公開日 2024/03/21

【医師解説】生後5ヶ月の赤ちゃんの発達の特徴や離乳食のポイントを解説

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清益 功浩 先生

生後5ヶ月ごろの赤ちゃんは、体の成長とともに運動機能や感覚機能もますます発達する時期です。首すわりが完了したり、寝返りを始める赤ちゃんも見られるでしょう。おもちゃに興味を持って手を伸ばそうとするなど、だんだんと赤ちゃん自身の意思が感じられる時期でもあります。

本記事では、生後5ヶ月の赤ちゃんについて詳しく解説します。生後5ヶ月の赤ちゃんができるようになることや離乳食、生活の中で気をつけたいポイントについても紹介するので、この時期の赤ちゃんについて知りたい方はぜひ読んでみてください。

生後5ヶ月|赤ちゃんの体重や身長

生後5ヶ月の赤ちゃんの体重や身長の目安を、以下の表にまとめました。(※厚生労働省「乳幼児身体発育調査」より)

項目

男の子

女の子

体重

6.10kg~9.20kg

5.74kg~8.67kg

身長

61.9cm~70.4cm

60.1cm~68.7cm

おむつのサイズ

Mサイズ

服のサイズ

70センチ

生後4ヶ月を過ぎてからは体重の増加ペースは少し緩やかになるものの、6kgを超える赤ちゃんも多く見られる時期です。お腹や太もものギャザー部分が赤くなるようであれば、おむつのサイズアップを検討してもよいでしょう。

▶︎生後4ヶ月の赤ちゃんに関する詳しい解説はこちら

生後5ヶ月の赤ちゃんができるようになること

生後5ヶ月 できること

生後5ヶ月の赤ちゃんは、運動機能の発達により首すわりが完了する子も見られ、首や手足を力強く動かせるようになってくる時期です。首すわりが完了した赤ちゃんは、早ければ次に寝返りを始めようとしていきます。

赤ちゃんが、自分で自分の体を動かしたいという気持ちが出てくるため、おもちゃや気になるものを見つけたら手を伸ばそうとする様子も見られるようになります。だんだんと赤ちゃんの意思を感じられ、育児の新たな楽しみが感じられるでしょう。

寝返りを始める

早い赤ちゃんでは、生後5ヶ月のころから寝返りをしようとする様子が見られ始めます。しかし、最初からくるっとスムーズに寝返りができる赤ちゃんはなかなかいません。赤ちゃん自身で仰向けから向きを変えようと体をひねったり、頭を寝返りしたい方向に向けたりして、少しずつ寝返りを覚えていくのです。

赤ちゃんが寝返りをしようとしてもうまくいかないときには、ママやパパがそっと上半身を押してあげたり、固めのマットを用意してあげたりするのもいいでしょう。

寝返りや首すわりは完了時期に個人差があります。赤ちゃんが自分のペースでやってみようとするので、焦らず見守ってあげましょう。

▶︎赤ちゃんの寝返りに関する詳しい解説はこちら

▶︎赤ちゃんの首座りに関する詳しい解説はこちら

興味を持って手を伸ばそうとする

生後5ヶ月ごろになると、赤ちゃんは自分から興味を持っておもちゃをつかもうとするようになります。見える範囲に気になるものがあれば、手を伸ばしてつかみ、目で見たり口にくわえたりする様子が見られるでしょう。

ハンドリガードの時期を経て自分の手を見つけ、手が自分の体の一部だと認識した赤ちゃんは、手や指をどんどん器用に動かせるようになっていきます。

おもちゃや絵本に限らずなんでもつかんだり握ろうとする時期のため、赤ちゃんにとって危険なものを手の届く場所に置かないよう気をつけましょう。

▶︎ハンドリガードに関する詳しい解説はこちら

五感がどんどん発達する

赤ちゃんは生後5ヶ月ごろになると、五感がますます発達していきます。たとえば聴覚では、ママのお腹にいるころから音が聞こえており、生後5ヶ月ごろになるとママやパパの声をほかの音と聞き分けられるようになります。大きな音がすれば、驚いたり泣いたりすることもあるでしょう。

うまれたばかりのころにほとんど見えていなかった視覚は、月齢が進むとともに視力が良くなり、奥行きがわかるようになります。生後5ヶ月ごろの赤ちゃんは、レーズンのような小さなものを見つけたり、動くものを追いかけて見られたりするようになりますよ。

生後5ヶ月の赤ちゃんのお世話のポイント

生後5ヶ月 お世話のポイント

生後5ヶ月を迎えると同時に、赤ちゃんの離乳食を開始しようと考えているママやパパも多いのではないでしょうか。離乳食の開始時期には個人差がありますが、首や腰がすわり、支えがあればおすわりできる生後5ヶ月~6ヶ月の時期から始めていきます。

▶︎生後6ヶ月の赤ちゃんに関する詳しい解説はこちら

様子を見ながら離乳食をスタートさせる

赤ちゃんの離乳食は、必ず「この時期に始めなければいけない」というものではありません。赤ちゃんの様子を見ながら、少しずつスタートさせていきましょう。

赤ちゃんの離乳食を開始する目安は、以下のポイントを参考にしてみてください。

  • 授乳のリズムができている
  • 首がしっかりとすわっている
  • 大人が食べているものに興味を示す
  • 支えてあげると座れる
  • 手にしたものを口にもっていく

大人が食事をしているときに、ご飯を口に運ぶ様子をじっと見たり、一緒になって口を動かすようなしぐさが見られると、赤ちゃんも食べ物に興味を持ち始めている目安になります。離乳食を与えるときには首がすわっていないと危ないため、首すわりが完了しているかもポイントです。

離乳食初期は10倍がゆをひと口からスタートします。それだけでは授乳1回分の水分、栄養分の代わりにはならないため、離乳食後に授乳をします。このときの授乳は、赤ちゃんが飲みたいだけ飲ませて問題ありません。

生活リズムを安定させる

月齢が進むにつれて昼夜の区別がつくようになり、生後5ヶ月までに少しずつ生活リズムを作ってきたママやパパもいるでしょう。離乳食も毎日同じ時間に食べさせ、お出かけやお昼寝も同じ時間にするなど生活リズムを一定にしておくと、赤ちゃんの体内時計も整ってきます。生活リズムが安定してくると、夜にまとまって寝てくれるようになる赤ちゃんもいますよ。

生後5ヶ月の赤ちゃんの1日の過ごし方

生後5ヶ月 生活リズム

離乳食が始まると、準備や後片付けに時間がかかるため、あっという間に時間が過ぎていくと感じるママやパパもいるでしょう。生後5ヶ月ごろの赤ちゃんはひとり遊びもできるようになってくるため、安全を確保しながら、できるときに離乳食の準備や家事を進めておくとよいでしょう。

睡眠時間

生後5ヶ月ごろの赤ちゃんの睡眠時間は「13時間〜14時間」が目安とされています。昼夜の区別がつき、夜にまとまった時間眠ってくれるようになるでしょう。

日中のお昼寝回数も減り、午前中と午後に1回ずつの「1日2回」になる赤ちゃんも多く見られます。お散歩やおもちゃなどで遊ぶ時間にはたっぷりと遊び体力を使い、お昼寝ではぐっすり寝て回復できるようメリハリをつけるようにしましょう。お昼寝中もカーテンを閉めるなど部屋を暗くするとよいですよ。

▶︎赤ちゃんの夜泣きに関する詳しい解説はこちら

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授乳量や授乳間隔

生後5ヶ月ごろの赤ちゃんの授乳量は、ミルクの場合で「200ml〜220ml」が目安です。授乳回数は「5回」前後になり、授乳の間隔は3時半〜4時間ほど空くようになります。

この時期に離乳食を始める赤ちゃんも多くいますが、離乳食初期は「離乳食+授乳」が基本となります。午前中〜お昼の時間に離乳食をあげましょう。万が一、アレルギーなどの症状が出た際にも、かかりつけ医に相談できる時間にしておくのがおすすめです。

▶︎乳児湿疹やアトピー性皮膚炎に関する詳しい解説はこちら

生後5ヶ月の赤ちゃんとの生活で注意しておきたいこと

生後5ヶ月 注意

生後5ヶ月ごろの赤ちゃんは寝返りを始めるようになり、だんだんと体を動かす範囲が広がっていきます。ママやパパは家事や離乳食の準備をするため、四六時中目を離さないようにするのは難しいこともあるでしょう。

赤ちゃんの成長は予想できないことも多く、昨日までできなかったことが急にできるようになることもあります。予期せぬ動きで赤ちゃんに危険が及ばないように、先を見越した環境づくりが大切です。

転落事故

寝返りの動きを始める時期には、転落事故に気をつけましょう。ベビーベッドに寝かせる際には必ず柵を上げ、ロックがかかっているか確認します。

また、ソファや大人用のベッドなど高さのある場所に寝かせた状態で目を離すことは絶対にやめましょう。気づかないうちに赤ちゃんが寝返りをしようとして、落ちてしまう事故が起きる可能性があります。

誤飲

生後5ヶ月の時期は、なんでも手につかみ口に運ぼうとする赤ちゃんが多く見られます。赤ちゃんが口にくわえたり舐めたりすることは、感覚機能の発達に大切な役割を果たします。

そのため、おもちゃなどを口に運ぶのを無理に止める必要はありません。赤ちゃんが誤飲してしまわないよう、危険なものは決して手に届かないところにしまっておくことが重要です。

とくにボタン電池やタバコ、小さなおもちゃなどを誤って飲み込んでしまう事故が多く報告されているため、注意を怠らないようにしましょう。

SIDS(乳幼児突然死症候群)

SIDS(乳幼児突然死症候群)とは、赤ちゃんが寝ている間に発症するとされている病気のことです。多くは1歳未満の赤ちゃんに見られ、現在でも原因が判明していないものの、窒息などの事故とは異なる病気とされています。

SIDSの発生リスクは1歳ごろまでとありますが、とくに生後6ヶ月までの赤ちゃんに多くみられる症状です。赤ちゃんが寝返りをしてうつ伏せになったとしても、自分で「寝返り返り」をしてまた仰向けに戻ることができるのであれば、SIDSのリスクは低いとされています。

生後5ヶ月で、まだ寝返りや寝返り返りができない赤ちゃんの場合は、うつ伏せ寝の状態は窒息やSIDSの危険性があります。様子を見ながら仰向けの姿勢に戻し、口や鼻がふさがってしまったりしないように気をつけましょう。

▶︎赤ちゃんの横向き寝に関する詳しい解説はこちら

産後5ヶ月のママの様子

産後5ヶ月

産後5ヶ月のママの中には、赤ちゃんとの生活に慣れてきて、少しずつ育児に余裕が出てくる方もいるでしょう。赤ちゃんの生活リズムが安定し、睡眠時間が増えることで、ママの休息時間も以前より増える場合もあります。

ただし、赤ちゃんの体重が増えて抱っこが大変になってきたり、離乳食の開始によって準備や後片付けが必要になってきたりと、これまでと違う負担が増えてくるでしょう。赤ちゃんのお世話をパパと交代したり、ベビーフードを活用したりしながらママの休息も大切にとっていきましょう。

生後5ヶ月の赤ちゃんに関するよくある質問

生後5ヶ月 よくある質問

生後5ヶ月の赤ちゃんに関するよくある質問を紹介します。

Q.生後5ヶ月の赤ちゃんとどんな遊び方をしたらいいですか?

A.生後5ヶ月の赤ちゃんは、ママやパパなどお世話をしてくれる人の顔を少しずつ認識していきます。目と目を合わせてあやされることが嬉しいため「いないいないばあ」で顔が見えたり隠れたりするのが楽しい時期ですよ。

欲しいものに手を伸ばしてつかもうとするため、手の届く範囲にお気に入りのおもちゃを置いておくのもおすすめです。音が鳴るおもちゃや色鮮やかなおもちゃは赤ちゃんの好奇心をくすぐってくれるでしょう。なんでも口に入れる時期のため、おもちゃは安全かつ清潔にして準備しておきましょう。

Q.離乳食を始めるときに必要なものはなんですか?

A.離乳食を始めるときには、調理器具や食器が必要です。以下を参考にしていただきながら準備してみましょう。

  • 食材をすりつぶすためのすり鉢やすりこぎ
  • 赤ちゃんの口に運びやすいスプーン
  • 離乳食を盛りつけるお皿や茶わん
  • 作り置きできる容器

すり鉢やすりこぎは、ブレンダーでも代用可能です。離乳食初期は食材をなめらかにすりつぶす必要があるため、手間と時間が短縮できるブレンダーは便利でしょう。最初のころは、離乳食もスプーンに1さじずつと少量から食べさせるため、作り置きして冷凍保存できる容器もあると便利ですよ。

Q.生後5ヶ月の赤ちゃんの頭の形が気になります

A.赤ちゃんの頭は、脳の成長に対応できるように頭蓋骨がいくつかのピースに分かれており、変形しやすい状態です。頭の同じ部位が、長時間地面などに触れていると、その部分の成長が阻害されて平らになります。後頭部の片側が平らになると斜頭症、全体が平らになると短頭症と呼ばれます。

向き癖があり頭の形が気になる場合は、改善するために以下の方法が有効とされているので参考にしてください。

  • 抱っこや授乳、話しかける方向を赤ちゃんの向き癖の反対側にする
  • 向き癖側の頭から体までをバスタオルやマットを利用して少し持ち上げる
  • 保護者の管理のもと腹ばいでの運動時間を作るタミータイムで発達を促進する

生後4ヶ月〜8ヶ月ごろに重度のゆがみがある場合は、自然な経過の中でのゆがみの改善は難しくなります。

もし、上記の方法を試してみても、頭の形が気になる場合は、専門の医療機関に一度相談することを検討するのもよいでしょう。

関連記事:【医師解説】絶壁頭や斜頭症など、赤ちゃんの頭の形のゆがみは放っておいてもいい?

できるようになったことを喜びながら育児を楽しもう

仰向けの姿勢が長かった赤ちゃんも、首すわりや寝返りを始めるなど、少しずつできることが増えてきました。身体的な成長とともに、あやすと笑ってくれるようになり、赤ちゃんとのコミュニケーションが楽しくなってきたママやパパも多いでしょう。

離乳食をスタートさせるとこれまでと違う忙しさが感じられます。しかし、赤ちゃんが初めて食べ物を口にする瞬間は大切な思い出となります。余裕があればカメラやビデオで撮影して、記録に残しておくのもおすすめですよ。成長の記録を残しながら育児を楽しんでいきましょう。

頭の形測定アプリ
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販売名 ベビーバンド
一般的名称 頭蓋形状矯正ヘルメット
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製造販売業者

株式会社Berry

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