公開日 2024/09/13
【医師解説】ベビーマッサージとは?6つの効果とやり方、注意点についても解説
清益 功浩 先生
ベビーマッサージは、スキンシップを通して親子の絆を深め、赤ちゃんの発達を促す行為です。赤ちゃんの免疫力向上や不安感の解消だけでなく、ママやパパのリラックス効果も期待できます。しかし、どのようにマッサージをしたら良いかわからない人もいるでしょう。
赤ちゃんとの触れ合い方に悩んでいる人は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。各自治体でも紹介していますし、ベビーマッサージは多少やり方が異なることがありますので、今回は一例となります。
ベビーマッサージとは
ベビーマッサージは、スキンシップを通して親子の絆を深め、赤ちゃんの発達を促す行為です。赤ちゃんはマッサージを通して、やすらぎを得られるため、心や体の発育に良い影響をもたらします。
主な方法は以下のとおりです。
- 着衣のままマッサージをする
- オイルなどを使って肌を直接撫でる
ベビーマッサージで、赤ちゃんだけでなく、ママやパパにオキシトシンの分泌が促されるので、赤ちゃん、ママ、パパのストレス軽減にも効果的です。また、マッサージを通して赤ちゃんの表情や体を観察することで、体調の変化も把握しやすくなります。
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ベビーマッサージはいつから?始める時期の目安
生まれた直後から可能ですが、生後1ヶ月以降に始めるのがおすすめです。多くの教室などでは生後2〜3ヶ月頃から始めているようです。生後1ヶ月頃までは特にデリケートな時期なので、手を握ったり、優しく足に触ったりする程度にしましょう。
1日1回を目安に、決まった時間はなく、赤ちゃんの機嫌に合わせて、優しく撫でるような力加減で実施します。お風呂上がりや就寝前に行えば、赤ちゃんがリラックスして寝つきも良くなります。
マッサージをする際は、赤ちゃんが舐めても悪影響がない低刺激の100%植物性オイルを使うのがおすすめです。ベビーマッサージは、何歳まで続けても問題ありません。親子の絆を深めるためにも、赤ちゃんの発達段階に合わせたベビーマッサージを続けていきましょう。
ベビーマッサージで得られる6つの効果
ベビーマッサージでは、以下の6つの効果が期待できます。
- 脳の発達を助ける
- お腹の調子を整える
- 寝つきが良くなる
- 赤ちゃんが安心感を得られる
- ママやパパのリラックス効果につながる
- 赤ちゃんの変化を感じ取りやすい
赤ちゃんとの絆を深めるためにも、ベビーマッサージに挑戦してみましょう。
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1.脳の発達を助ける
赤ちゃんの五感にさまざまな刺激を与えるため、脳の発達を手助けします。特に、触覚への刺激は、脳の活性化につながります。話しかけながらベビーマッサージをすることで、赤ちゃんの耳や皮膚を刺激し、触覚や聴覚にも働きかけやすくなります。
そのほかに期待できる効果は以下のとおりです。
- 血行が促進されることで栄養の吸収が良くなる
- 代謝が良くなり免疫力がアップする
ベビーマッサージによって脳が活性化すれば、赤ちゃんの健やかな成長にもつなげられます。
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2.お腹の調子を整える
赤ちゃんの肌へ心地良い刺激となり、胃腸の働きを活性化させます。赤ちゃんの腸管は未熟で、腸内細菌のバランスが安定していないため、便秘や下痢を繰り返しやすい傾向にあります。
しかし、ベビーマッサージによって胃腸が活性化されると、食べ物を消化しやすくなるため、お腹の不調が改善されます。消化機能が高まれば、溜まったガスやお腹の不快感もなくなるので、便秘の軽減にも期待できます。
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3.寝つきが良くなる
ベビーマッサージにはリラックス効果があるため、赤ちゃんの眠りが深くなり、ぐっすり眠れるようになります。
赤ちゃんは眠りが浅いと機嫌が悪くなり、夜泣きが増えてしまうことがあります。マッサージをすることで寝つきが良くなり、ママやパパの心労も軽減されます。
質の良い深い睡眠が取れるようになれば、朝も機嫌良く起きてくれるようになるでしょう。
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4.赤ちゃんが安心感を得られる
ママやパパと触れ合うベビーマッサージは、赤ちゃんのストレス解消に最適です。スキンシップをすることで、毎日新しい刺激に囲まれてストレスを受けている赤ちゃんの情緒を安定させます。マッサージでストレスが解消され、リラックス状態になれば、脳や神経機能の発達にも良い影響をもたらします。
5.ママやパパのリラックス効果につながる
赤ちゃんの柔らかい肌に触れるベビーマッサージは、心地よい刺激となりリラックス効果をもたらします。出産後の女性はホルモンの急激な変化で、気持ちの浮き沈みが激しくなり心身ともに繊細になっています。
しかし、ベビーマッサージをすることで、赤ちゃんの笑顔に触れれば、ママやパパの心も癒されることでしょう。ベビーマッサージには、オキシトシンだけでなく、幸せホルモンであるエンドルフィンの分泌を促す効果もあるので、ママやパパは赤ちゃんへの愛情をより感じやすくなります。
6.赤ちゃんの変化を感じ取りやすい
ベビーマッサージは肌同士の触れ合いによって、赤ちゃんの気持ちや変化に気づきやすくなります。たとえば、赤ちゃんの体の張りや緊張感・汗の状態、体温から体調の変化を感じ取ることが可能です。
直接的な触れ合いは、言葉のないコミュニケーションを深める機会となります。赤ちゃんの変化に気付けるようになれば、ママやパパの心に余裕が生まれ、子育ての自信にもつながります。
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ベビーマッサージのやり方7ステップ
ベビーマッサージは、以下の7ステップに沿って進めていきます。
- 必要なものを準備する
- 室内環境を整える
- 足をマッサージする
- お腹をマッサージする
- 腕をマッサージする
- 背中をマッサージする
- お尻をマッサージする
正しいやり方で赤ちゃんの身体に負担をかけないようにしましょう。今回ご紹介するのは一例になります。
1.必要なものを準備する
ベビーマッサージをする際は、ベビーオイル・バスタオル・お気に入りのおもちゃなどを準備しましょう。ベビーオイルは肌の滑りを良くし、保湿効果を高める役割があります。以下のような100%天然由来の成分で作られたオイルを選ぶのが重要です。
- オリーブオイル
- ホホバオイル
- スイートアーモンドオイル
- カレンデュラオイル
- ココナッツオイル
ベビーマッサージをする前に赤ちゃんの肌に合うか確認するようにしましょう。肌に合うかどうかを確認するには、500円玉大のオイルを赤ちゃんの太ももに塗って肌に変化がないか観察します。滑りが良ければベビークリームでも問題ありません。
また、バスタオルは多めに用意し、防水シートを敷くのもおすすめです。マッサージ後にオイルを拭き取るため、フェイスタオルも数枚用意しておく必要があります。柔らかいクッションを用意しておけば、ママの腰への負担を和らげられるでしょう。
2.室内環境を整える
赤ちゃんは体温調整が苦手なため、室温は適度に保ち、裸で過ごしても問題ないようにしておきましょう。大人がTシャツで過ごしても肌寒くない室温として23~24℃が理想的です。手は清潔にして爪を整えて指輪などは外しましょう。また、赤ちゃんがリラックスするには、静かで落ち着いた空間を作る必要があります。テレビは消し、音楽は小さな音でかけるようにしましょう。
3.足をマッサージする
ベビーオイルを手に取り、片足ずつ伸ばしながら、足の付け根から足首まで両手で握り撫で下ろしていきます。赤ちゃんの脚にはシワが多く、皮膚が重なっている部分に垢がたまりやすいため、伸ばしながら確認していきましょう。
足のマッサージの方法は以下のとおりです。
- 手のひらに赤ちゃんのかかとを乗せ、土踏まずからつま先に向かって親指の腹で優しく撫でる。足裏を親指の腹で押し、親指から順に足の指を軽くポンと引っ張る
- 赤ちゃんの足首を両手で挟み、脚全体が揺れるように上下にさする
- 足首を握り、片足ずつ膝をお腹に近づけるように曲げて戻す動作をする
- 太ももを内側から外側に向けてねじるようにマッサージする
数回繰り返したら、もう片方の脚も同様に繰り返します。
4.お腹をマッサージする
お腹をマッサージする際は、力を入れすぎると赤ちゃんが吐いてしまう可能性があるので、優しく撫でるようにしましょう。
お腹のマッサージの方法は以下のとおりです。
- 手のひらで「の」の字を書くイメージでおへその周りを温めるように撫でる
- 赤ちゃんの胸に両手をあて、外回りでハートの円を描くように大きく撫でる
- 赤ちゃんの足側に親指が来るように手を置き、力を抜いてお腹の真ん中に手を置き、体を左右に優しくゆらす
- 手の重みだけでおへそ周りを時計回りにクルクルとマッサージする
お腹のマッサージは便秘解消だけでなく、胸が開いて呼吸がしやすくなる効果も期待できます。
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5.腕をマッサージする
腕や手のマッサージには、脳に刺激を与え、血行を促進する効果が期待できます。
腕のマッサージの方法は以下のとおりです。
- 赤ちゃんの肩に両手を置いて温める
- 腕の付け根から手首に向かって優しく撫で下ろす
- 親指を使って赤ちゃんの手のひらを軽くもみ、手のひらをマッサージする
- 二の腕も内側から外側に向けて、ねじるように手を滑らせてマッサージする
- 胸から肩、腕に沿ってマッサージしながら、赤ちゃんの両腕を真横に広げ、バンザイさせる
- 両手で肩から足にかけて撫で下ろす
赤ちゃんが手を動かしてマッサージしにくい場合は、無理にマッサージを続ける必要はありません。
手のひらを握るだけでも十分なボディコミュニケーションになります。
6.背中をマッサージする
首がすわっていない赤ちゃんをマッサージする際は、しっかり首を支えながらうつぶせにする必要があります。呼吸がしにくくないか確認しながらマッサージをしましょう。
背中のマッサージ方法は以下のとおりです。
- 赤ちゃんの肩甲骨に両手を置き、背中からおしりに向かってゆっくりと撫で下ろす
- 両手のひらをカップのように少し丸めて首の下に横に置き、背中を軽く叩きながらマッサージする
背中のマッサージをすることで、筋肉が強くなり、ハイハイがしやすくなります。力加減に気をつけながら、赤ちゃんが喜ぶ触り方を見極めていきましょう。
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7.お尻をマッサージする
お尻をマッサージする際は、おむつかぶれや湿疹などの肌トラブルがないかも確認するようにしましょう。
お尻のマッサージ方法は以下のとおりです。
- お尻を、ハートを描くように両手で優しくマッサージする
- 仰向けの状態で、肩から足首までをゆっくりと優しく撫で下ろす
赤ちゃんのお尻を温めるようにマッサージをするのがおすすめです。
ベビーマッサージを始める前に知っておきたい!5つの注意点
ベビーマッサージをする際は、以下の5つの点に注意しましょう。
- マッサージは上から下に進める(例えば、腕から手に、足の付け根から足に)
- 身体を無理矢理動かさない
- 終わったあとは水分補給をする
- 体調が悪い時は避ける
- 長時間マッサージをしない
ベビーマッサージは安全に配慮し、赤ちゃんの負担にならないように実施するのが重要です。
1.マッサージは上から下に進める
赤ちゃんのマッサージは、大人とは逆に、上から下に進めていくのが基本です。
大人のマッサージがリンパを流すために下から上への動きを取るのに対し、赤ちゃんの場合は心臓から末端へ血液を送り届けるイメージで優しく進めていく必要があります。
上から下への動きによって、効果的に刺激を与えられるようになります。
2.身体を無理矢理動かさない
ベビーマッサージをする際は、赤ちゃんの体を無理に動かさないのが重要です。
赤ちゃんはじっとすることができず、手足をばたつかせたり体をよじったりすることがあります。
しかし、無理に赤ちゃんの体を動かすと、かえって不安にさせてしまうのでやめましょう。
また、赤ちゃんの足はM字型に開いているのが自然な状態です。無理に足を伸ばしたり引っ張ったりすると、股関節が外れて脱臼する可能性があります。
赤ちゃんの自然な体の動きに合わせて、優しくマッサージを進めていきましょう。
3.終わったあとは水分補給をする
ベビーマッサージは、大きな筋肉を動かすので代謝が上がります。
赤ちゃんにとっては運動のようなものなので、マッサージが終わった後は、授乳や白湯での水分補給を心がけましょう。
水分補給の量は、赤ちゃんが飲みたい分だけあげるのが適切です。
4.体調が悪い時は避ける
ベビーマッサージをする際は、以下のようなタイミングは避けましょう。
- 予防接種を受けた後48時間以内
- 授乳直後
- 機嫌が悪い時
- 肌トラブルがある時
赤ちゃんの体調が万全でないと、マッサージによってストレスを与えてしまう可能性があります。また、ベビーマッサージ中に赤ちゃんの機嫌が悪くなったり、肌に異常がみられたりした場合は、速やかに中止しましょう。
5.長時間マッサージをしない
ベビーマッサージは、1回につき15〜20分程度が目安です。長時間マッサージを続けると、赤ちゃんが疲れてしまう可能性があります。
赤ちゃんが長く落ち着いていられない場合は、部位ごとに分けてマッサージするのもおすすめです。たとえば、午前中に足と手のマッサージ、午後にお腹と背中のマッサージのように分けて実施するのもひとつの方法です。
ベビーマッサージで親子の絆を深めましょう
ベビーマッサージは、赤ちゃんに安心感を与えるだけでなく、お腹の調子を整えたり寝つきを良くしたりとさまざまな効果が期待できます。ママやパパにとっても、赤ちゃんの変化を感じやすくなるため、コミュニケーションを取りやすくなるでしょう。
赤ちゃんと触れ合いの時間を増やしたい人は、ぜひこの記事を参考にベビーマッサージを始めてみてください。