公開日 2024/03/21

【医師解説】生後6ヶ月の赤ちゃんの成長や睡眠、離乳食などのポイントを解説

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清益 功浩 先生

生後6ヶ月を迎えた赤ちゃんは、寝返りができるようになったりおすわりを始めたりします。ほかにも表情が増えたり喃語(なんご)が出てきたりする赤ちゃんも見られ、体と心がますます発達していきますよ。生後半年ということで、ハーフバースデーとしてお祝いをすることもあるでしょう。

本記事では、生後6ヶ月の赤ちゃんができるようになることや、情緒面の発達についても紹介します。生後6ヶ月の赤ちゃんについて知りたい方は、ぜひ読んでみてください。

生後6ヶ月|赤ちゃんの体重や身長

生後6ヶ月の赤ちゃんの体重や身長の目安を、以下の表にまとめました。(※厚生労働省「乳幼児身体発育調査」より)

項目

男の子

女の子

体重

6.10kg~9.20kg

5.74kg~8.67kg

身長

61.9cm~70.4cm

60.1cm~68.7cm

おむつのサイズ

Mサイズ

服のサイズ

70センチ

うまれてから半年が経ち、早い赤ちゃんで体重は10kg近くになり、身長もますます伸びてきました。生後6ヶ月以降、体重の増え方はやや緩やかになっていきます。寝返りやおすわりを始める赤ちゃんも見られ、テープタイプからパンツタイプのおむつに変える子もいるでしょう。

▶︎生後5ヶ月の赤ちゃんに関する詳しい解説はこちら

生後6ヶ月の赤ちゃんは何ができるようになる?

生後6ヶ月 できること

生後6ヶ月ごろの赤ちゃんに見られる様子として、代表的な以下の4つを紹介します。

  • おすわりが始まる
  • 寝返りができる
  • 喃語が出てくる
  • 情緒が発達する

上記のほかにも、聴覚が急速に発達していきます。声がする方に振り向いたり、赤ちゃんが自分から手を伸ばして気になるものをつかもうとしたりする様子も見られます。赤ちゃん自身の意思がどんどん表れるようになり、コミュニケーションを取るのがますます楽しくなってくるでしょう。

おすわりが始まる

早い赤ちゃんでは、生後6ヶ月のころからおすわりをし始める様子が見られます。おすわりが始まると赤ちゃんの視界はまた新たになり、ベビーカーでのお散歩もより楽しくなるでしょう。

おすわりをし始めた赤ちゃんはまだ腰が安定していないので、前や後ろに倒れて怪我をしないように気をつけます。おすわりがぐらぐらするようなら、ママやパパが腰を支えてサポートしてあげるのもいいですよ。

一般的な目安として、赤ちゃんが両手を床につけずに、自分1人でしっかりと腰を座らせるようになるのは生後9ヶ月~10ヶ月ごろとされています。生後6ヶ月の時期におすわりの兆候が見られなくても、決して遅いわけではありません。赤ちゃんのペースを見守ってあげましょう。

寝返りができる

赤ちゃんの寝返りは、生後6ヶ月〜7ヶ月の時期に完了することが多いとされています。寝返りができるようになると、赤ちゃんは自分の意思で動けるため、より活発に動くようになるでしょう。

寝返りがスムーズにできれば、赤ちゃんは腹ばいの姿勢で遊びを楽しむようになります。さらに月齢が進めば「ずりばい」や「ハイハイ」が始まっていきますよ。

寝返りの完了は、赤ちゃんの動ける範囲がぐっと広がることを意味します。寝返りの範囲に赤ちゃんにとって危険なものがないか、周囲の環境を安全に整えてあげましょう。

▶︎赤ちゃんの寝返りに関する詳しい解説はこちら


喃語(なんご)が出てくる

生後6ヶ月ごろになると「喃語」が出てくる赤ちゃんもいます。喃語とは「ばぶばぶ」「あぶー」といった、母音と子音が合わさった発声を指します。生後2〜3ヶ月ごろから始まる「アー」や「ウー」のように母音だけだったクーイングから、より難しい発声方法で同じ音を繰り返す反復喃語ができるようになり、言葉の始まりとも言えるものです。

赤ちゃんが喃語を出すと、誰かと話しているように聞こえることがあります。赤ちゃんがママやパパに、自分の欲求を訴えようとするときにも喃語が出てくるでしょう。

赤ちゃんから喃語が出てきたら、ママやパパはぜひお返事してあげてくださいね。赤ちゃんはママやパパとコミュニケーションが取れたと喜び、より信頼関係を深めていけるようになります。

情緒が発達する

生後6ヶ月ごろの赤ちゃんは、情緒の発達により感情表現が豊かになっていきます。うまれてから生後6ヶ月になるまでの赤ちゃんは「心地よい」「不快」「興奮」のように感情の種類が多くありません。

ママやパパとの関わりの中で、赤ちゃんの情緒はどんどん発達していきます。思い通りにいかなくて怒ったり、怖いという恐怖の感情が出てきたりするのも生後6ヶ月ごろからです。

要求があると声をあげたり、泣き方も単調なものから抑揚のある泣き方へと移行していきます。赤ちゃんの表現が豊かになると、ママやパパにとってもお世話をするのがより楽しく感じられるでしょう。

関連記事:【医師解説】ハンドリガードをする理由や見られる時期、発達との関係について

生後6ヶ月の赤ちゃんの生活リズム

生後6ヶ月 生活リズム

睡眠時間

生後6ヶ月ごろの赤ちゃんが取る睡眠時間は「13時間~14時間」が目安とされています。昼夜の区別がはっきりとして、6時間〜8時間ほどまとめて眠る赤ちゃんもいます。夜にまとまって寝る時間が長くなってくる時期でしょう。

日中は午前と午後に1回ずつ、もしくはどちらか1回のお昼寝回数になっていきます。2時間〜4時間ほどお昼寝をして、起きている時間には活発に動くよう遊びを促してあげましょう。少しずつメリハリのついた生活になっていきますね。

また、夜泣きも生後6ヶ月ごろによく見られます。まとまって眠るようになるとはいえ体内時計が未熟な赤ちゃんは、夜中に泣いてお世話やあやしても泣き止まなかったり、長時間覚醒したりします。

夜泣きはママやパパにとって精神的にもつらいものですが、赤ちゃんにとって発達過程の1つです。「いつかは終わる」と捉えて、できるだけ肩の力を抜いて対応するのがおすすめです。

▶︎赤ちゃんの夜泣きに関する詳しい解説はこちら

▶︎黄昏泣き(コリック)に関する詳しい解説はこちら

授乳回数や量

生後6ヶ月ごろになると、赤ちゃんの授乳回数は5回ほどになります。ミルクなら1回あたりの量が200〜240ml、授乳間隔は3時間〜4時間ほど空けるようになり、夜間はもう少し授乳間隔が空きます。授乳のリズムが整ってきて、毎日同じような時間に母乳やミルクをあげられるようになるでしょう。

授乳が5回あるうちの1回は「離乳食+授乳」にします。2回食に進む場合は、1日の授乳のうち離乳食を2回、午前と午後にそれぞれあげましょう。

生後6ヶ月の時点では、赤ちゃんにとって栄養の中心はまだ母乳やミルクです。赤ちゃんが欲しがれば欲しがるだけあげて問題ありませんよ。

生後6ヶ月の赤ちゃんのお世話のポイント

生後6ヶ月 お世話のポイント

生後6ヶ月の赤ちゃんは、生活リズムが安定してきて、ママやパパにとってもお世話に慣れてくるころでしょう。赤ちゃんの成長に伴って、新たに押さえておきたい赤ちゃんのお世話のポイントを紹介します。

  • 離乳食を進めよう
  • 口腔ケアを始めよう
  • 人見知りが始まる子もいる
  • 6~7ヶ月健診を受ける

離乳食を進めよう

赤ちゃんが離乳食を開始する時期は、生後5ヶ月〜6ヶ月ごろが多いと言われています。約半数の赤ちゃんが生後5ヶ月から、生後6ヶ月になると8割の赤ちゃんが離乳食を始めていきます。生後5ヶ月からスタートさせた場合は、生後6ヶ月の時期で「2回食」に進む子もいるでしょう。

生後6ヶ月までは母乳やミルクからの栄養摂取がメインで、月齢が進むにつれて離乳食からも必要な栄養を摂取するようになります。また、赤ちゃんが「嚙む・飲み込む・消化する」という食事に必要な要素を覚えたり、食べることによって味覚の発達が促されたりします。

栄養摂取だけでなく、離乳食を通して食事の仕方を覚えていく、大切な成長のステップです。アレルギーに気をつけながら、少しずつ離乳食を進めていきましょう。

口腔ケアを始めよう

一般的に歯が生え始める時期は、生後6ヶ月〜8ヶ月の間が多いと言われています。歯の生え始めは個人差が大きく、早ければ生後4ヶ月〜6ヶ月で生えてくる赤ちゃんもいますよ。

乳歯が生えてくるのは、赤ちゃんが少しずつ食べ物を食べる準備をしているとも言えます。食べる準備と同時に、赤ちゃんの歯を守るための口腔ケアもしてあげるのがおすすめです。

歯が生えるまではガーゼなどで口の中を拭き、歯が生えてきたら赤ちゃん用の歯ブラシを使ってやさしく磨いてあげるようにします。これからの長い人生で食事を楽しむために、虫歯にならないように口の中を清潔にしてあげましょう。

人見知りが始まる子もいる

生後6ヶ月ごろになると、赤ちゃんはますます視力がよくなっていきます。視力の向上とともに、人の顔が認識できるようになってくるのも生後6ヶ月の時期です。

人の顔を見分けられるようになることで、人見知りが始まる赤ちゃんもいます。見慣れない人に会ったときに、泣いたり拒否したりすることもあるでしょう。

反対に普段お世話をしてくれている人の顔が認識できるようになり、泣いたときにママやパパがあやすと、泣き止んだり機嫌がよくなったりしますよ。

6~7ヶ月健診を受ける

自治体によっては、6〜7ヶ月健診をおこなっています。3,4ヶ月健診に比べて実施している自治体は少ないものの、赤ちゃんの成長過程を確認できる貴重な機会です。子育てにお悩みのことがあれば相談もできるため、お住まいの地域で健診がおこなわれる場合は受診されるのがおすすめです。

生後6ヶ月ごろはうまれてくるときにもらうママからの抗体が減っていく時期になります。風邪をひいたり病気にかかりやすくなったりするため、自宅から行きやすい小児科を探しておきましょう。

関連記事:【医師解説】6,7ヶ月健診の受診は義務?健診の内容や費用について詳しく聞いてみました。

関連記事:【医師解説】乳児湿疹ができる原因は?アトピー性皮膚炎との違いや対策について医師に聞いてみました。

産後6ヶ月のママの様子

産後6ヶ月

出産から6ヶ月が経ち、赤ちゃんとの生活にも慣れてきたママも多いのではないでしょうか。赤ちゃんの表情も増えて体力もつき、以前より長く外へのお出かけやお散歩を楽しめるようになります。

しかし、毎日のお世話に加えて、離乳食の準備や後片付け、予防接種のスケジュールなど新たにやらなければならないことも増えていきます。考えることが増えて、疲労の蓄積を感じる方もいるでしょう。

生後6ヶ月からは「一時保育の利用」や「保育園への入園」など、申し込みできる施設が増えてくる時期です。国が推進する産後ケア事業は全国各地に拡がっており、妊産婦や赤ちゃんへのサポート体制は今後も充実していくでしょう。ママが疲労を感じてつらくなる前に、近くに頼れる施設があるか確認しておくのがおすすめですよ。

生後6ヶ月の赤ちゃんに関するよくある質問

生後6ヶ月 よくある質問

生後6ヶ月の赤ちゃんに関する、よくある質問を紹介します。同じお悩みをお持ちの方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

Q.生後6ヶ月の赤ちゃんとどんな遊び方をしたらいいですか?

A.生後6ヶ月ごろの赤ちゃんは、少しずつ記憶力がついていきます。同じことを繰り返すと喜ぶため、いないいないばあをしてあげるのもおすすめです。普段お世話をしてくれている人の顔が、見えたり隠れたりするのが楽しいと感じます。

寝返りができるようになる赤ちゃんも多いため、赤ちゃんが寝返りをした先にお気に入りのおもちゃを見つけられるように置くのもおすすめです。手を伸ばすとギリギリ届く場所に置き、赤ちゃんの全身運動を促してあげましょう。

Q.生後6ヶ月ごろの離乳食で気をつけることはありますか?

A.生後6ヶ月ごろの赤ちゃんは、離乳食が始まってから少しずつ食べることへの興味や意欲が高まっていきます。赤ちゃんから離乳食への興味が感じられたら、保護者が先回りしすぎないことも大切です。赤ちゃんが食べ物を指さしたり、スプーンなど持ちたがる様子を見せたら渡してあげるのも1つの手です。ただし、スプーンで怪我をしないように注意しましょう。

離乳食を通して「食べること」を徐々に覚えていきます。赤ちゃんの離乳食への関心を尊重してあげましょう。

Q.生後6ヶ月の赤ちゃんの頭の形が気になります

A.赤ちゃんの頭は、脳の成長に対応できるように頭蓋骨がいくつかのピースに分かれており、変形しやすい状態です。頭の同じ部位が、長時間地面などに触れていると、その部分の成長が阻害されて平らになります。後頭部の片側が平らになると斜頭症、全体が平らになると短頭症と呼ばれます。

向き癖があり頭の形が気になる場合は、改善するために以下の方法が有効とされているので参考にしてください。

・抱っこや授乳、話しかける方向を赤ちゃんの向き癖の反対側にする

・向き癖側の頭から体までをバスタオルやマットを利用して少し持ち上げる

・保護者の管理のもと腹ばいでの運動時間を作るタミータイムで発達を促進する

生後4ヶ月~8ヶ月ごろに重度のゆがみがある場合は、自然な経過の中でのゆがみの改善は難しくなります。

もし、上記の方法を試してみても、頭の形が気になる場合は、専門の医療機関に一度相談することを検討するのもよいでしょう。

関連記事:【医師解説】絶壁頭や斜頭症など、赤ちゃんの頭の形のゆがみは放っておいてもいい?

赤ちゃんの成長を感じながら子育てを楽しもう

赤ちゃんがうまれてから半年が経ち、寝返りの完了やおすわりの始まりなど、身体的な発達の大きな節目を迎えました。離乳食も進み、赤ちゃんの世界はますます多方面に広がっていきます。

生後6ヶ月ごろからは一時保育など預かりができる施設も増えるため、ずっと赤ちゃんにつきっきりでお世話をしていたママやパパもリフレッシュの時間を取りやすくなるでしょう。赤ちゃんの成長を喜びつつ、ママやパパだけの時間も取りながら子育てを楽しめるといいですね。

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製造販売業者

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