公開日 2026/05/23
【医師解説】赤ちゃんの頭のゆがみは3種類|斜頭症・短頭症・長頭症の特徴と見分け方

目次
この記事の監修者

日本大学医学部小児科 准教授
長野 伸彦 先生
日本大学医学部小児科学系小児科学分野入局。日本大学医学部附属板橋病院、駿河台日本大学病院にて後期臨床研修、都立墨東病院、国立甲府病院、埼玉医科大学総合医療センターなどを経て、現在、日本大学医学部附属板橋病院にて勤務。
<資格>
医学博士。日本小児科学会専門医、指導医。日本周産期・新生児医学会周産期(新生児)専門医、指導医。臨床研修指導医。
日本大学医学部医学科卒。
日本大学医学部附属板橋病院にて初期臨床研修。
斜頭症・短頭症・長頭症は、原因が異なる
赤ちゃんの頭のゆがみには様々な種類がありますが、ゆがみの形に応じて大きく3つに分けられます。「斜頭症」「短頭症(絶壁)」「長頭症」です。
原因によって治療方針が大きく異なることから、どのタイプか・何が原因かを早めに医療機関で確認することが重要とされています。
それぞれ次のような特徴があります。
斜頭症
後頭部の片側の成長が抑えられることで、後頭部の頭の形が左右非対称になる状態をいいます。

短頭症(絶壁頭)
後頭部の成長が抑えられることで、頭の形が左右方向に広がった状態をいいます。

長頭症
頭の左右方向への成長が抑えられることで、頭の形が前後方向に伸びた状態をいいます。

これらのゆがみは、生後3か月未満までに発生するケースが多いです。
ゆがみが軽度のものであれば、成長とともに自然と改善されることもありますが、ゆがみが重度の場合は、自然に改善しづらいといわれています。
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参考:
斜頭症の特徴や主な原因
まだ自分で動くことができない生後3ヶ月未満の時期に、同じ方向を向いて寝ることで、後頭部の片側に圧力がかかってしまうことが、主な原因になります。
その他、過去に関連が指摘されている原因の一部をご紹介します。
- 胎内での向き癖:多胎妊娠など子宮内のスペースが限られている場合に、妊娠中の赤ちゃんの向き が頭の形に影響を与えることがあります。
- 斜頚:首の筋肉の緊張が原因で、赤ちゃんが右か左ばかり向くようになることがあります。ごく稀に、骨の病気である頭蓋骨縫合早期癒合症が原因といった場合もあります。
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また、斜頭は以下に分類することができます。
タイプ1:片側の後頭部が平らになる
タイプ2:平らになった側の耳の位置が前方にずれる
タイプ3:平らになった側の前頭部が前方に突出し、前頭部が左右非対称になる
タイプ4:平らになった側の顔の頬骨が前方に突出する
タイプ5:後頭部が垂直になり、左右方向に頭が拡大


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参考:
短頭症(絶壁)の特徴や主な原因
まだ自分で動くことができない生後3か月未満の時期に、仰向け寝の時間が長い赤ちゃんによく見られます。
長時間ベビーシートやベビーカーで座らせたままにしていると、後頭部に圧力がかかって短頭症になる可能性があります。「絶壁」やいわゆる「ハチ張り」といわれる頭も短頭症の場合があります。
斜頭症と同様に、ごく稀に、骨の病気である頭蓋骨縫合早期癒合症が原因といった場合もあります。
また、短頭は以下に分類することができます。
タイプ1:後頭部中心部が平らになる
タイプ2:後頭部の平らな部分が左右に拡大
タイプ3:後頭部の平らな部分が頭頂方向に拡大、左右方向にもさらに拡大


絶壁頭とは?赤ちゃんの後頭部が平らになる原因・チェック・自宅ケアまで
参考:

長頭症の特徴や主な原因
まだ自分で動くことができない生後3ヶ月未満の時期に、真横に寝ることが多い方は長頭傾向になります。
長頭症の場合、頭蓋骨縫合早期癒合症の一種である、矢状縫合早期癒合症に現れる頭のかたちに似ているため注意が必要です。
また、早産児(在胎37週未満)は正期産児と比較して、時間経過と共に改善していきますが、長頭傾向であることが知られています。
参考:
頭のゆがみが気になる場合の対処法
生後3か月くらいまでであれば、タミータイムや体位変換を積極的に行っていくことでゆがみが改善することがあります。しかし、生後3か月以降も重度のゆがみがある場合は、ヘルメット治療も選択肢の一つとして、考えていく必要があります。
頭のゆがみが気になる場合は、頭のかたち外来を設置している医療機関に相談することをおすすめします。頭のかたち外来では、頭のゆがみの原因を特定します。必要に応じて、レントゲンやCT検査、エコー検査を実施することもあります。
その後、赤ちゃんの月齢や症状に合わせて、理学療法やヘルメット療法などの治療法が提案されます。治療の期間は、症状の程度によって異なりますが、早期に治療を開始した方が効果的とされています。

頭の形が気になったら、医療機関でご相談を。測定だけでも可能です
赤ちゃんの頭のゆがみには斜頭症・短頭症・長頭症の3タイプがあり、それぞれ変形の方向や原因が異なります。また、多くは向き癖や体位による外力が原因で、タイプによって対処法が大きく変わります。
まれに頭蓋骨縫合早期癒合症が背景にあるケースもあるため、医療機関でどのタイプかを確認することが、適切な対処につながります。
頭の形のゆがみは、成長とともに自然に改善するケースもありますが、すべてがそうとは限らないため、気になった時点で相談することが大切です。「少し様子を見よう」と思いながら月齢が進んでしまうことも多いため、まずは測定だけでもお気軽にご相談ください。

赤ちゃんの頭のゆがみに関するよくあるご質問(Q&A)
Q. 頭のゆがみは自然に治りますか?
A. 軽度のゆがみは、体位変換などのケアと成長に伴い改善が見込まれる場合があります。ただし、生後4〜8ヶ月頃に重度のゆがみがある場合、約3ヶ月後も約7割が重度のまま残るという研究データがあります。「自然に治る」と一概には言えないため、重症度を早めに確認することが推奨されています。
Q. 日常のケアとして何かできることはありますか?
A. タミータイム(うつぶせ遊び)が後頭部への圧力軽減と首の筋力発達に効果があるとされており、生後すぐから始められます。体位変換(授乳のたびに左右の向きを交互に変えるなど)も有効です。ケアは続けながら、改善が見られない場合は医療機関への相談が推奨されています。
Q. 健診で頭の形を確認してもらえますか?
A. 気になる症状があれば健診時に相談することができます。健診は特定の月齢に実施されるため、気になる場合は、かかりつけ医に相談したうえで、必要に応じて専門外来を受診することも選択肢です。




