公開日 2025/05/30

【医師解説】胎動はいつから感じる?赤ちゃんの動きはどんな感じ??

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久保田産婦人科病院

西野 枝里菜 先生

妊娠中に感じる小さな"ポコポコ"とした動き。これが赤ちゃんからの初めてのメッセージである胎動です。妊婦さんにとって胎動を初めて感じる瞬間は、お腹の中の赤ちゃんの存在を実感する感動的な体験となります。「いつから胎動を感じるの?」「どんな感覚なの?」「胎動が少ないけど大丈夫?」など、初めての妊娠では特に不安や疑問が尽きないものです。

この記事では、胎動がいつから始まるのか、どのように変化していくのか、そして気をつけるべきポイントまで、妊婦さんの疑問にお答えします。


胎動っていつから感じるの?初産婦さんは20週、経産婦さんは18週が目安

胎動とは、お腹の中の赤ちゃんが動く感覚のことです。赤ちゃんは実際には妊娠8週頃から体を動かし始めていますが、その動きを妊婦さんが感じられるようになるのはもう少し先になります。胎動は医学的には「quickening(クイックニング)」とも呼ばれ、赤ちゃんの健康状態を知る重要なサインの一つとなっています。

妊婦さんが胎動を初めて感じるのは、一般的に妊娠16〜20週(5ヶ月)頃からと言われています。初産婦さんの場合は20週前後、経産婦さんの場合は18週頃と、経験によって少し違いがあります。経産婦さんのほうが早く感じるのは、以前の妊娠で胎動の感覚を経験しているため、その感覚に気づきやすいと考えられています。

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初めての胎動はどんな感じ?

初めての胎動の感覚は人それぞれですが、よく例えられるのは「お腹の中で蝶々が羽ばたいているような」「小魚が泳いでいるような」「泡がポコポコ弾けるような」といった繊細な感覚です。中には「お腹の中でポップコーンが弾けるような」と表現する方もいます。

この最初の胎動はとても微弱で、別の感覚(お腹の鳴る音やガスの動き)と混同してしまうこともあります。特に初産婦さんは、それが胎動なのかどうか判断に迷うことが多いでしょう。しかし徐々に頻度が増し、動きも大きくなっていくため、「これが胎動だ!」と確信できる日が必ず来ます。

胎動を感じる時期や強さには個人差がありますので、友人や姉妹と比べて遅いからといって必ずしも心配する必要はありません。ただし、妊娠24週を過ぎても全く胎動を感じない場合は、念のため担当医に相談しましょう。


胎動を感じやすい条件とは?

胎動を感じやすいのは、特に妊婦さんがリラックスしているときです。横になってゆっくりしている時や、入浴後、就寝前など、静かな環境で体が休まっているときに感じやすくなります。逆に、日中忙しく動き回っているときは、自分の動きや外部の刺激に気を取られて胎動に気づきにくくなります。

また、妊婦さんの体格によっても感じ方に違いがあります。体格が小柄な方や、妊娠前の体重が少なめの方は、比較的早い時期から胎動を感じやすい傾向があります。反対に、体格が大きめの方や、お腹に脂肪が多い方は、胎動を感じるのが少し遅くなることもあります。

胎盤の位置も影響します。胎盤が子宮の前壁(お腹側)についている場合は、胎盤がクッションの役割をして赤ちゃんの動きが伝わりにくくなることがあります。この場合も、胎動を感じるのが遅くなる可能性があります。

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妊娠週数でどう変わるの?胎動の様子でお腹の赤ちゃんの成長を感じよう

胎動は妊娠が進むにつれて、その頻度や強さ、パターンが変化していきます。赤ちゃんの成長に伴い、胎動の質も変わっていくのです。ここでは、妊娠週数に応じた胎動の変化について詳しく見ていきましょう。


妊娠初期(〜15週頃)

妊娠初期、特に15週頃までは、赤ちゃんはすでに活発に動いていますが、まだ小さすぎて、その動きをママが感じることはほとんどありません。超音波検査では、医師が赤ちゃんの動きを確認できる時期です。手足を動かしたり、時には回転したりする姿も見られますが、まだその動きが子宮壁を通して伝わるほど強くはないのです。

この時期はつわりなどの妊娠初期症状に悩まされることも多く、胎動よりも体調の変化に意識が向くことが多いでしょう。まだ胎動を感じないからといって心配する必要はありません。赤ちゃんは元気に成長しています。

妊娠中期前半(16〜23週頃)

多くの妊婦さんが初めて胎動を感じるのがこの時期です。最初は「これが胎動かな?」と迷うような、とても微弱な動きです。

この時期の胎動は不規則で、1日に感じる回数もまばらです。一日中感じることもあれば、数日間まったく感じないこともあります。赤ちゃんはまだ小さく、羊水の中で自由に動けるスペースが十分にあるため、ママが感じにくい位置で動いていることもあるのです。

初めて胎動を感じたときは、その日付をメモしておくとよいでしょう。出産予定日の計算が合っているかの参考にもなります。また、この感動的な瞬間の記録は、将来の思い出としても大切なものになるはずです。


妊娠中期後半(24〜27週頃)

妊娠24週を過ぎると、胎動はより明確になり、頻度も増えてきます。「ポコポコ」という感覚だけでなく、「コンコン」とお腹を内側から突き上げるような動きも感じるようになるでしょう。この時期になると、パパや家族も外からお腹に手を当てることで赤ちゃんの動きを感じられることもあります。

赤ちゃんは徐々に大きくなり、動きも力強くなってきますが、まだ子宮内で比較的自由に動けるスペースがあります。くるりと回転したり、お腹の片側から反対側へ移動したりする大きな動きも見られます。時には、ママのお腹の形が一時的に変わるほどの動きをすることもあるでしょう。

この時期から、赤ちゃんの活動的な時間帯のパターンが見え始めることもあります。例えば、ママが横になって休んでいるときや、食事の後などに特に活発に動く傾向があることに気づくかもしれません。赤ちゃんの性格の片鱗が見えてくる時期でもあります。

妊娠後期前半(28〜35週頃)

妊娠28週から35週頃は、胎動がもっとも活発になる時期です。赤ちゃんの筋力も発達し、蹴る力も強くなります。この時期の胎動は「ドンドン」と強く蹴られる感覚や、お腹の中でゴロゴロと転がるような大きな動きとして感じられることが多いでしょう。

赤ちゃんの手足の動きだけでなく、しゃっくりをしている感覚を感じることもあります。これは実際に赤ちゃんがしゃっくりをしている状態で、規則的な小さな動きとして感じられます。しゃっくりは赤ちゃんの肺や呼吸機能の発達の一環であり、心配する必要はありません。

この時期になると、赤ちゃんの活動と休息のサイクルがはっきりしてきます。1日の中で、活発に動く時間帯と静かな時間帯が区別できるようになるでしょう。多くの赤ちゃんは、ママが活動している日中は揺られて眠り、ママが静かに休んでいる夜間や早朝に活発に動く傾向があります。


妊娠後期後半(36週〜出産)

妊娠36週以降、出産に向けて赤ちゃんは徐々に頭を下げ、骨盤内に入っていきます。この過程で、子宮内の自由なスペースが減少するため、胎動の質が変化します。大きくゴロゴロと動く感覚は減り、代わりに手足をピクピクと動かすような、より局所的な動きが増えてきます。

胎動の回数自体は減少することがありますが、これは赤ちゃんの動きが弱くなったというよりも、動けるスペースが限られてきたためです。ただし、赤ちゃんの活動性自体が極端に低下するようなことはないはずです。定期的な動きは続いているはずで、特に、ママの姿勢を変えたときや、ママが食事をとった後などには反応が見られるでしょう。

この時期に特に注意したいのは、胎動の極端な減少です。もし胎動がいつもより明らかに少ない、あるいはほとんど感じられないと感じた場合は、念のため医療機関に相談することをおすすめします。

胎動カウントはいつからやるべき?簡単にできる胎動カウントで安心

胎動カウントとは、一定時間内に感じる胎動の回数を数える方法です。これは赤ちゃんの健康状態を家庭で簡単にモニタリングする方法として、妊娠後期に推奨されることがあります。胎動の減少は時に胎児の状態悪化を示すサインとなることがあるため、特に高リスク妊娠の場合には重要なセルフチェック方法となります。

胎動カウントを始めるタイミングは、一般的に妊娠28週頃からとされています。この時期になると胎動がある程度規則的になり、パターンも把握しやすくなるためです。ただし、すべての妊婦さんに胎動カウントが必須というわけではなく、妊娠経過が順調な場合は、毎日の胎動を意識的に感じるだけでも十分な場合もあります。

胎動カウントの方法と目安は?

胎動カウントの方法はいくつかありますが、もっとも一般的なのは「10回カウント法」です。これは、横になって休んだ状態で胎動を10回感じるまでの時間を計測する方法です。通常、30分以内に10回の胎動を感じることができれば問題ないとされています。

他にも「時間固定法」といって、決まった時間の間に感じる胎動の回数を毎日記録する方法もあります。いずれの方法でも、胎動を感じやすい時間帯(多くの場合、食後や夕方から夜にかけて)に行うのが効果的です。

ただし、赤ちゃんには活動期と休息期があるため、時間帯によって胎動の頻度は変わります。そのため、毎日同じ時間帯に行うことで、より正確に変化を捉えることができます。また、胎動カウントの結果を簡単なノートなどに記録しておくと、変化に気づきやすくなります。


胎動が少ないと感じたときはどうすればよい?

もし胎動カウントの結果、いつもより明らかに胎動が少ない、または1 2時間以上胎動を感じないという場合は、すぐに医療機関に連絡することをおすすめします。特に、いつもなら20分程度で10回感じていた胎動が、2時間経っても数回しか感じないといった大きな変化がある場合は注意が必要です。

ただし、胎動が一時的に減少することは珍しくありません。赤ちゃんが眠っている時間帯であったり、ママが活動的で赤ちゃんの動きに気づきにくかったりすることもあります。そのような場合は、少し横になって休み、甘いジュースなどを飲んでから再度確認してみるとよいでしょう。

Q&A:胎動に関するよくある質問と回答

ここでは、胎動に関して特によくある3つの質問にQ&A形式でわかりやすくお答えします。ぜひ参考にして、赤ちゃんとのかけがえのないコミュニケーションタイムを楽しんでくださいね。

Q.胎動の感じ方はどんな感じですか?


A.胎動の感じ方は妊婦さんによって様々ですが、最初は「お腹の中で蝶々が羽ばたいているような」「小さな泡がプクプクとはじけるような」微かな動きとして感じることが多いです。妊娠が進むにつれ、胎動は次第に明確になり、「コロコロと転がるような」「ポコポコと突き上げてくるような」感覚に変化していきます。
妊娠後期になると、赤ちゃんの手足の動きだけでなく、ストレッチやしゃっくりのような規則的な動き、寝返りのような大きな動きも感じられるようになります。特に、お母さんが横になって休んでいるときや、食後、甘いものを食べた後などに活発になることが多いです。赤ちゃんによって活動的な時間帯も異なり、夜間に特に活発になる赤ちゃんもいます。

Q.初産婦と経産婦で胎動を感じる時期に違いはありますか?


A.はい、一般的に経産婦の方が初産婦よりも早く胎動を感じる傾向があります。初産婦の場合は通常、妊娠20週頃(妊娠6ヶ月頃)に初めて胎動を感じることが多いのに対し、経産婦では妊娠18週頃(妊娠5ヶ月後半)に感じ始めることが多いです。これは、経産婦の方が以前の妊娠経験から胎動の感覚を認識しやすいためと考えられています。
ただし、胎動を感じる時期には個人差があり、体型や胎盤の位置、羊水の量などによっても異なります。例えば、体格が細身の方は胎動を感じやすく、肥満気味の方は胎動を感じにくい傾向があります。また、胎盤が前壁(お腹側)にある場合、胎盤が赤ちゃんの動きをクッションのように吸収してしまうため、胎動を感じるのが遅れることもあります。

Q.胎動が激しいのは正常ですか?痛みを感じることもありますか?



A.胎動が活発なことは、一般的に赤ちゃんが元気な証拠であり、正常なことです。特に妊娠28~32週頃(妊娠8ヶ月頃)がピークとなり、その後は赤ちゃんの成長に伴い子宮内のスペースが狭くなるため、大きな動きは減少しますが、四肢の動きなどは続きます。赤ちゃんの性格や活動パターンにもよりますので、常に活発な赤ちゃんもいれば、比較的おとなしい赤ちゃんもいます。
胎動による痛みを感じることもあります。特に妊娠後期には、赤ちゃんの頭や手足が肋骨や内臓を押したり、蹴ったりすることで、一時的な痛みやしびれを感じることがあります。また、赤ちゃんがお母さんの神経を圧迫すると、足にピリピリとした痛みが走ることもあります。ただし、胎動に伴う痛みが強く続く場合や、胎動が急に減少・消失した場合は、医師に相談することをおすすめします。赤ちゃんの健康状態を確認するために、1日の中で胎動を数える「胎動カウント」を行うこともあります。

胎動の時期から変化まで-赤ちゃんとの特別なコミュニケーションを楽しみましょう

胎動は、お腹の中の赤ちゃんからのメッセージであり、妊娠を実感できる特別な体験です。

一般的に初産婦さんで妊娠20週頃、経産婦さんでは18週頃から感じ始め、妊娠が進むにつれて強く明確になっていきます。

妊娠28週以降は胎動カウントを行うことで、赤ちゃんの健康状態をモニタリングすることができます。普段と明らかに異なる胎動パターンや、長時間胎動を感じない場合は、医療機関に相談することが大切です。

胎動は赤ちゃんの健康状態を知る手がかりであると同時に、親子の絆を深める特別なコミュニケーションでもあります。お腹の赤ちゃんに話しかけたり、音楽を聴かせたりして反応を感じる時間を大切にしてみてください。その小さな命との対話は、出産後の育児にもつながる素晴らしい経験となるでしょう。

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公開日 2025/05/30

【医師解説】胎動はいつから感じる?赤ちゃんの動きはどんな感じ??

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西野 枝里菜 先生

妊娠中に感じる小さな"ポコポコ"とした動き。これが赤ちゃんからの初めてのメッセージである胎動です。妊婦さんにとって胎動を初めて感じる瞬間は、お腹の中の赤ちゃんの存在を実感する感動的な体験となります。「いつから胎動を感じるの?」「どんな感覚なの?」「胎動が少ないけど大丈夫?」など、初めての妊娠では特に不安や疑問が尽きないものです。

この記事では、胎動がいつから始まるのか、どのように変化していくのか、そして気をつけるべきポイントまで、妊婦さんの疑問にお答えします。


胎動っていつから感じるの?初産婦さんは20週、経産婦さんは18週が目安

胎動とは、お腹の中の赤ちゃんが動く感覚のことです。赤ちゃんは実際には妊娠8週頃から体を動かし始めていますが、その動きを妊婦さんが感じられるようになるのはもう少し先になります。胎動は医学的には「quickening(クイックニング)」とも呼ばれ、赤ちゃんの健康状態を知る重要なサインの一つとなっています。

妊婦さんが胎動を初めて感じるのは、一般的に妊娠16〜20週(5ヶ月)頃からと言われています。初産婦さんの場合は20週前後、経産婦さんの場合は18週頃と、経験によって少し違いがあります。経産婦さんのほうが早く感じるのは、以前の妊娠で胎動の感覚を経験しているため、その感覚に気づきやすいと考えられています。

悩んでる女性

初めての胎動はどんな感じ?

初めての胎動の感覚は人それぞれですが、よく例えられるのは「お腹の中で蝶々が羽ばたいているような」「小魚が泳いでいるような」「泡がポコポコ弾けるような」といった繊細な感覚です。中には「お腹の中でポップコーンが弾けるような」と表現する方もいます。

この最初の胎動はとても微弱で、別の感覚(お腹の鳴る音やガスの動き)と混同してしまうこともあります。特に初産婦さんは、それが胎動なのかどうか判断に迷うことが多いでしょう。しかし徐々に頻度が増し、動きも大きくなっていくため、「これが胎動だ!」と確信できる日が必ず来ます。

胎動を感じる時期や強さには個人差がありますので、友人や姉妹と比べて遅いからといって必ずしも心配する必要はありません。ただし、妊娠24週を過ぎても全く胎動を感じない場合は、念のため担当医に相談しましょう。


胎動を感じやすい条件とは?

胎動を感じやすいのは、特に妊婦さんがリラックスしているときです。横になってゆっくりしている時や、入浴後、就寝前など、静かな環境で体が休まっているときに感じやすくなります。逆に、日中忙しく動き回っているときは、自分の動きや外部の刺激に気を取られて胎動に気づきにくくなります。

また、妊婦さんの体格によっても感じ方に違いがあります。体格が小柄な方や、妊娠前の体重が少なめの方は、比較的早い時期から胎動を感じやすい傾向があります。反対に、体格が大きめの方や、お腹に脂肪が多い方は、胎動を感じるのが少し遅くなることもあります。

胎盤の位置も影響します。胎盤が子宮の前壁(お腹側)についている場合は、胎盤がクッションの役割をして赤ちゃんの動きが伝わりにくくなることがあります。この場合も、胎動を感じるのが遅くなる可能性があります。

赤ちゃん 頭の形 測定

妊娠週数でどう変わるの?胎動の様子でお腹の赤ちゃんの成長を感じよう

胎動は妊娠が進むにつれて、その頻度や強さ、パターンが変化していきます。赤ちゃんの成長に伴い、胎動の質も変わっていくのです。ここでは、妊娠週数に応じた胎動の変化について詳しく見ていきましょう。


妊娠初期(〜15週頃)

妊娠初期、特に15週頃までは、赤ちゃんはすでに活発に動いていますが、まだ小さすぎて、その動きをママが感じることはほとんどありません。超音波検査では、医師が赤ちゃんの動きを確認できる時期です。手足を動かしたり、時には回転したりする姿も見られますが、まだその動きが子宮壁を通して伝わるほど強くはないのです。

この時期はつわりなどの妊娠初期症状に悩まされることも多く、胎動よりも体調の変化に意識が向くことが多いでしょう。まだ胎動を感じないからといって心配する必要はありません。赤ちゃんは元気に成長しています。

妊娠中期前半(16〜23週頃)

多くの妊婦さんが初めて胎動を感じるのがこの時期です。最初は「これが胎動かな?」と迷うような、とても微弱な動きです。

この時期の胎動は不規則で、1日に感じる回数もまばらです。一日中感じることもあれば、数日間まったく感じないこともあります。赤ちゃんはまだ小さく、羊水の中で自由に動けるスペースが十分にあるため、ママが感じにくい位置で動いていることもあるのです。

初めて胎動を感じたときは、その日付をメモしておくとよいでしょう。出産予定日の計算が合っているかの参考にもなります。また、この感動的な瞬間の記録は、将来の思い出としても大切なものになるはずです。


妊娠中期後半(24〜27週頃)

妊娠24週を過ぎると、胎動はより明確になり、頻度も増えてきます。「ポコポコ」という感覚だけでなく、「コンコン」とお腹を内側から突き上げるような動きも感じるようになるでしょう。この時期になると、パパや家族も外からお腹に手を当てることで赤ちゃんの動きを感じられることもあります。

赤ちゃんは徐々に大きくなり、動きも力強くなってきますが、まだ子宮内で比較的自由に動けるスペースがあります。くるりと回転したり、お腹の片側から反対側へ移動したりする大きな動きも見られます。時には、ママのお腹の形が一時的に変わるほどの動きをすることもあるでしょう。

この時期から、赤ちゃんの活動的な時間帯のパターンが見え始めることもあります。例えば、ママが横になって休んでいるときや、食事の後などに特に活発に動く傾向があることに気づくかもしれません。赤ちゃんの性格の片鱗が見えてくる時期でもあります。

妊娠後期前半(28〜35週頃)

妊娠28週から35週頃は、胎動がもっとも活発になる時期です。赤ちゃんの筋力も発達し、蹴る力も強くなります。この時期の胎動は「ドンドン」と強く蹴られる感覚や、お腹の中でゴロゴロと転がるような大きな動きとして感じられることが多いでしょう。

赤ちゃんの手足の動きだけでなく、しゃっくりをしている感覚を感じることもあります。これは実際に赤ちゃんがしゃっくりをしている状態で、規則的な小さな動きとして感じられます。しゃっくりは赤ちゃんの肺や呼吸機能の発達の一環であり、心配する必要はありません。

この時期になると、赤ちゃんの活動と休息のサイクルがはっきりしてきます。1日の中で、活発に動く時間帯と静かな時間帯が区別できるようになるでしょう。多くの赤ちゃんは、ママが活動している日中は揺られて眠り、ママが静かに休んでいる夜間や早朝に活発に動く傾向があります。


妊娠後期後半(36週〜出産)

妊娠36週以降、出産に向けて赤ちゃんは徐々に頭を下げ、骨盤内に入っていきます。この過程で、子宮内の自由なスペースが減少するため、胎動の質が変化します。大きくゴロゴロと動く感覚は減り、代わりに手足をピクピクと動かすような、より局所的な動きが増えてきます。

胎動の回数自体は減少することがありますが、これは赤ちゃんの動きが弱くなったというよりも、動けるスペースが限られてきたためです。ただし、赤ちゃんの活動性自体が極端に低下するようなことはないはずです。定期的な動きは続いているはずで、特に、ママの姿勢を変えたときや、ママが食事をとった後などには反応が見られるでしょう。

この時期に特に注意したいのは、胎動の極端な減少です。もし胎動がいつもより明らかに少ない、あるいはほとんど感じられないと感じた場合は、念のため医療機関に相談することをおすすめします。

胎動カウントはいつからやるべき?簡単にできる胎動カウントで安心

胎動カウントとは、一定時間内に感じる胎動の回数を数える方法です。これは赤ちゃんの健康状態を家庭で簡単にモニタリングする方法として、妊娠後期に推奨されることがあります。胎動の減少は時に胎児の状態悪化を示すサインとなることがあるため、特に高リスク妊娠の場合には重要なセルフチェック方法となります。

胎動カウントを始めるタイミングは、一般的に妊娠28週頃からとされています。この時期になると胎動がある程度規則的になり、パターンも把握しやすくなるためです。ただし、すべての妊婦さんに胎動カウントが必須というわけではなく、妊娠経過が順調な場合は、毎日の胎動を意識的に感じるだけでも十分な場合もあります。

胎動カウントの方法と目安は?

胎動カウントの方法はいくつかありますが、もっとも一般的なのは「10回カウント法」です。これは、横になって休んだ状態で胎動を10回感じるまでの時間を計測する方法です。通常、30分以内に10回の胎動を感じることができれば問題ないとされています。

他にも「時間固定法」といって、決まった時間の間に感じる胎動の回数を毎日記録する方法もあります。いずれの方法でも、胎動を感じやすい時間帯(多くの場合、食後や夕方から夜にかけて)に行うのが効果的です。

ただし、赤ちゃんには活動期と休息期があるため、時間帯によって胎動の頻度は変わります。そのため、毎日同じ時間帯に行うことで、より正確に変化を捉えることができます。また、胎動カウントの結果を簡単なノートなどに記録しておくと、変化に気づきやすくなります。


胎動が少ないと感じたときはどうすればよい?

もし胎動カウントの結果、いつもより明らかに胎動が少ない、または1 2時間以上胎動を感じないという場合は、すぐに医療機関に連絡することをおすすめします。特に、いつもなら20分程度で10回感じていた胎動が、2時間経っても数回しか感じないといった大きな変化がある場合は注意が必要です。

ただし、胎動が一時的に減少することは珍しくありません。赤ちゃんが眠っている時間帯であったり、ママが活動的で赤ちゃんの動きに気づきにくかったりすることもあります。そのような場合は、少し横になって休み、甘いジュースなどを飲んでから再度確認してみるとよいでしょう。

Q&A:胎動に関するよくある質問と回答

ここでは、胎動に関して特によくある3つの質問にQ&A形式でわかりやすくお答えします。ぜひ参考にして、赤ちゃんとのかけがえのないコミュニケーションタイムを楽しんでくださいね。

Q.胎動の感じ方はどんな感じですか?


A.胎動の感じ方は妊婦さんによって様々ですが、最初は「お腹の中で蝶々が羽ばたいているような」「小さな泡がプクプクとはじけるような」微かな動きとして感じることが多いです。妊娠が進むにつれ、胎動は次第に明確になり、「コロコロと転がるような」「ポコポコと突き上げてくるような」感覚に変化していきます。
妊娠後期になると、赤ちゃんの手足の動きだけでなく、ストレッチやしゃっくりのような規則的な動き、寝返りのような大きな動きも感じられるようになります。特に、お母さんが横になって休んでいるときや、食後、甘いものを食べた後などに活発になることが多いです。赤ちゃんによって活動的な時間帯も異なり、夜間に特に活発になる赤ちゃんもいます。

Q.初産婦と経産婦で胎動を感じる時期に違いはありますか?


A.はい、一般的に経産婦の方が初産婦よりも早く胎動を感じる傾向があります。初産婦の場合は通常、妊娠20週頃(妊娠6ヶ月頃)に初めて胎動を感じることが多いのに対し、経産婦では妊娠18週頃(妊娠5ヶ月後半)に感じ始めることが多いです。これは、経産婦の方が以前の妊娠経験から胎動の感覚を認識しやすいためと考えられています。
ただし、胎動を感じる時期には個人差があり、体型や胎盤の位置、羊水の量などによっても異なります。例えば、体格が細身の方は胎動を感じやすく、肥満気味の方は胎動を感じにくい傾向があります。また、胎盤が前壁(お腹側)にある場合、胎盤が赤ちゃんの動きをクッションのように吸収してしまうため、胎動を感じるのが遅れることもあります。

Q.胎動が激しいのは正常ですか?痛みを感じることもありますか?



A.胎動が活発なことは、一般的に赤ちゃんが元気な証拠であり、正常なことです。特に妊娠28~32週頃(妊娠8ヶ月頃)がピークとなり、その後は赤ちゃんの成長に伴い子宮内のスペースが狭くなるため、大きな動きは減少しますが、四肢の動きなどは続きます。赤ちゃんの性格や活動パターンにもよりますので、常に活発な赤ちゃんもいれば、比較的おとなしい赤ちゃんもいます。
胎動による痛みを感じることもあります。特に妊娠後期には、赤ちゃんの頭や手足が肋骨や内臓を押したり、蹴ったりすることで、一時的な痛みやしびれを感じることがあります。また、赤ちゃんがお母さんの神経を圧迫すると、足にピリピリとした痛みが走ることもあります。ただし、胎動に伴う痛みが強く続く場合や、胎動が急に減少・消失した場合は、医師に相談することをおすすめします。赤ちゃんの健康状態を確認するために、1日の中で胎動を数える「胎動カウント」を行うこともあります。

胎動の時期から変化まで-赤ちゃんとの特別なコミュニケーションを楽しみましょう

胎動は、お腹の中の赤ちゃんからのメッセージであり、妊娠を実感できる特別な体験です。

一般的に初産婦さんで妊娠20週頃、経産婦さんでは18週頃から感じ始め、妊娠が進むにつれて強く明確になっていきます。

妊娠28週以降は胎動カウントを行うことで、赤ちゃんの健康状態をモニタリングすることができます。普段と明らかに異なる胎動パターンや、長時間胎動を感じない場合は、医療機関に相談することが大切です。

胎動は赤ちゃんの健康状態を知る手がかりであると同時に、親子の絆を深める特別なコミュニケーションでもあります。お腹の赤ちゃんに話しかけたり、音楽を聴かせたりして反応を感じる時間を大切にしてみてください。その小さな命との対話は、出産後の育児にもつながる素晴らしい経験となるでしょう。

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