公開日 2023/05/25

【医師解説】ドーナツ枕やベビー枕で赤ちゃんの頭のゆがみは予防できますか?効果や危険性について聞いてみました。

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さの赤ちゃんこどもクリニック 院長

佐野 博之 先生

Q.ドーナツ枕やベビー枕は絶壁などの頭のゆがみ予防に効果があるのでしょうか?

A.レビューサイトや口コミなどで、効果があったという書き込みなどもありますが、現在のところ、ドーナツ枕やベビー枕が頭のゆがみ予防に効果があるかどうかについては、科学的に十分な根拠はありません。また、アメリカのFDA(医薬品や医療機器の安全性・有効性を規制する政府機関)から、赤ちゃんの頭のゆがみを予防・治療する枕は使用しないようにと、保護者の方や医療従事者向けに注意喚起されています。

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Q.なぜ、利用に関して注意喚起が出ているのでしょうか?

A.注意喚起が出ている理由は大きく2つあります。

1つ目は、乳幼児突然死症候群(SIDS)などの赤ちゃんの窒息リスクが増加する可能性があるためです。赤ちゃんが枕の周りに顔を押し付けたり、枕の隙間に顔を挟ませたりすることが原因で、窒息事故が発生する危険性が高まるからです。

2つ目は、先ほども少しお話ししましたが、安全性と有効性が証明されていないからです。

ドーナツ枕やベビー枕は、仰向けに寝た乳幼児の後頭部を包み込むように設計されています。赤ちゃんの頭の形状や対称性を改善し、他の病状の予防や治療に効果があるとして販売されていますが安全性と有効性は証明されていません。

日本でも、有効性や安全性は検証されていないと思いますので、十分な注意が必要です。

Q.乳児突然死症候群(SIDS)とはなんでしょうか?

A.乳児突然死症候群(SIDS)とは、1歳以下の健康に見えていた乳児が睡眠中に予期せず突然死亡することです。日本ではおおよそ出生6,000~7,000人に1人と推定され、生後2ヵ月から6ヵ月に多いとされています。SIDSに関連する危険因子は知られているものの、これを確実に防ぐ方法はまだ確立していません。しかし、SIDSによる死亡数は、赤ちゃんをうつ伏せ寝や横向け寝ではなく、あお向けに寝かせることで劇的に減少しています

その他、母乳で育てられている赤ちゃんの方がSIDSの発生率が低いということや、喫煙がSIDS発生の危険因子になっていることがわかっています。

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赤ちゃんの頭の形測定

Q.ドーナツ枕やベビー枕など赤ちゃん用の枕を利用しない場合、どのように寝かせるのが良いのでしょうか?

A.安全な睡眠環境を促進するために、米国小児科学会(AAP)は、枕、おもちゃ、柔らかい物、緩い寝具を使用せず、平らな(傾斜していない)面にある裸のベビーベッドで乳児を仰向けに寝かせることを推奨しています。

また、日本でも消費者庁より、赤ちゃんの寝具について、以下3つの注意ポイントが挙げられています。

①敷き布団やマットレスなどは、固めのものを使用する

ふかふかの柔らかい敷き布団、マットレスや枕は、うつぶせになった場合、顔が埋ってしまい、鼻や口が塞がれ、窒息するリスクがあります。

②掛け布団は、赤ちゃんが払いのけられる軽いものにし、顔に被らないようにする。

掛け布団が鼻や口を覆わないように、いつでも赤ちゃんの顔が見られる状態にしましょう。

掛け布団以外でもタオルやぬいぐるみなど、顔を覆ってしまうようなものはベッド周りには置かないようにしましょう。

③ひも付きの枕やよだれかけなど、寝ている赤ちゃんの顔の近くに置かないようにする。

寝ている赤ちゃんの首にひもが巻き付き、窒息するリスクがあります。

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Q.赤ちゃんの頭のゆがみ予防のために何ができるでしょうか?

A.頭のゆがみの予防や、軽度のゆがみの改善を試みる場合には体位変換やタミータイム(うつぶせで遊ばせる時間をとる)を行ってみるのが良いでしょう。重度のゆがみの場合は、自然に改善するのは難しくなりますのでヘルメット治療という選択肢もあります。

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①定期的に体の向きを変える(体位変換)

ベッドやベビーカーで寝ている方向や、授乳の向き、抱っこの向き等、バランスよく体の方向を変えてあげることで、赤ちゃんの頭の圧力が均等に分散され、頭のゆがみを防ぐことができます。

②うつぶせで遊ばせる時間を取る(タミータイム)

うつぶせで遊ばせることによって、首や背中の筋肉を鍛えると同時に頭の圧力を軽減し、頭形変形の予防に役立ちます。1日2~4回程度、最初は数分だけでも大丈夫なので、少しずつ時間を増やし、トータル1日60分程度を目安に実施すると良いと思います。うつ伏せのまま寝かせることは、乳児突然死症候群(SIDS)の危険性が高まりますので、必ず赤ちゃんが起きている時に行い、目を離さないようにしましょう。

▶︎ヘルメット治療に関する詳しい解説はこちら

赤ちゃんの頭はとてもやわらかく、少しの圧力でもゆがんでしまいます。そのため赤ちゃんの頭のゆがみについて悩む保護者の方も多くいらっしゃいます。お子さまの頭の歪みが気になったら、一人で悩まずぜひ医療機関へご相談ください。

参考:

Do Not Use Infant Head Shaping Pillows to Prevent or Treat Any Medical Condition: FDA Safety Communication

Moon, Rachel Y., and Task Force on Sudden Infant Death Syndrome. "SIDS and other sleep-related infant deaths: expansion of recommendations for a safe infant sleeping environment." Pediatrics 128.5 (2011): e1341-e1367.

Vol.529 赤ちゃん用の寝具に適しているのは、ふかふか? それとも固め?|消費者庁

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販売名 ベビーバンド
一般的名称 頭蓋形状矯正ヘルメット
医療機器承認番号 30400BZX00090000
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一般的名称 頭蓋形状矯正ヘルメット
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