公開日 2026/06/12
【医師解説】ヘルメット治療の費用はいくら?金額相場と内訳をやさしく解説

この記事の監修者

日本大学医学部小児科 准教授
長野 伸彦 先生
日本大学医学部小児科学系小児科学分野入局。日本大学医学部附属板橋病院、駿河台日本大学病院にて後期臨床研修、都立墨東病院、国立甲府病院、埼玉医科大学総合医療センターなどを経て、現在、日本大学医学部附属板橋病院にて勤務。
<資格>
医学博士。日本小児科学会専門医、指導医。日本周産期・新生児医学会周産期(新生児)専門医、指導医。臨床研修指導医。
日本大学医学部医学科卒。
日本大学医学部附属板橋病院にて初期臨床研修。
ヘルメット治療の費用が気になり始めたとき、「結局いくらかかるんだろう?」「保険は使えるの?」「ヘルメット代以外にも追加でお金がかかるのかな?」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
ベビーバンド編集部では、ヘルメット治療の費用相場や内訳、費用以外にかかるコスト、自己負担を軽くする方法まで、監修医師にまとめて聞いてみました。
ヘルメット治療の費用
Q. まず聞かせてください。ヘルメット治療にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか?
A. ヘルメット治療の費用は、診察費やヘルメット費用などを合計した治療総額で、おおむね30〜60万円が目安とされています。
ヘルメット治療は2026年2月時点では健康保険の適用外(自費診療)で、費用はすべて自己負担となります。
Q. 30〜60万円の中には、どんな項目が含まれているのでしょうか?
A. ヘルメット治療の費用には、診察費・ヘルメット製造費・経過観察の通院費が含まれるのが一般的です。
赤ちゃんの頭の形に合わせて一つずつ製造するオーダーメイドの製品のため、お申し込み後のキャンセルはできない点にもあらかじめご注意ください。
なぜ費用に差があるのか
Q. 30〜60万円とは、幅がありますね。なぜここまで差が出るのでしょうか?
A. 「使用するヘルメットの種類」と「治療を受ける医療機関」という2つの要因があります。
同じ「ヘルメット治療」という言葉でくくられていても、製品ごとに素材・製造方法・付帯サービスが異なり、医療機関ごとに診察や経過観察の進め方にも違いがあります。結果として、総額にも差が出てきます。
製品や医療機関を一律に比較することは難しく、ご自身の赤ちゃんのケースについては、病院で相談したうえで提示される見積もりで確認いただくのが確実です。
Q. ベビーバンドの場合、金額はいくらですか?
A. ベビーバンドを取り扱う医療機関の場合、治療費の目安は約30〜40万円です。
ベビーバンドは赤ちゃん一人ひとりの頭の形に合わせて3Dスキャンと3Dプリンタを用いて完全オーダーメイドで設計・製造されます。
具体的な金額や支払い方法は医療機関ごとに案内が異なるため、受診時に提示される費用説明にしたがってご確認ください。

もしもの時の追加費用
Q. もしヘルメットを破損したり、なくしてしまった場合はどうなりますか?
A. 通常の経過観察の範囲では追加費用は発生しませんが、ヘルメットの破損や紛失などで再製造が必要になった場合は、別途費用が発生する可能性があります。
万一のときの取り扱いは医療機関によって対応が異なるため、契約前や受診時に「再製造になったらどうなるか」を確認しておくとより安心です。
費用負担を軽くする方法
Q. ここまで聞くと、やはりまとまった金額になりますね。自己負担を軽くする方法はあるのでしょうか?
A. 自己負担を軽減できる選択肢として、おもに次の4つを順番に確認していくのが基本です。
民間の医療保険:一部のプランで給付対象になる場合があるため、加入中の保険会社に「乳児頭蓋形状矯正用ヘルメット」が対象になるかを確認します。
医療費控除:医師が常に介在する治療システムにあたるため対象となりますが、最終的な承認は各税務署の判断によります[*1]。
自治体・勤務先の助成:一部の自治体や健康保険組合・共済組合で独自の補助・付加給付を設けている場合があります。
分割払い・医療ローン:取り扱いの有無は医療機関ごとに異なるため、受診時の窓口で対応可否を確認します。
まずは最寄りの医療機関で相談・診断を
ヘルメット治療の費用は、おおむね30〜60万円の幅があり、ベビーバンドの場合は約30〜40万円が目安です。費用には診察費・ヘルメット製造費・経過観察の通院費が含まれ、ベビーバンドの場合は治療中の調整費も含まれた扱いとなります。
金額に幅が生まれるのはヘルメットの種類と医療機関による違いがあるためで、最終的な金額はご自身の赤ちゃんのケースを医療機関で見ていただいたうえで確認するのが確実です。

よくある質問(Q&A)
Q. 第二子や兄弟に同じヘルメットを使い回すことはできますか?
ベビーバンドは赤ちゃん一人ひとりの頭の形に合わせて作るオーダーメイドの製品のため、第二子や兄弟への使い回しはできません。お子さま一人ずつ、その時点の頭の形に合わせた新しいヘルメットを作る流れになります。
Q. 30万円台と60万円近いものとで、効果や安全性に差はあるのでしょうか?
製品ごとに素材・製造方法・付帯サービスが異なるため、金額の差はそのまま効果や安全性の差を示すものではありません。日本で承認されているヘルメットはいずれも医療機器として認可を受けたうえで提供されています[*2]。どの製品が合うかは、価格だけで判断するのではなく、受診した医療機関の先生と相談しながら決めるのがおすすめです。
Q. 通院時の交通費や付き添いコストはどのくらい見ておけばよいですか?
通院は約1か月ごとの経過観察が基本のため、診察費は治療費に含まれていても、通院ごとの交通費はご家庭で見込んでおく必要があります。金額はお住まいから医療機関までの距離によって変わりますが、通院交通費は医療費控除の対象になる場合があります[*1](詳細は所轄の税務署にご確認ください)。
参考文献
[*1]: 国税庁 タックスアンサー No.1122『医療費控除の対象となる医療費』「医師または歯科医師による診療または治療の対価」「コルセットなどの医療用器具等の購入代やその賃借料で通常必要なもの」「通院費」が対象として明記されている。最終判断は所轄税務署。国税庁公式ページ
[*2]: 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)医療機器情報。2018年に厚生労働省が日本で初めて「頭蓋形状矯正ヘルメット」を医療機器として承認、以降複数製品が承認を受けて医療機関で提供されている。PMDA 医療機器情報検索





