
地域の子育て支援施設は、全国に7,900か所以上開設されています。保育園や幼稚園に通う前の赤ちゃんとのお出かけ先としてもおすすめです。家にないおもちゃで遊んだり、施設によっては定期的に赤ちゃん向けのイベントが開催されたりしているので、いつもと違う経験をさせられるでしょう。同じくらいの月齢の赤ちゃんを育てるママやパパと交流できたり、育児の悩みがあれば相談に乗ってもらったりすることもできますよ。
ショッピングモール
ショッピングモールは家族向けに作られた施設が入っていることが多いので、生後6ヶ月を過ぎた赤ちゃんと混雑する日や時間を避けて行くとよいでしょう。ベビールームには授乳室だけでなく離乳食をあたためられるように電子レンジが用意されていたり、ミルクの調乳用に給湯器があったりします。ママやパパが赤ちゃんと快適に過ごせるように、配慮されているのも嬉しいポイントです。ショッピングモールに入っている飲食店には、キッズ向けのメニューや赤ちゃん用の椅子が準備されていることもあり、赤ちゃんとの外食デビューにもおすすめですよ。
赤ちゃんの生活リズムを整える3つのポイント

お出かけは、赤ちゃんの感受性を育み心身の成長に大切です。それだけでなく、1日の生活リズムを整えるのに効果的な要素の1つです。以下3つのポイントを解説します。
1.お出かけする時間を決める
赤ちゃんとのお出かけは、できるだけ毎日同じ時間にするのがよいでしょう。おすすめの時間帯は「午前中」です。日の光を浴びて外の刺激を受け、夜はしっかりと眠れるように遅い時間には外出しないようにしましょう。お出かけする時間を決めて生活リズムをつくると、夜泣きや黄昏泣きにも効果的です。
2.お出かけを習慣化する
お出かけができる時期になったら、なるべく毎日外出してお出かけを習慣にしましょう。赤ちゃんとのお出かけは準備物も多く大変なため、毎日のルーティンにして外出のハードルを下げるのがおすすめです。ただし、必ず毎日出かけなければいけないというわけではありません。天候や体調を考慮して、無理のない範囲でおこないましょう。
3.朝と夜の区別をつける
赤ちゃんはうまれてからしばらくの間は、朝夜関係なく2~3時間おきに寝起きしたり授乳したりする生活です。赤ちゃんによって個人差はありますが、昼夜の区別がついて夜にまとまって眠るようになるのは生後6ヶ月以降とされています。早い時期から赤ちゃんに朝と夜があることを教えられるように、朝はカーテンを開け明るくし、夜は室内でも暗めにすることで早めの入眠準備をするのもおすすめです。赤ちゃんが夜にまとまって眠れるようになると、ママやパパの体力回復にもつながりますよ。
赤ちゃんとの外出は負担のないペースで楽しもう
赤ちゃんにとってお出かけは、外の世界を知り健全な心身の発達にとって大切なことの1つです。しかし、早くたくさんお出かけしようとするのではなく、赤ちゃんの月齢や様子に合わせて負担のないペースでおこなうことがおすすめです。産後のママは、出産による体のダメージやホルモンバランスの崩れによって、不調を感じる場合があります。お出かけがママやパパにとってのハードルにならないように、準備や下調べをしてお出かけするとよいでしょう。赤ちゃんだけでなくママやパパにとっても外出が楽しい時間になることで、赤ちゃんとの信頼関係にもつながりますよ。