公開日 2024/03/08

【医師解説】ハンドリガードをする理由や見られる時期、発達との関係について

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赤岩 明 先生

ハンドリガード(hand regard 手をじっと見る)は、赤ちゃんが見せるしぐさの1つです。

自分の手を見つめながら動かしたり舐めたりすることで、手の存在を認識するようになります。

赤ちゃんらしい、かわいいしぐさですが、見られる時期が限られており、見るチャンスを逃したり、あまり見せない赤ちゃんもいます。

本記事では、赤ちゃんがハンドリガードをする理由やその時期を解説します。

ハンドリガードとは?

生後2ヶ月〜3ヶ月ごろの赤ちゃんに見られる、次のような動きです。

  • 赤ちゃんが自分の手や指を、興味を持った視線でじっと見つめる
  • 見つめている手を動かしてみる
  • 動かした手を口に持っていき、舐めたりくわえたりする
  • 手につかんだおもちゃなども動かしたり、口に持って行ったりする

赤ちゃんがハンドリガードをする理由とは

ハンドリガードは、赤ちゃんにとって成長のステップです。

生後間もない赤ちゃんの視力は未発達ですが、視力の発達とともに自分の手が見えるようになります。初めは、見ている手がなにかはまだ理解していません。

自分の手や指を見ながら、舐めたりくわえたりしているうちに、視覚や触覚の刺激と、手や指を動かす運動神経の感覚が連携して、赤ちゃんは自分の手であることを意識するようになります。

自分の意志で手を動かしていることを理解し、身体の一部であると認識することは、自分と自分の周囲の世界を分けて考える最初の一歩になります。

いつからいつまで見られるもの?

ハンドリガードが見られる時期は、生後2ヶ月から生後3ヶ月ごろに限られています。やがて自分の手が自由に動かせるようになると、もっと複雑で、高度な動きをするようになるので、いつの間にか気にならなくなります。

▶︎生後2ヶ月の赤ちゃんについての詳しい解説はこちら

▶︎生後3ヶ月の赤ちゃんについての詳しい解説はこちら

ハンドリガードが見られたときに親がするべきことは?

ハンドリガードが見られたときには、様子を見守りましょう。優しい声で「あらぁ、自分の手がわかるのぉ」「見えるようになったわねぇ」などと声かけしても良いです。指や拳を口に入れても、無理に止める必要はありません。

ただし、爪や指は清潔に保ちましょう。爪が伸びていたら切ってあげてください。

またこの時期の赤ちゃんは、手に掴んだものは何でも口に入れようとします。周囲に小さなものを置かないように気をつけてあげてください。小さなおもちゃやボタン電池を誤飲すると大変です。

ハンドリガードのしぐさは可愛らしいので、チャンスがあればぜひ動画に残してあげましょう。

初めての寝返りや、ハイハイ、つかまり立ちと同様、大切な記録になります。

▶︎赤ちゃんの首すわりに関する詳しい解説はこちら

赤ちゃんの視覚機能発達の目安

胎児期・新生児期~生後2ヶ月

赤ちゃんがお母さんのおなかにいるとき、おなかの外から音や振動を与えると、胎動が起こります。

それと同様に、おなかの上から強いフラッシュライトを当てると赤ちゃんはびっくりして反応します。つまり、網膜・視覚神経の発育が始まっているのです。

生まれてまだ産院にいるころに、赤ちゃんはお母さんの顔を認知し始めるとされており、静かで落ち着いた環境であれば、授乳中に母親の顔を見つめることができますよ。

生後4、5日に、赤ちゃんの顔の前20~30cmで赤い毛糸の房を揺らしてみると、赤ちゃんは両眼でじっと見つめるようになり、次に赤い毛糸の房をゆっくり左右に動かすと、両眼で追っていくのがわかります。

赤ちゃんはその動く物が何かわからないのですが、視機能の発育は始まっています。いつも授乳のときに見る母親の顔、おっぱいの匂い、語りかける声が繰り返されると、赤ちゃんは安心した気持ちになるでしょう。

生後1ヶ月を過ぎると物として見えるようになり、見えている対象に微笑むこともあります。

生後2ヶ月には、赤と緑の区別ができるようになる時期です。

生後2〜3ヶ月で、首がすわる前の時期に、仰向けに寝ている赤ちゃんが自分で動かしている手や指を目で追うのがハンドリガードです。

一瞬でハンドリガードの時期は過ぎてしまい、もっと他のことに興味を示すようになる子もいて、この印象的なしぐさを見逃してしまうこともよくあります。

これは、初めての寝返りやつかまり立ちを見逃してしまうのと同様、その時に立ち会えなくても、いつの間にか発育のステップを越えてくれたということです。

生後3ヶ月以降、首がすわるようになると首をうごかすことで、物が見える方向、音が聞こえる方向を高度に認識できるようになり、ハンドリガードが印象的に見える時期は過ぎます。

▶︎赤ちゃんの寄り目や斜視に関する詳しい解説はこちら

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ハンドリガード以外にもよく見られるしぐさ

赤ちゃんによく見られる他のしぐさには、次の3つがあります。

  • 指しゃぶり
  • 拳しゃぶり
  • フットリガード

指しゃぶり

赤ちゃんは指しゃぶりをすることで指を認識し始めます。安心感から1歳以降も続ける子もいますが、指しゃぶりを無理に止めさせる必要はなく、3歳〜4歳ごろまで様子を見てもよいと指導する小児科医もいます。

拳しゃぶり

「拳しゃぶり」は文字通り、拳ごと口にくわえることです。赤ちゃんの拳は小さいため苦しくなることはなく、無理に止めさせる必要はありません。

フットリガード

「フットリガード」は、赤ちゃんが自分の足をじっと見つめるしぐさです。

赤ちゃんが自分の足をじっと見つめ、手で掴んだり、足を口で舐めたりします。

足を口に運ぶためには、お腹や背中の筋肉を使うので、赤ちゃんの身体的な成長を感じられる瞬間でもあります。

ハンドリガードに関するよくある質問

Q.3ヶ月の赤ちゃんですがハンドリガードをしません

A.ハンドリガードが見られる時期やタイミングには赤ちゃんの個人差があります。見るチャンスを逃したとしても、その後の発達に影響はありません。

Q.生後2ヶ月半の子のハンドリガードの左右差が気になります

A.ハンドリガードの左右差が気になる方もおられるでしょう。将来、右利きになる、左利きになる、と関係があるとも言われますが、昔のように無理に右利きに強制する時代ではありませんので、見守ってあげるのが一番良いと思います。

その子なりに両手を使うようになります。片手・片腕を全く動かさないなどの場合には、小児科での相談が必要です。

Q.生後6ヶ月の子がまたハンドリガードをし始めました

A.生後6ヶ月を過ぎてからの手の動きは「普通の手遊び」なので、ハンドリガードよりも高度なしぐさになります。

赤ちゃんの成長の1つとして楽しもう

ハンドリガードは赤ちゃんが見せるしぐさの1つです。生後2ヶ月〜3ヶ月ごろの赤ちゃんが自分の手をじっと見つめている様子はとても印象的で、よい思い出になるでしょう。

生後間もない赤ちゃんは日々変化していきます。毎日の変化を成長として見守りながら、育児を楽しんでいきましょう。

▶︎絶壁や斜頭など赤ちゃんの頭の形に関する詳しい解説はこちら

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