公開日 2024/03/19

【医師解説】赤ちゃんの頭皮のうろこやフケの原因は?頭皮の乾燥を防ぐ保湿方法を解説

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清益 功浩 先生

生後間もない赤ちゃんは新陳代謝が盛んで、頭皮にフケやうろこ、かさぶたのようなものが見られることがあります。白くポロポロとしていたり、黄色く臭いがあったりと、初めて見るママやパパはびっくりする方もいるでしょう。

本記事ではうまれてから1歳くらいまでの間に見られやすい「赤ちゃんの頭皮トラブル」について解説します。

赤ちゃんの頭皮を守るためのポイントや乾燥対策についても解説します。

赤ちゃんの頭皮にできる「フケ」の原因とは?

赤ちゃんの頭皮に見られる、白いポロポロとしたものの正体は「フケ」です。

赤ちゃんの頭皮にフケと聞くと、驚く方もいるでしょう。頭皮にフケができる原因は、月齢によって異なります。

まず、赤ちゃんの月齢別の頭皮状態は以下の通りです。

  • 新生児~生後2ヶ月ごろ:皮脂量が多く、ベタつきやすい
  • 生後3ヶ月~4ヶ月ごろ:皮脂量が急減し、乾燥しやすい

皮脂量が多い時期にはベタっとした黄色っぽいものが出やすく、皮脂量が少なくなった時期にはカサカサと乾燥した白っぽいものが出やすくなっています。

関連記事:【医師解説】ハンドリガードをする理由や見られる時期、発達との関係について

新生児~生後2ヶ月|頭皮の皮脂量が多くベタつき臭うこともある

新生児~生後2ヶ月ごろの赤ちゃんは、皮脂量が多くベタつきやすい時期です。皮脂分泌が活発で、思春期の子どもと同じくらいの皮脂量といわれています。また、頭皮やおでこには皮脂腺が多く集まっており、ほかの部分に比べて皮脂が過剰に出やすい場所でもあります。

過剰分泌された皮脂は「乳児脂漏性湿疹(にゅうじしろうせいしっしん)」の原因にもなり、かゆみが出てくることもあるのです。ほかにも、皮脂は時間が経つにつれ酸化し、臭いの原因にもなります。「赤ちゃんの頭がくさいな」と感じるときは、頭皮から出た皮脂が酸化している状態と考えられるでしょう。

毎日清潔にし、スキンケアをおこなうことで自然に治っていきますよ。

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生後3ヶ月~4ヶ月以降|皮脂量が減少し乾燥でカサカサする

生後3ヶ月~4ヶ月以降の赤ちゃんは、過剰に分泌されていた皮脂量が急激に減少していく時期です。皮脂量は一般的な20代の女性の1/3ほどまでに減ってしまいます。

皮脂量が減ることによって、赤ちゃんの皮膚を守るための「皮脂膜」が作れなくなり、頭皮が乾燥したりカサカサとしたかさぶたのようなフケが出てきたりします。赤ちゃんは皮膚のバリア機能が未発達であるため、頭皮トラブルを起こしやすい状態です。

乾燥してカサカサしているとかゆみの原因にもなったり、見た目も気になったりするでしょう。適切なケアで赤ちゃんの頭皮を守ることが大切です。

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赤ちゃんのフケはいつまで続くの?

赤ちゃん 頭皮

新生児期~生後2ヶ月ごろの赤ちゃんにできたフケは、皮脂分泌が落ち着く生後3ヶ月以降になると自然に治るパターンが多くあります。日常生活では毎日お風呂でしっかりと洗う、汗をかいたら拭くなどで清潔を保つことが大切です。

個人差があるため、必ずこの時期になると治ると断言はできませんが、生後8ヶ月~1歳ごろになると肌のバリア機能が高まりトラブルが起きにくくなる傾向があります。

赤ちゃんの頭皮トラブルにはどんな症状がある?

赤ちゃん フケ トラブル

ここからは、よくある赤ちゃんの頭皮トラブルによる症状を解説します。どの赤ちゃんも頭皮や肌はデリケートという点は同じですが、トラブルによってどんな症状が表れるかは赤ちゃんによって個人差があります。

よくある症状は以下の通りです。

  • 乾燥してうろこのようになっている
  • 頭皮がグチュグチュしている
  • クリームのように黄色っぽく厚いかさぶたができている
  • 赤みのあるブツブツができる

乳児脂漏性湿疹(にゅうじしろうせいしっしん)

赤ちゃんによく見られる代表的な皮膚トラブルの1つに「乳児脂漏性湿疹」があります。国立成育医療研究センターの研究によると、赤ちゃんの約1/3で症状が表れるといわれています。

新生児~生後2ヶ月ごろまでの皮脂分泌量が多い時期に、頭皮や髪の生え際などで見られやすい症状です。過剰に分泌された皮脂によって赤みやかゆみが出たり、皮膚の上で固まって白い状態になったりします。

赤ちゃんがかゆくないようであれば、適切なスキンケアで自然に治るのを待って問題ありません。ただし、かゆみがあり赤ちゃんが頭をひっかいてしまうようであれば、頭皮は傷つきやすくひっかき傷になる可能性もあります。状況に応じて皮膚科で診てもらうようにしましょう。

関連記事:【医師解説】乳児湿疹ができる原因は?アトピー性皮膚炎との違いや対策について医師に聞いてみました。

赤ちゃんの頭皮を守るためのポイント

赤ちゃん 頭皮 ケア

赤ちゃんの頭皮は、大人よりもデリケートで敏感です。大人と同じケアをするのではなく、赤ちゃんに適したベビー用石けんや保湿アイテムを使い、頭皮を守ってあげましょう。

以下より、赤ちゃんの頭の洗い方や乾かし方、うろこのようなかさぶたができたときの対処法も解説します。

ベビー用のシャンプーできれいに洗う

赤ちゃんの頭は「ベビー用シャンプー」を使用しましょう。ベビー用シャンプーは低刺激で、デリケートな赤ちゃんの肌をやさしく洗いあげてくれるものがおすすめです。

まずはお湯でしっかりと予洗いし、頭皮や髪を濡らしてからシャンプーをつけていきます。シャンプーは泡立ててから赤ちゃんの頭に乗せるようにして、頭皮の上で泡立てることのないようにしましょう。

赤ちゃんは汗っかきなので夏場はもちろん、汗をかきにくい涼しい季節でも毎日洗ってあげるのが大切です。シャンプーで洗ったらしっかりとすすぎます。

すすぎが不十分だと赤ちゃんの頭皮にシャンプーやふけなどが残って雑菌が繁殖したり、シャンプーなどによってかぶれたりして、かゆみや皮膚トラブルの原因になります。耳の後ろや後頭部など洗いづらい部分も忘れずに、十分に洗い流しましょう。

うろこのようなかさぶたは無理に取らない

赤ちゃんの頭皮にうろこのようなかさぶたができているときは、無理にはがそうとすると傷になる場合があります。あえて取ろうとせずに、自然にはがれていくのを待ちましょう。

お風呂に入ってふやけたり、頭を洗っているときに自然にはがれ落ちたりするのは問題ありません。入浴前にクリームやオイルなどを塗って時間をおくと、ふやけてはがれやすくなります。

髪を濡れたままにしない

お風呂のあとに髪の毛が濡れたままだと、雑菌が繁殖しやすい状態になります。赤ちゃんの頭皮と髪はしっかりとタオルで拭き、濡れた状態のままにしないようにしましょう。

赤ちゃんの髪の量がまだ少ない場合は、タオルドライのみでも問題ありません。タオルドライだけでは乾きが不十分な場合は、温度に気を付けて、ドライヤーも使ってやさしく乾かしておくのがおすすめです。

ベビー用スキンケアで保湿する

お風呂あがりには、なるべく速やかに赤ちゃんの肌を保湿しましょう。頭皮だけでなく全身の保湿も一気にできるとよりよいです。

赤ちゃんの肌は大人よりも薄くバリア機能が未熟なため、とくにお風呂のあとには急速に肌の水分が失われてしまいます。肌から水分が蒸発し乾燥が進んでしまうことで、乾燥による肌トラブルが引き起こされます。

保湿する際にもベビー用のスキンケアアイテムを使うのがおすすめです。

水分と油分を補ってくれるアイテムがおすすめ

お風呂上がりの赤ちゃんには早く保湿をしてあげたいものの、湯冷めをしないように服も早く着せてあげたいものですよね。

そのため、保湿が手早くできるように、水分と油分の両方を1つのアイテムで補ってくれるものがおすすめです。顔や体、頭皮など赤ちゃんの全身に使えるものが使いやすいでしょう。

ほかにも「ワセリン」は低刺激で保湿力の高いアイテムです。もし傷があってもしみにくく、うまれて間もないころの赤ちゃんにも使えるアイテムです。

頭皮の保湿には、大人が使う化粧水のような水分の多いアイテムは使いづらいこともあるため、油分も含んだ乳液のようにとろみのあるものが使いやすいでしょう。

頭皮の乾燥を予防する方法3選

赤ちゃん 帽子

赤ちゃんの頭皮をトラブルから守るためには、清潔に保つ以外にも乾燥の予防も大切です。ここでは頭皮の乾燥予防として、以下の3つを例に解説します。

  1. 帽子やシェードで紫外線対策をする
  2. 室内の湿度を上げる
  3. 保湿ができる沐浴剤を使う

①帽子やシェードで紫外線対策をする

紫外線は皮膚の乾燥が進む原因にもなります。赤ちゃんの皮膚は大人よりも薄く、髪の量も少ないため、ダメージを受けやすい状態です。赤ちゃんとのお出かけの際には帽子をかぶせることで、紫外線から頭皮を守れます。

とくに夏の暑い季節には紫外線が強くダメージを受けやすいため、必ず帽子をかぶせて出かけましょう。また、車に乗せて移動する際にも、紫外線は窓を通り抜けるためシェードなどで対策するのがおすすめです。ベビーカーで外出するときもシェードを活用して、紫外線から赤ちゃんを守りましょう。

▶︎赤ちゃん(新生児)との外出に関する詳しい解説はこちら

②室内の湿度を上げる

室内の湿度が低いときには、大人と同じように赤ちゃんの肌も乾燥してしまいます。とくに秋~冬の寒い季節にはかさつきやすいので、適切な湿度に調整しましょう。

一般的に赤ちゃんが快適に過ごしやすい湿度は「40%~60%」といわれています。湿度計でお部屋を管理しながら、湿度が低い場合には加湿器を使い湿度を上げられるように工夫しましょう。ただし、結露やカビの発生には注意してくださいね。

③保湿ができる沐浴剤を使う

「沐浴剤」とは赤ちゃんの沐浴の際にベビーバスに入れる入浴剤のようなものです。入浴剤と異なる点は「洗浄力」と「洗い流しが不要」な点です。

沐浴剤を使うことで、赤ちゃん用の石けんで頭や体を洗うことなく清潔にできます。「石けんを使うと滑りそうで不安」という方も、安心して赤ちゃんを洗えるでしょう。

また、沐浴剤は洗い流しが不要で、赤ちゃんを洗い終わったらそのままタオルで拭きあげて問題のないアイテムです。コラーゲンやグリセリンといった保湿効果に期待できる成分が配合された沐浴剤なら、赤ちゃんの沐浴を負担なくできる上に保湿も同時にできるのでおすすめです。

赤ちゃんの頭皮トラブルに関するよくある質問

赤ちゃん 頭皮 トラブル

ここからは赤ちゃんの頭皮に関するよくある質問をまとめました。同じようにお悩みの方は参考にしてみてくださいね。

Q.赤ちゃんの頭はゴシゴシ洗っても大丈夫?

A.赤ちゃんの肌はデリケートで敏感です。そのため刺激に弱く「ゴシゴシ」と洗うのはおすすめできません。頭皮も肌の一部であり、強くこすって洗うことで赤ちゃんの肌にとっては負担になってしまいます。

また、赤ちゃんはうまれてから大体1歳半ごろまでの間は「大泉門」という、頭のてっぺんにやわらかくなっている部分があります。1歳半を過ぎたころから閉じて固くなっていくため、やわらかい時期は強く触らないように注意しましょう。爪は立てずに指の腹でやさしく洗うように意識してくださいね。

▶︎大泉門に関する詳しい解説はこちら

Q.フケが出てきたらすぐに病院に行った方がいい?

A.赤ちゃんの頭皮にフケが見られた場合、すぐに病院へ受診する必要はありません。基本的には、ベビー用のシャンプーで清潔にし、適切なスキンケアで保湿することで、赤ちゃんの頭皮のフケは自然に治っていく場合が多いでしょう。

しかし、症状が長引いて悪化したり、赤ちゃんがひどくかゆがったりするようなら皮膚科で診てもらうのがおすすめです。赤ちゃんの様子を見ながら判断しましょう。

Q.頭にベビーオイルやオリーブオイルを塗っても問題ない?

A.赤ちゃんの頭皮にベビーオイルやオリーブオイルを塗っても問題ありません。たとえばうろこのようなフケが出てきたときには、ベビーオイルなどをなじませ、ふやかしてから入浴するとよいでしょう。

頭を洗うときにふやけて、自然にはがれ落ちてくれますよ。基本的にベビーオイルは無添加なので、うまれてすぐに使い始められます。ベビーオイルはなじませやすく高保湿なため、頭皮だけでなく全身の保湿にもおすすめです。

Q.ヘルメット治療中の頭皮ケアはどうしたらいい?

A.赤ちゃんの頭の形を治療する「ヘルメット」を着用している場合は、長時間の着用により頭が蒸れやすく汗によって「あせも」や「かぶれ」ができることがあります。

症状が出てきた場合にはヘルメット治療を担当している医師に相談しましょう。赤ちゃんの状態を確認してもらい、薬の処方やヘルメット装着に関するアドバイスがもらえます。

また、ヘルメットはなるべく毎日掃除して清潔な状態を保ちましょう。汚れや雑菌が原因となり、肌荒れしてしまうことがあります。ヘルメットによっては「ヘルメットシェル」と「クッション」を取り外して水や洗剤で丸洗いできるものもありますよ。

▶︎ヘルメット治療に関する詳しい解説はこちら

正しいケアで赤ちゃんの頭皮を守ろう

赤ちゃんの肌は、うるおって見えていてもデリケートで皮膚トラブルを起こしやすいのが特徴です。頭皮も肌の一部であり、皮脂腺が多く集まる部分であるためしっかりと洗って清潔に保つことが大切です。

また、月齢によって皮脂の分泌量が変わることで、皮膚トラブルで見られる症状にも違いがあります。症状に合わせて適切なケアをし、赤ちゃんの頭皮を守りましょう。

▶︎赤ちゃんの夜泣きに関する詳しい解説はこちら

▶︎黄昏泣き(コリック)に関する詳しい解説はこちら

頭の形測定アプリ
ベビーバンド ロゴ
販売名 ベビーバンド
一般的名称 頭蓋形状矯正ヘルメット
医療機器承認番号 30400BZX00090000
添付文書
販売名 ベビーバンド2
一般的名称 頭蓋形状矯正ヘルメット
医療機器承認番号 30400BZX00252000
添付文書
販売名 ベビーバンド3
一般的名称 頭蓋形状矯正ヘルメット
医療機器承認番号 30500BZX00071000
添付文書

製造販売業者

株式会社Berry

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