公開日 2026/03/11

【医師解説】ヘルメット治療とは?費用・効果・適応月齢・治療期間について

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この記事の監修者

日本大学医学部小児科 准教授

長野 伸彦 先生

「費用はいくらかかるのか」「本当に必要なのか」「後悔しないか」――ヘルメット治療を検索した保護者の方が抱える疑問は、大きくこの3つに集約されます。

この記事では、新生児用のヘルメット治療のキホンを徹底解説。仕組みや効果の根拠、気になる費用や使える制度のお話し、デメリットや現場のお話しまで紹介します。

「うちの子は対象なのか」「いつ相談すればよいのか」という判断に迷っている方に読んでいただければ幸いです。

知っておきたいヘルメット治療の仕組み

ヘルメット治療とはどんな治療で、なぜ頭の形が変わるのか。治療の基本的な仕組みと、日本で使えるヘルメットの種類を整理します。

頭に強い圧はかけない仕組み

ヘルメット治療について最初に知っておいていただきたいのは、頭に強い圧をかけて無理に形を変える治療ではないということです。

ヘルメット治療は、赤ちゃんの頭の自然な成長力を利用して形を整えていく方法です。

頭の平らになってしまった部分に空間をつくり、赤ちゃん自らの頭の成長を原動力として、平らな部分に成長を促すことで治療効果が得られます。頭の出っ張った部分に圧力をかけて矯正するものではありません。

生後数か月の赤ちゃんの頭蓋骨はまだ柔らかく、成長のスピードも非常に速い時期です。その成長エネルギーを、ヘルメットによって方向付けることが治療の本質です。

日本で使えるヘルメットは8種類ある

現在、日本で医療機器として承認され、医療機関で提供されている頭蓋形状矯正ヘルメットは8種類あります。

ベビーバンド、スターバンド、ミシガン頭蓋形状矯正ヘルメット、リモベビー、アイメット、アイメット・ネオ、クルム、クルムフィットです。

ヘルメットによってデザイン、素材、費用、製造国が異なります。2000年代は海外製品が多く使用されていましたが、近年は国内メーカーが手がける製品も増えてきています。

医療機関によってどのヘルメットを扱っているかは異なるため、希望するヘルメットがある場合は、事前に取り扱い医療機関を確認しておくとよいでしょう。

頭のかたち測定会

ヘルメット治療は本当に効果がある?

「ヘルメット治療は意味がない」「自然に治ると聞いた」という声もよく耳にします。

確かに、軽度のゆがみであれば成長とともに自然に改善するケースもあります。ただ、中等度から重度のゆがみについては、医師による評価と適切な治療が必要になることがあります。

効果と安全性については、国内の複数医療機関による臨床研究で確認されています。

2023年から2024年にかけて行われた国内多施設研究では、中等度から最重度の斜頭症がある正期産児224名を対象に、ヘルメット治療前後の頭の形状を3Dスキャンで計測し、頭蓋非対称性指標(CVAI)をもとに効果を評価しました。

主な結果は以下のとおりです。


  • すべての重症度群でゆがみの改善を確認(最重症で約9%、重症で約7%、中等症で約4%改善)
  • 生後7か月未満で治療を開始したほうが改善が大きいが、7か月以降に開始した場合も約4%の改善が確認された
  • 治療による頭囲(頭の大きさ)の成長抑制は認められなかった
  • 皮膚の赤みが見られたのは2.2%で、いずれも適切な対応で改善した

この研究は国際学術誌「Journal of Clinical Medicine」(2024年10月)に掲載されており、効果の有無だけでなく、頭の成長への影響がないことも確認されています。

「本当に効果があるのか」という疑問に対しては、国内の実臨床データが一つの答えを示しています。ただし、すべての赤ちゃんに効果が出るわけではなく、適応条件や開始時期によって結果は異なります。

調査概要

  • 対象者:中等度~最重度の斜頭症のある正期産児224名
  • 実施期間:2023年7月15日〜2024年5月31日
  • 実施施設:日本大学板橋病院、板橋セントラルクリニック、土屋小児病院、小張総合病院、飯野病院 など複数機関
  • 評価方法:治療前後の頭の形状を3Dスキャンで計測し、頭蓋非対称性指標(CVAI)をもとに効果を判定

主な結果の要点

  • 全ての重症度群で頭の形のゆがみ(CVAI)の改善を確認(最重症で約9%、重症で約7%、中等症で約4%改善)
  • 月齢7か月以降より7か月未満のほうがCVAIの改善が大きいが、7か月以降に治療を開始しても一定の効果が得られた(CVAIで約4%改善)
  • 医療機関や医師による治療効果の差はほとんど見られなかった
  • 治療による頭囲(頭の大きさ)の成長抑制は認められなかった
  • 患者の2.2%に皮膚の赤みが見られたが、いずれも適切な対応で改善した

論文概要

  • 論文タイトル:Therapeutic Effectiveness of a Novel Cranial Remolding Helmet (baby band2) for Positional Plagiocephaly: A Multicenter Clinical Observational Study
  • 掲載誌:Journal of Clinical Medicine(2024年10月7日掲載)
  • DOI:https://doi.org/10.3390/jcm13195952
  • 研究機関:日本大学医学部附属板橋病院、春日部市立医療センター、飯野病院、小張総合病院(現:野田総合病院)、土屋小児病院
  • 研究期間:2023年7月〜2024年5月
  • 対象:CVAIが中等症から最重症の体位性斜頭症を持つ正期産の乳児224名
  • 本研究で使用した医療機器:販売名:ベビーバンド2、医療機器承認番号:30400BZX00252000

我が子もやるべき?ヘルメット治療の必要性

すべての頭のゆがみがヘルメット治療の対象になるわけではありません。適応条件と治療開始の目安となる月齢を確認しておきましょう。

ヘルメット治療が適応になる3つの条件

ヘルメット治療は、すべての頭のゆがみに対して適用されるわけではありません。

赤ちゃんの頭のゆがみには大きく2種類あります。一つは、向き癖や出産時の圧迫などによる外力での変形(位置的頭蓋変形症)、もう一つは頭蓋骨縫合早期癒合症などの骨の病気による変形です。ヘルメット治療の対象となるのは前者、外力による変形です。


ヘルメット治療は、次の3つの条件を満たしている場合に、医師の判断のもとで適用されます。

  • 外力によって生じた変形であること
  • 頭のゆがみが中等度以上であること
  • 頭の成長が活発な時期(おおむね生後3〜6か月頃)であること

自分の子どもが該当するかどうかは、視診・触診・3Dスキャンを組み合わせた医師の評価が必要です。写真を見ただけで判断することは難しく、かかりつけ医や頭の形外来への相談が出発点になります。

ゆがみの種類(斜頭症・短頭症・長頭症)や重症度の確認方法については、関連記事もご参照ください。

治療開始に最適な時期:生後3〜6か月が目安

治療を始めるのに最適な時期は、生後3か月から6か月頃とされています。

この時期は頭の成長スピードが最も速く、ヘルメットの効果も出やすい時期です。生後6か月を過ぎると頭の成長が緩やかになるため、改善のペースも緩やかになる傾向があります。

月齢別の対応方針は以下のとおりです。

月齢

主な対応方法

ポイント

生後1〜2か月

体位変換・タミータイム指導

形の変化が始まりやすい時期。ヘルメット治療は通常この時期には行わない

生後3〜4か月

診察・評価、必要に応じて治療開始

ゆがみの差が最も出やすく、治療効果も期待しやすい時期

生後10〜11か月

診察・説明・経過観察

頭の成長が緩やかになってくる時期


前述の国内多施設研究では、生後7か月以降に治療を開始した場合でも一定の改善が確認されています。「もう遅いかもしれない」と思って受診を諦める必要はありませんが、早い段階で相談するほど選択肢が広がるのは事実です。


生後3か月未満で変形が軽度の場合は、積極的な体位変換やタミータイムの指導で経過を見ます。

赤ちゃんの頭の形相談

初診から治療終了まで6つのステップ

ヘルメット治療は、おおむね以下の流れで進みます。

ステップ1:ヘルメット治療を行っている医療機関を受診

ヘルメット治療はどこの医療機関でも実施しているわけではありません。まずはヘルメット治療に対応した医療機関を探します。メーカーのサイトに提携医療機関の一覧が掲載されているので、お近くの機関を探すのが近道です。

ステップ2:ゆがみの原因や重症度を診断

ゆがみの原因が病的か外力かを診断します。病的な疑いがある場合は、専門病院で精密検査を行う必要があります。

外力が原因の場合は、視診・触診・問診・各種計測などで頭のゆがみの度合いを確認し、ヘルメット治療の適応かどうかを判断します。多くの医療機関では3D撮影を用いて客観的な数値化を行います。

ステップ3:治療の実施を決定

ヘルメット治療の適応となる場合は、治療の詳しい説明が行われます。

ゆがみがあるからといって、ヘルメット治療を必ず受けなければならないわけではありません。治療するかどうかは、保護者の自由意志によって決定します。

ステップ4:3D撮影とヘルメットの作成

ヘルメットを作成するために、頭部形状を測定する3D撮影を行います。ベビーバンドの場合は約1〜1.5週間後から着用を開始できます。

ステップ5:ヘルメットの装着(治療開始)

医療機関にてヘルメットを装着し、使用方法や注意点の説明を受けます。ヘルメットは、入浴や休憩時間以外の1日23時間程度を目標に装着します。

治療開始の月齢や重症度、治療の進み具合によって異なりますが、2〜6か月間装着します。

ステップ6:経過観察と卒業

治療開始後は約1か月ごとに医療機関へ通院し、治療効果や肌トラブルの有無を医師が確認します。ベビーバンドでは平均して3〜4か月程度で治療終了となります。

ヘルメット治療にかかる費用と医療費控除の活用

ヘルメット治療は自費診療のため、費用はすべて自己負担になります。内訳と相場、医療費控除を活用した費用軽減の方法を解説します。

費用の内訳と相場

ヘルメット治療は現在、保険適用外(自費診療)です。治療にかかる費用は医療機関や使用するヘルメットによって異なりますが、治療総額(診察費・ヘルメット費用等の合計)でおおむね30〜60万円の幅があります。

費用の主な内訳は以下のとおりです。


費用項目

内容

初診・診察費

頭のゆがみの評価、3Dスキャン解析など

ヘルメット本体代

ヘルメットの製作・フィッティング費用

通院・管理費

月1回程度の経過観察・調整費用

ベビーバンドを取り扱っている医療機関では、30万円台で提供されているケースが多くなっています。

一方、病院や使用するヘルメットの種類によっては60万円前後になることもあります。費用の詳細は、希望する医療機関に直接確認することをお勧めします。

保険適用の現状と医療費控除の申請方法

ヘルメット治療は2026年2月時点では健康保険の適用外(自費診療)です。一部の医療保険(民間の生命保険・医療保険)では給付対象となる場合がありますが、保険会社・プランによって異なるため、加入中の保険会社に直接確認してください。

医師が診断し、治療のために直接必要であると認められた場合、ヘルメットの購入費用は医療費控除の対象となります。ただし、最終的に申請内容が認められるかどうかは各税務署の判断となります。

医療費控除を申請する際の基本的な流れは以下のとおりです。


  1. 医療機関から領収書を受け取る(治療費の支払いごとに保管)
  2. 確定申告の時期(翌年2月〜3月)に税務署またはe-Taxで申告
  3. その年に支払った医療費の合計から、保険金などで補填される金額と、10万円(所得が200万円未満の場合は所得の5%)を差し引いた額が控除の対象
  4. 控除額に所得税率を掛けた金額が還付または納税額から差し引かれる


たとえば治療費が40万円、そのほかの医療費が0円の場合、40万円から10万円を引いた30万円が控除対象です。課税所得が500万円程度であれば所得税率は20%前後になるため、還付額は概算で数万円程度になることがあります(所得や家族構成によって異なります)。

申告に必要な書類(医療費の明細書、領収書)は治療期間中から整理して保管しておくことをお勧めします。不明な点は税務署または税理士に確認してください。

赤ちゃんの頭の形相談

ヘルメット治療のデメリット・危険性

メリットだけではなく、装着中に生じやすい問題や、長期的な影響について、あらかじめ把握しておくことも大切です。

装着中に起こりうること

医師の指示のもと適切に治療していれば、大きな危険性はありません。強い締め付けを行う治療ではないため、頭の成長が阻害されることや脳への圧迫の影響はありません。

ただし、装着を続ける中で以下のような問題が起こることがあります。

肌荒れ・汗疹

ヘルメットを長時間装着していると、肌への刺激や汗による肌荒れ・汗疹が生じることがあります。適度にヘルメットを外して肌の状態を確認し、赤みが出た際には医師の指示のもと対応することで、特に大きな問題にはなりません。

ヘルメットのずれ

頭の形状によっては、ヘルメットがずれやすいケースがあります。フィット感を調整するために補助パッドを使用して微調整を行うことで対応します。

成長とともにフィットしやすくなることが多いため、最初のうちは多少のズレが生じてもあわてず医療機関に相談してください。

1日23時間装着の負担

ヘルメットは入浴と休憩を除き1日23時間を目標に装着します。装着時間が治療効果に直結するため、継続することが大切です。多くの保護者から「慣れれば問題なかった」「子どもが嫌がるかと思ったが思ったより平気だった」という声が聞かれます。

「外来で治療を受けている方々を見ても、暗い表情の方はほとんどいません。むしろ、楽しんで治療を進めている方が多い印象です。初診の時にヘルメットのサンプルをお見せすると、『かわいいですね』というようなポジティブな反応を頂きます」

後遺症・長期影響はあるのか

「ヘルメット治療に後遺症はないか」という疑問を持つ保護者の方は少なくありません。

前述の国内多施設研究(224名対象)では、以下が確認されています。


  • 治療による頭囲(頭の大きさ)の成長抑制は認められなかった
  • 脳への圧迫や発達への悪影響は報告されていない
  • 皮膚の赤みが見られたのは全体の2.2%で、いずれも適切な対応で改善した

また、日本でも2018年に厚生労働省の医療機器承認を取得しており、有効性と安全性が審査されています。

2026年2月時点で報告されているリスクの多くは皮膚トラブルに限られており、適切なフォローのもとで治療を続けた場合、長期的な後遺症が残るという報告は確認されていません。ただし、個々の状況によって異なるため、懸念がある場合は担当医に直接確認してください。

頭のかたち測定会

医師に聞く、実際の診療現場で起きていること

実際にヘルメット治療を行うクリニックの医師たちに、診療で見えてくることを聞きました。

来院されるママパパの傾向

複数のクリニックで共通して見られるのは、「気になってはいたが、悩んでいるうちに受診が遅れた」という来院パターンです。

「自然に治るかもしれない」「治療が本当に必要かどうかわからない」という迷いから、なかなか相談に踏み出せずにいる保護者の方が多い傾向があります。


「治療があることは知っていたけれど、どうしようかと考えているうちに治療可能な月齢が過ぎてしまうことがあります。(中略)自然に治るかもしれないという考えに引っ張られてしまうことが多いようです」


「想像以上に需要があったことが一番の驚きでした。(中略)『治療をしたほうがよいか?』という質問をされる親御さんが非常に多いことも印象的でした」


「頭のかたちを気にされて来院される方は本当に多く、中には深刻に心配されている方も少なくありません。(中略)これは、ヘルメット治療を選択されるかどうかに関わらずですね」


「かわいそうかどうか」「本当に必要か」という迷いを抱えたまま受診が遅れるよりも、まず一度評価を受けることで選択肢が広がります。

医師から伝えていること

医師が診療でよく伝えているのは「治療するかどうかはあくまで保護者が決めること」「まずは評価を受けることで、治療の要否がはっきりする」という2点です。どのクリニックでも、保護者の意思を尊重しながら、情報提供と相談のサポートを丁寧に行っています。

「数値はあくまで目安であり、ご自身がどのように感じるかのほうが大切です」


「ヘルメット治療を前提とする必要は全くありませんし、どんな些細なことでも構いません。『こんなことを聞いても大丈夫かな』と躊躇される必要はありません」


「少しでも気になるようであれば、3か月健診と同時くらいに、頭の形を評価するために来ていただければと思います」


「できるだけ早めにご相談いただくことをおすすめします。生後2〜3か月頃が理想的です。(中略)少しでも気になることがあれば、遠慮なくクリニックに相談してください」


ヘルメット治療は義務ではなく、選択肢の一つです。気になる段階で相談することで、「治療不要」という安心が得られることも少なくありません。


まとめ

ヘルメット治療を検討するうえで、押さえておきたいポイントは以下の5点です。


  • 仕組みは「頭の成長を方向付ける」ものであり、強い圧をかける治療ではない
  • 国内多施設研究(224名)で全重症度での効果と安全性が確認されている
  • 対象は外力による変形で中等度以上のゆがみ。開始は生後3〜6か月頃が効果的
  • 費用は30〜60万円。医師が常に介在する治療システムであれば医療費控除の対象になりうる
  • デメリットは主に皮膚トラブルで、長期的な後遺症は2026年2月時点で報告されていない

「もっと早く相談しておけばよかった」という声が診療現場では少なくありません。

治療するかどうかは保護者の自由意志によるものです。ただ、判断するためには正確な情報が必要です。気になる段階で一度、医療機関で客観的な評価を受けることが、後悔しない選択への第一歩になると考えます。

頭のかたちの相談に対応している医療機関は、こちらからお探しください。

よくあるご質問

ヘルメット治療についてよく寄せられる質問をまとめました。

Q. 赤ちゃんの頭がゆがむ原因は何ですか?

主に2つの原因があります。一つは向き癖などによる外力での変形(位置的頭蓋変形症)、もう一つは頭蓋骨縫合早期癒合症という骨の病気による変形です。ヘルメット治療の対象となるのは前者です。

Q. 治療開始に最適な時期はいつですか?

生後3か月から6か月頃が最適とされています。生後6か月以降は頭の成長が緩やかになる時期のため、改善のペースも緩やかになります。

ただし、国内多施設研究では生後7か月以降でも一定の効果(CVAI約4%改善)が確認されています。

Q. 治療期間はどのくらいですか?

ベビーバンドの場合、平均して3〜4か月程度で治療終了となります。治療開始の月齢や重症度によって2〜6か月間の装着が必要になることがあります。

Q. ヘルメットにはどんな種類がありますか?

日本で医療機器として承認されている頭蓋形状矯正ヘルメットは8種類あります。ベビーバンド、スターバンド、ミシガン頭蓋形状矯正ヘルメット、リモベビー、アイメット、アイメット・ネオ、クルム、クルムフィットです。医療機関によって取り扱いが異なります。

Q. ヘルメット治療は本当に安全なのでしょうか?

日本でも2018年に厚生労働省の医療機器承認を取得しており、有効性と安全性が審査されています。

国内多施設研究でも、頭囲の成長抑制や脳への悪影響は認められていません。副作用として皮膚の赤みが全体の2.2%に見られましたが、いずれも適切な対応で改善しています。

Q. ヘルメット治療以外に他の治療法はありますか?

あります。特に生後3か月未満の赤ちゃんには、体位変換やタミータイムといったケアが有効です。寝る姿勢や抱っこ・授乳の向きに注意し、頭にかかる圧を分散することで、自然な形状の回復を促します。

Q. 費用はどれくらいかかりますか?

医療機関やヘルメットの種類によって異なりますが、診察料・検査費用・ヘルメット本体・通院費を含めて約30〜60万円が目安です。詳細は希望する医療機関に直接ご確認ください。

Q. ヘルメット治療は必ず受ける必要がありますか?

いいえ。治療するかどうかはご家族の自由意志によるものです。軽度のゆがみや生後3か月未満であれば、体位変換やタミータイムで改善が見込めるケースもあります。

まず医療機関で評価を受け、その上でご家族が納得して判断することが大切です。

Q. ヘルメット治療に後遺症はありますか?

現時点では、適切な治療管理のもとで生じる長期的な後遺症は報告されていません。国内多施設研究でも頭囲成長抑制や脳への影響は認められていません。

治療中に生じうる問題の大部分は皮膚トラブルで、適切な対応によって改善します。懸念がある場合は担当医に直接相談することをお勧めします。

Q. ヘルメット治療で後悔した人はいますか?

「治療して後悔した」という声よりも、「もっと早く相談しておけばよかった」「受診を先延ばしにしてしまった」という声のほうが診療現場では多く聞かれます。治療自体への後悔よりも、判断を先送りにしたことへの後悔が多い傾向があります。

Q. ヘルメット治療をすればよかったと後悔することはありますか?

ヘルメット治療を受けなかった場合に後から後悔するケースとして、「重症度が高かったにもかかわらず様子を見続けてしまった」「治療開始に最適な時期を過ぎてしまった」という状況が挙げられます。

気になる時期に一度評価を受けることで、必要かどうかの判断ができ、こうした後悔を防ぎやすくなります。

Q. 医療費控除はどうやって申請しますか?

確定申告の時期(翌年2〜3月)に、税務署またはe-Taxで申告します。治療期間中に受け取った領収書を保管しておき、「医療費控除の明細書」に記入して申告書と一緒に提出します。

医師が常に介在する治療システムの場合にヘルメット治療費が対象となりますが、最終的な判断は各税務署に委ねられます。不明な点は税務署または税理士に確認してください。


参考文献:

Therapeutic Effectiveness of a Novel Cranial Remolding Helmet (baby band2) for Positional Plagiocephaly: A Multicenter Clinical Observational Study. Journal of Clinical Medicine(2024年10月7日掲載). https://doi.org/10.3390/jcm13195952

Martiniuk, Alexandra LC, et al. "Plagiocephaly and developmental delay: a systematic review." Journal of Developmental & Behavioral Pediatrics 38.1 (2017): 67-78.

Laughlin, James, et al. "Prevention and management of positional skull deformities in infants." Pediatrics 128.6 (2011): 1236-1241.

Wen, Juan, et al. "Effect of helmet therapy in the treatment of positional head deformity." Journal of Paediatrics and Child Health 56.5 (2020): 735-741.