公開日 2025/05/19

【医師解説】妊娠後期はいつから始まる?妊娠後期に避けた方がいいこととは?

thumbnail

久保田産婦人科病院

西野 枝里菜 先生

妊娠後期は出産に向けての最終段階であり、ママと赤ちゃんの両方にとって重要な時期です。一般的に妊娠28週目から始まる妊娠後期では、体の変化や準備すべきことなど、知っておくべき重要なポイントがあります。

この記事では、妊娠後期に入るとどのような変化が起こり、どのような点に注意すればよいのか、医師の立場から詳しく解説します。

妊娠後期とは?いつからいつまでを指す?

妊娠後期は妊娠28週から40週までの期間を指します。この時期はおなかが最も大きくなり、出産に向けて母体と赤ちゃんの最終準備が進む重要な時期となります。

医学的には妊娠期間を3つに分けることが多く、妊娠0〜13週を「初期」、14〜27週を「中期」、28〜40週を「後期」と区分しています。

本記事で解説する「妊娠後期」は臨月(妊娠36週以降)を含む、出産に最も近い期間です。


【週数別】赤ちゃんとママの変化の特徴

妊娠後期は経過した週数によって赤ちゃんとママの状態が大きく変化するため、ここでは時期別にその特徴を詳しく見ていきましょう。

妊婦 エコー写真

妊娠8ヶ月(28〜31週)の特徴

この時期の赤ちゃんは急速に成長します。体重は約1.1kg〜1.6kgほどになり、身長は約38cm〜41cmに達します。皮下脂肪も徐々につき始め、しわが少なくなってきます。

赤ちゃんの脳は急速に発達し、神経系の動きも活発になります。また、肺の成熟も進み、呼吸の練習を始めています。

ママの子宮底(子宮の一番上の部分)はみぞおち付近まで上がり、おなかが前方にせり出してきます。この時期には生理的におなかが張りやすくなり、特に疲れたときや動いた後に張りを感じることが増えます。

また、子宮が大きくなることで内臓が圧迫され、胸やけ、息切れ、頻尿などの症状が強くなることがあります。下肢のむくみや静脈瘤が生じやすくなり、腰痛や恥骨痛などの不快症状を感じる方も多くなります。


妊娠9ヶ月(32〜35週)の特徴

32週を過ぎると赤ちゃんの体重は約1.8kg〜2.5kgに増加し、身長も約43cm〜46cmになります。この時期になると、ほとんどの臓器は機能的に成熟し、34週頃には肺機能も成熟して外で呼吸できる状態に近づいています。

赤ちゃんが大きくなるにつれて、ママのおなかはさらに大きくなり、立ち上がる、階段の上り下り、長時間の歩行など日常動作が困難になりがちです。また、大きくなった子宮により、胃が押し上げられて胸やけや食欲不振が起こりやすくなります。

心臓や肺にも負担がかかり、動悸や息切れに悩まされることも多くなります。また、恥骨痛や坐骨神経痛などを感じやすくなります。膀胱が圧迫されて頻尿も目立つようになります。


妊娠10ヶ月(36〜40週)の特徴

赤ちゃんは約2.7kg〜3.5kgの体重に成長し、身長も48cm〜52cmほどになります。ほとんどの臓器は完全に成熟し、外の世界で生きていく準備が整います。

この時期、赤ちゃんは骨盤の方に頭を下げて位置することが多くなります。子宮内が狭くなるため、胎動の質が変わり、大きな動きよりも小さなモゾモゾとした動きが多くなります。

ママの変化として、36週頃から、それまで上がっていた子宮底が少しずつ下がってくる現象が見られます。これにより、呼吸が楽になり、胃への圧迫も解消されて食事がとりやすくなります。

一方で、子宮の下側にある膀胱への圧迫が強まるため、頻尿や尿もれの症状は続きます。ホルモンの作用で骨盤の関節が緩み、産道が広がりやすくなっています。

37週以降になると、おしるし(少量の出血)や前駆陣痛などのお産の兆候が見られる方も増えてきます。

赤ちゃん 頭の形 測定


妊娠後期に気をつけるべきことは?

妊娠後期は、赤ちゃんの発育が著しい時期であり、ママの体にも様々な変化が現れるため、注意すべき点があります。具体的にどのようなことに気をつければ良いのか、詳しく解説します。


体重管理

妊娠後期においても適切な体重管理は重要です。特に36週以降は体重をなるべく増やさないようにすることが推奨されています。急激な体重増加は母子ともにリスクが高まり、難産、帝王切開のリスクなどが上昇します。

一日の食事を4〜5回に分ける「小分け食」を実践し、適正な体重増加を目指しましょう。

ちなみに妊娠前から妊娠末期までの理想的な体重増加は、BMIが標準(18.5〜25未満)の方で10〜13kgとされています。


栄養管理

妊娠後期には赤ちゃんの成長が著しいため、質の良いたんぱく質、カルシウム、鉄分、葉酸などの栄養素をバランス良く摂取することが大切です。特に貧血予防のために鉄分の摂取は意識的に行いましょう

甘いものの摂りすぎは体重増加だけでなく、妊娠糖尿病のリスクも高めるため控えめにしましょう。妊娠後期に必要なカロリーは妊娠前のプラス約450kcalとされていますが、個人差があるため産婦人科医と相談しながら調整するのが望ましいです。


早産予防

妊娠後期には早産のリスクにも注意が必要です。おりものの状態(色、量、におい、水っぽさなど)を定期的にチェックする習慣をつけましょう。細菌性腟症は早産の大きな原因となる可能性もあるため、異常を感じたら早めに医師に相談してください。

次のような症状がある場合は、早産の可能性があるため、すぐに医療機関に連絡しましょう。

・おなかの張りが治まらない

・おなかが硬くなる感覚がある

・微熱がある

・脈が速い

・出血や水っぽいおりものがある

また、妊娠後期の性行為は控えた方が良いでしょう。性的な興奮やオーガズムによって起きる子宮収縮が早産のリスクになることがあります。


妊娠後期で出産に向けて備えるべきことは?

出産に向けて、入院準備や里帰り出産など、事前に確認しておくべきことがいくつかあります。順番に見ていきましょう。


入院出産の場合

妊娠36週までには入院準備を完了させておくことをお勧めします。入院に必要なものには次のようなものがあります。

・母子健康手帳

・健康保険証

・入院費用

・産褥ショーツ

・産褥パッド

・授乳ブラ

・授乳口付きの寝間着

・赤ちゃんの退院時の衣類

また、入院前にネイルを落とし、指輪を外しておくことも大切です。緊急時に備えて、病院への連絡方法や夜間の出入り口、交通手段も確認しておきましょう。


里帰り出産の場合

里帰り出産を予定している場合は、遅くとも妊娠34週までには里帰りを完了させておくことが望ましいです。荷物を持っての長時間の移動は疲労の原因になるため、荷物は宅配便で送るなどして、移動時の手荷物は最小限にしましょう。

移動時はパパや家族に付き添ってもらい、無理のない計画を立てることが大切です。飛行機を利用する場合は、各航空会社の妊婦搭乗に関する規定を確認し、必要に応じて診断書を準備しておきましょう。



「もしかして陣痛?」出産が始まるサインと対処法

いよいよ出産が近づくと、体には様々なサインが現れます。ここでは、代表的なお産の兆候とその対処法について詳しく解説します。

陣痛 サイン

おしるし

おしるしとは、出産が近づいて起こる少量の出血で、おりものに血液が混じったようなものです。赤ちゃんを包んでいる卵膜がはがれることで起こります。

量には個人差があり、一度にまとまって出ることもあれば、少しずつ出ることもあります。

おしるしが出たからといって、すぐにお産が始まるわけではありません。

数日から1週間程度経ってからお産が始まることも多いため、慌てる必要はありませんが、念のため医師や助産師に状況を共有しておくことが望ましいです。


前駆陣痛

前駆陣痛は本格的な陣痛の前に現れる、不規則な子宮収縮です。おなかが硬くなる感覚や、生理痛のような痛みとして感じることが多いです。特徴としては、痛みの間隔が不規則で、動いたり休んだりすると和らぐことが多いです。

前駆陣痛は本陣痛の準備段階であり、子宮口の開きを促す役割があります。リラックスして過ごし、適度に体を動かしたり、温かいシャワーを浴びたりすると楽になることがあります。


本陣痛

本陣痛は「おなかの周りや腰が押されるような痛み」または「ひどい生理痛のような痛み」として感じられます。前駆陣痛と異なり、徐々に痛みが強くなり、間隔も規則的になっていきます。

初産婦の場合、陣痛の間隔が10分以内で規則的になり、1時間以上続いたら病院に連絡しましょう。

経産婦の場合はより速く進行することがあるため、陣痛の間隔が10分以内になったら連絡することをお勧めします。

本陣痛が始まったら、リラックスできる体勢をとり、規則的な呼吸法を実践することで痛みに対処しやすくなります。また、水分補給も忘れないようにしましょう。


破水

破水は卵膜が破れて羊水が流れ出る現象です。勢いよく流れ出ることもあれば、少しずつじわじわと漏れることもあります。破水は陣痛の前に起こることもあれば、陣痛の最中や出産直前に起こることもあります。

破水後は感染リスクが高まるため、シャワーや入浴は控え、清潔なナプキンやタオルで対応することが望ましいです。

破水かどうか判断に迷う場合であっても、念のため病院に連絡して指示を仰ぎましょう。


Q&A:妊娠後期のよくある疑問と回答

妊娠後期にはさまざまな体の変化や不安が生じるものです。ここでは、多くのプレママから寄せられる疑問について、わかりやすく回答します。動悸や息切れ、出産準備、胎動の変化など、気になることの答えを見つけてください。


Q. 妊娠後期に動悸や息切れがひどいのですが、大丈夫でしょうか?

A. 妊娠後期は子宮の拡大により横隔膜が押し上げられ、肺の容量が減少するため、動悸や息切れを感じやすくなります。これは生理的な変化であり、多くの場合は心配ありません。

ただし、急に症状が悪化した場合や、息切れが強く日常生活に支障がある場合は、医師に相談してください。横向きで寝る、背もたれを高くして座るなどの工夫も効果的です。


Q. 妊娠後期にしておいた方が良い出産準備は何ですか?

A. 妊娠36週までに以下の準備を整えておくと安心です。

 ・入院グッズの準備(母子手帳、保険証、入院費用、産褥ショーツ、授乳ブラなど) 

 ・赤ちゃんの退院時の衣類と育児用品の準備

 ・病院への交通手段と緊急連絡先の確認

 ・産後の家族のサポート体制の確認

 ・産後の食事準備(冷凍食品のストックなど) 


Q. 妊娠後期に胎動が少ないと感じたら、どうすれば良いでしょうか?

A. 妊娠後期は子宮内のスペースが狭くなるため、胎動の質が変わることがあります。大きな動きが減り、小さなモゾモゾとした動きが中心になることも多いです。

胎動が減少したと感じる場合は、左側を下にして横になり、様子を見てください。

1時間以上胎動を感じない場合は、すぐに医療機関に連絡しましょう。胎児の状態を確認するためのモニタリングが必要になることがあります。


まとめ

妊娠後期は出産に向けての最終準備期間です。この時期は体の変化が著しく、体調の変化や症状が訪れますが、赤ちゃんに会える日が近づいている大切な時間でもあります。

妊娠後期を健康に過ごすためには、規則正しい生活リズムを心がけ、適度な運動と栄養バランスの良い食事を摂り、必要以上に体重を増やさないよう注意することが大切です。

また、おりものの状態チェックや胎動カウントなど、赤ちゃんの健康状態をモニタリングする習慣をつけることも重要です。何か異常を感じたら、早めに医療機関に相談しましょう。

入院準備は36週までに完了させ、いつでも病院に行ける体制を整えておくことで、安心して出産に臨むことができます。かわいい赤ちゃんに会える日を楽しみに、残りの妊娠生活を健やかにお過ごしください。

ヘルメット治療 シナぷしゅ


公開日 2025/05/19

【医師解説】妊娠後期はいつから始まる?妊娠後期に避けた方がいいこととは?

thumbnail

久保田産婦人科病院

西野 枝里菜 先生

妊娠後期は出産に向けての最終段階であり、ママと赤ちゃんの両方にとって重要な時期です。一般的に妊娠28週目から始まる妊娠後期では、体の変化や準備すべきことなど、知っておくべき重要なポイントがあります。

この記事では、妊娠後期に入るとどのような変化が起こり、どのような点に注意すればよいのか、医師の立場から詳しく解説します。

妊娠後期とは?いつからいつまでを指す?

妊娠後期は妊娠28週から40週までの期間を指します。この時期はおなかが最も大きくなり、出産に向けて母体と赤ちゃんの最終準備が進む重要な時期となります。

医学的には妊娠期間を3つに分けることが多く、妊娠0〜13週を「初期」、14〜27週を「中期」、28〜40週を「後期」と区分しています。

本記事で解説する「妊娠後期」は臨月(妊娠36週以降)を含む、出産に最も近い期間です。


【週数別】赤ちゃんとママの変化の特徴

妊娠後期は経過した週数によって赤ちゃんとママの状態が大きく変化するため、ここでは時期別にその特徴を詳しく見ていきましょう。

妊婦 エコー写真

妊娠8ヶ月(28〜31週)の特徴

この時期の赤ちゃんは急速に成長します。体重は約1.1kg〜1.6kgほどになり、身長は約38cm〜41cmに達します。皮下脂肪も徐々につき始め、しわが少なくなってきます。

赤ちゃんの脳は急速に発達し、神経系の動きも活発になります。また、肺の成熟も進み、呼吸の練習を始めています。

ママの子宮底(子宮の一番上の部分)はみぞおち付近まで上がり、おなかが前方にせり出してきます。この時期には生理的におなかが張りやすくなり、特に疲れたときや動いた後に張りを感じることが増えます。

また、子宮が大きくなることで内臓が圧迫され、胸やけ、息切れ、頻尿などの症状が強くなることがあります。下肢のむくみや静脈瘤が生じやすくなり、腰痛や恥骨痛などの不快症状を感じる方も多くなります。


妊娠9ヶ月(32〜35週)の特徴

32週を過ぎると赤ちゃんの体重は約1.8kg〜2.5kgに増加し、身長も約43cm〜46cmになります。この時期になると、ほとんどの臓器は機能的に成熟し、34週頃には肺機能も成熟して外で呼吸できる状態に近づいています。

赤ちゃんが大きくなるにつれて、ママのおなかはさらに大きくなり、立ち上がる、階段の上り下り、長時間の歩行など日常動作が困難になりがちです。また、大きくなった子宮により、胃が押し上げられて胸やけや食欲不振が起こりやすくなります。

心臓や肺にも負担がかかり、動悸や息切れに悩まされることも多くなります。また、恥骨痛や坐骨神経痛などを感じやすくなります。膀胱が圧迫されて頻尿も目立つようになります。


妊娠10ヶ月(36〜40週)の特徴

赤ちゃんは約2.7kg〜3.5kgの体重に成長し、身長も48cm〜52cmほどになります。ほとんどの臓器は完全に成熟し、外の世界で生きていく準備が整います。

この時期、赤ちゃんは骨盤の方に頭を下げて位置することが多くなります。子宮内が狭くなるため、胎動の質が変わり、大きな動きよりも小さなモゾモゾとした動きが多くなります。

ママの変化として、36週頃から、それまで上がっていた子宮底が少しずつ下がってくる現象が見られます。これにより、呼吸が楽になり、胃への圧迫も解消されて食事がとりやすくなります。

一方で、子宮の下側にある膀胱への圧迫が強まるため、頻尿や尿もれの症状は続きます。ホルモンの作用で骨盤の関節が緩み、産道が広がりやすくなっています。

37週以降になると、おしるし(少量の出血)や前駆陣痛などのお産の兆候が見られる方も増えてきます。

赤ちゃん 頭の形 測定


妊娠後期に気をつけるべきことは?

妊娠後期は、赤ちゃんの発育が著しい時期であり、ママの体にも様々な変化が現れるため、注意すべき点があります。具体的にどのようなことに気をつければ良いのか、詳しく解説します。


体重管理

妊娠後期においても適切な体重管理は重要です。特に36週以降は体重をなるべく増やさないようにすることが推奨されています。急激な体重増加は母子ともにリスクが高まり、難産、帝王切開のリスクなどが上昇します。

一日の食事を4〜5回に分ける「小分け食」を実践し、適正な体重増加を目指しましょう。

ちなみに妊娠前から妊娠末期までの理想的な体重増加は、BMIが標準(18.5〜25未満)の方で10〜13kgとされています。


栄養管理

妊娠後期には赤ちゃんの成長が著しいため、質の良いたんぱく質、カルシウム、鉄分、葉酸などの栄養素をバランス良く摂取することが大切です。特に貧血予防のために鉄分の摂取は意識的に行いましょう

甘いものの摂りすぎは体重増加だけでなく、妊娠糖尿病のリスクも高めるため控えめにしましょう。妊娠後期に必要なカロリーは妊娠前のプラス約450kcalとされていますが、個人差があるため産婦人科医と相談しながら調整するのが望ましいです。


早産予防

妊娠後期には早産のリスクにも注意が必要です。おりものの状態(色、量、におい、水っぽさなど)を定期的にチェックする習慣をつけましょう。細菌性腟症は早産の大きな原因となる可能性もあるため、異常を感じたら早めに医師に相談してください。

次のような症状がある場合は、早産の可能性があるため、すぐに医療機関に連絡しましょう。

・おなかの張りが治まらない

・おなかが硬くなる感覚がある

・微熱がある

・脈が速い

・出血や水っぽいおりものがある

また、妊娠後期の性行為は控えた方が良いでしょう。性的な興奮やオーガズムによって起きる子宮収縮が早産のリスクになることがあります。


妊娠後期で出産に向けて備えるべきことは?

出産に向けて、入院準備や里帰り出産など、事前に確認しておくべきことがいくつかあります。順番に見ていきましょう。


入院出産の場合

妊娠36週までには入院準備を完了させておくことをお勧めします。入院に必要なものには次のようなものがあります。

・母子健康手帳

・健康保険証

・入院費用

・産褥ショーツ

・産褥パッド

・授乳ブラ

・授乳口付きの寝間着

・赤ちゃんの退院時の衣類

また、入院前にネイルを落とし、指輪を外しておくことも大切です。緊急時に備えて、病院への連絡方法や夜間の出入り口、交通手段も確認しておきましょう。


里帰り出産の場合

里帰り出産を予定している場合は、遅くとも妊娠34週までには里帰りを完了させておくことが望ましいです。荷物を持っての長時間の移動は疲労の原因になるため、荷物は宅配便で送るなどして、移動時の手荷物は最小限にしましょう。

移動時はパパや家族に付き添ってもらい、無理のない計画を立てることが大切です。飛行機を利用する場合は、各航空会社の妊婦搭乗に関する規定を確認し、必要に応じて診断書を準備しておきましょう。



「もしかして陣痛?」出産が始まるサインと対処法

いよいよ出産が近づくと、体には様々なサインが現れます。ここでは、代表的なお産の兆候とその対処法について詳しく解説します。

陣痛 サイン

おしるし

おしるしとは、出産が近づいて起こる少量の出血で、おりものに血液が混じったようなものです。赤ちゃんを包んでいる卵膜がはがれることで起こります。

量には個人差があり、一度にまとまって出ることもあれば、少しずつ出ることもあります。

おしるしが出たからといって、すぐにお産が始まるわけではありません。

数日から1週間程度経ってからお産が始まることも多いため、慌てる必要はありませんが、念のため医師や助産師に状況を共有しておくことが望ましいです。


前駆陣痛

前駆陣痛は本格的な陣痛の前に現れる、不規則な子宮収縮です。おなかが硬くなる感覚や、生理痛のような痛みとして感じることが多いです。特徴としては、痛みの間隔が不規則で、動いたり休んだりすると和らぐことが多いです。

前駆陣痛は本陣痛の準備段階であり、子宮口の開きを促す役割があります。リラックスして過ごし、適度に体を動かしたり、温かいシャワーを浴びたりすると楽になることがあります。


本陣痛

本陣痛は「おなかの周りや腰が押されるような痛み」または「ひどい生理痛のような痛み」として感じられます。前駆陣痛と異なり、徐々に痛みが強くなり、間隔も規則的になっていきます。

初産婦の場合、陣痛の間隔が10分以内で規則的になり、1時間以上続いたら病院に連絡しましょう。

経産婦の場合はより速く進行することがあるため、陣痛の間隔が10分以内になったら連絡することをお勧めします。

本陣痛が始まったら、リラックスできる体勢をとり、規則的な呼吸法を実践することで痛みに対処しやすくなります。また、水分補給も忘れないようにしましょう。


破水

破水は卵膜が破れて羊水が流れ出る現象です。勢いよく流れ出ることもあれば、少しずつじわじわと漏れることもあります。破水は陣痛の前に起こることもあれば、陣痛の最中や出産直前に起こることもあります。

破水後は感染リスクが高まるため、シャワーや入浴は控え、清潔なナプキンやタオルで対応することが望ましいです。

破水かどうか判断に迷う場合であっても、念のため病院に連絡して指示を仰ぎましょう。


Q&A:妊娠後期のよくある疑問と回答

妊娠後期にはさまざまな体の変化や不安が生じるものです。ここでは、多くのプレママから寄せられる疑問について、わかりやすく回答します。動悸や息切れ、出産準備、胎動の変化など、気になることの答えを見つけてください。


Q. 妊娠後期に動悸や息切れがひどいのですが、大丈夫でしょうか?

A. 妊娠後期は子宮の拡大により横隔膜が押し上げられ、肺の容量が減少するため、動悸や息切れを感じやすくなります。これは生理的な変化であり、多くの場合は心配ありません。

ただし、急に症状が悪化した場合や、息切れが強く日常生活に支障がある場合は、医師に相談してください。横向きで寝る、背もたれを高くして座るなどの工夫も効果的です。


Q. 妊娠後期にしておいた方が良い出産準備は何ですか?

A. 妊娠36週までに以下の準備を整えておくと安心です。

 ・入院グッズの準備(母子手帳、保険証、入院費用、産褥ショーツ、授乳ブラなど) 

 ・赤ちゃんの退院時の衣類と育児用品の準備

 ・病院への交通手段と緊急連絡先の確認

 ・産後の家族のサポート体制の確認

 ・産後の食事準備(冷凍食品のストックなど) 


Q. 妊娠後期に胎動が少ないと感じたら、どうすれば良いでしょうか?

A. 妊娠後期は子宮内のスペースが狭くなるため、胎動の質が変わることがあります。大きな動きが減り、小さなモゾモゾとした動きが中心になることも多いです。

胎動が減少したと感じる場合は、左側を下にして横になり、様子を見てください。

1時間以上胎動を感じない場合は、すぐに医療機関に連絡しましょう。胎児の状態を確認するためのモニタリングが必要になることがあります。


まとめ

妊娠後期は出産に向けての最終準備期間です。この時期は体の変化が著しく、体調の変化や症状が訪れますが、赤ちゃんに会える日が近づいている大切な時間でもあります。

妊娠後期を健康に過ごすためには、規則正しい生活リズムを心がけ、適度な運動と栄養バランスの良い食事を摂り、必要以上に体重を増やさないよう注意することが大切です。

また、おりものの状態チェックや胎動カウントなど、赤ちゃんの健康状態をモニタリングする習慣をつけることも重要です。何か異常を感じたら、早めに医療機関に相談しましょう。

入院準備は36週までに完了させ、いつでも病院に行ける体制を整えておくことで、安心して出産に臨むことができます。かわいい赤ちゃんに会える日を楽しみに、残りの妊娠生活を健やかにお過ごしください。

ヘルメット治療 シナぷしゅ