公開日2025年5月26日

ヘルメット治療はいつから?小児外科医 嶋寺先生が語る赤ちゃんの頭の形治療のタイミング

しまでらメディカルクリニック
嶋寺 伸一先生
「しまでらメディカルクリニック」はこどもが泣かないクリニックをめざして、小児の内科・外科はもちろん、成人の内科や外科まで対応できるファミリークリニックとして、0歳から100歳まで、地域の健康を守っています。今回は院長の嶋寺先生に、小児外科を目指されたきっかけやクリニックの特徴、ヘルメット治療についてお話を伺いました。

先生のご経歴について簡単に教えていただけますでしょうか? 

平成7年に滋賀医科大学を卒業しました。小児外科を志しており、外科のトレーニングを積むにはまず成人の診療が必要だったため、最初は大人の外科診療からスタートしました。その後、医師3年目で東京の専門病院に出向し、3年間にわたって小児外科の診療に従事しました。そこでは、乳幼児から15歳くらいまでの小児を対象に、手術を中心とした医療を行っていました。この経験を通じて、小児外科の専門医の認定を取得することができました。

ただ、専門医の資格を得たとはいえ、まだまだ実践的な力は足りないという自覚がありました。そこで、より深く学ぶために小児外科が独立した科として存在する京都府立医科大学で再び一からトレーニングを積み直しました。8年間にわたって京都で研鑽を積んだ後、地元である滋賀県に戻り、小児外科の部長として病院に勤務しました。その後、岐阜県でしまでらメディカルクリニックを開設することとなりました。


先生が医師を目指されたきっかけについて教えていただけますか?

私の身近な親戚には医師はいなかったので特に医師という道を意識したことはなかったのですが、高校2年生のときに、カエルの解剖をものすごくきれいにできたことがあって、ある先輩にそのことを話したんです。そのとき、「お前、医者に向いてるよ、医者になれ」と言われたのがきっかけでした。ただそれだけなんですが、それが強烈に心に残っています。やはり人生の節目で誰かの一言が大きな方向転換になることってありますよね。不思議なものです。


小児外科を専門に選ばれた理由は何だったのでしょうか?

医学部では6年間の課程の中で、5年生になると病院実習が始まります。私は最後まで「外科」と「小児科」で悩んでいました。子どもが好きだったので小児科もいいなと考えていた一方で、外科手術にも強く惹かれていました。

特に印象的だったのが「糸結び」の練習でした。血管を縛って真ん中を切る、そのときに出血を止めるために使う糸結び。指先の技術によって手術の時間が大きく変わる、これは自分の努力がダイレクトに成果に表れる技術だと感じて、猛練習しました。そうした経験を通じて「これが仕事になれば面白いな」と思い、外科を志すようになったんです。最終的には「子どもも診たいし、外科もやりたい」という2つの夢を、小児外科という形で叶える道を選びました。



普段の診療の中で、先生が大切にされていることは何ですか?

パソコンばかり見ないということですね。やはり患者さんの顔や表情を見ることが一番大事だと思っています。患者さんの雰囲気を感じ取ることで、接し方や言葉の選び方、治療の提案の仕方も変わってきますし、治療に対する反応も違ってくると思うんですよ。

特に「痛み」に関しては、心理状態によって感じ方が大きく変わります。不安が強ければ痛みも強く感じられるし、安心感があれば痛みは軽減される。患者さんの不安を取り除くことも、治療の一部なんです。

理想を言えば、ここが“ディズニーランド”のような場所でありたいと思っています。クリニックという空間に入ったとき、「なんだか安心する」「楽しい」と感じてもらえるような空気感をつくりたい。実際、待合室には子どもたちが自由に触れられるものを置いたりして、リラックスできる環境づくりをしています。


クリニックの特徴を教えてください。

小児外科をベースとしながら、小児内科も診るというハイブリッドなスタイルを取り入れています。小児の内科・外科はもちろん、成人の内科や外科まで対応できる「ファミリークリニック」のような形にして、0歳から100歳まで、内科も外科も幅広く診る体制を整えたんです。皮膚科の相談もあれば、外科的な処置の相談もある。いわば“なんでも屋”のような存在として、地域に根差すことができるようになってきたと思います。また、保育士が在籍しており、遊びを取り入れた温かいケアが可能です。医療と保育をつなげたサポートを行っています。

加えて、「でべそ」、つまり臍ヘルニアの治療に力を入れています。赤ちゃんの頃に圧迫療法という治療をすると、形が矯正されていきます。乳幼児の頃に圧迫療法をしていれば、手術に至らずに済む可能性があります。でも現実には、多くの小児科医が「自然に治っていくよ」と言って何もしない方針を取ってしまうんです。この点は頭の形の矯正ともよく似ていますよね。

もし赤ちゃんのおへそで気になることがあれば、当院のことをぜひ頭の片隅にでも置いておいてもらえればと思っています。


頭の形外来を開設したきっかけを教えてください。

赤ちゃんの頭の形に関する相談が増えてきたことがきっかけです。当初は他の医療機関を紹介していたんですが、どこも非常に混んでいて患者さんをスムーズに紹介できない状況が続いていました。そこで自分がやろうと決意しました。新しい分野に踏み出すには学びが必要だと感じ、勉強会にも積極的に参加するようにしました。昨年の日本外来小児科学会にスタッフ全員で参加し、ランチョンセミナーで頭の形に関する講演を受けました。みんなで一緒に学んだことで「やってみようか」という流れになり、本格的に取り組み始めました。


頭の形外来の初診の流れを教えてください。

まず初診時には、当院で作成した治療のタイムラインや選択肢をまとめたパンフレットをお渡ししており、治療の流れに合わせて段階的にご案内しています。特にヘルメット治療の適応時期や、必要に応じた3D撮影の目安なども、視覚的に理解できるよう構成しています。3D撮影を行った場合には、翌日、そのデータをもとに結果を詳しくご説明します。


頭の形外来は、いつ頃受診するのがいいですか? 

気になったときが受診のタイミングだと思います。ただし、赤ちゃんの頭の形に関する治療には時期的な制限があるのも事実です。成長の段階に合わせて、改善できる時期を逃さないことが大切です。ですから、長い間悩まずに、少しでも気になったら早めに専門家の意見を聞いていただきたいですね。


最後に読者の方へのメッセージをお願いできますか?

頭の形は、昔から個人差があるものです。頭のCTを撮れば、実は誰しも大なり小なり歪みがあるもの。決して「まんまる頭」が正解というわけではありませんし、完璧な形でなければいけないわけでもありません。ただ、今は選択肢としてヘルメット治療のような新しい方法があるということを、ぜひ知っていただきたいと思います。そして、こうした治療には最適なタイミングがあります。これは私たち医師が判断する必要がありますから、ぜひ気になった段階で一度、医療者の意見を聞いていただきたいですね。

「我が子の今の状態がどうなのか」を知るだけでも、安心につながりますし、必要ならば次のステップを選ぶこともできます。どうか、悩みを一人で抱えず、気軽にご相談いただければと思います。


ヘルメット治療について

治療の流れ

パンフレットをお渡しし、治療のタイムラインや 選択肢を段階的にご案内しています。 3D撮影を行った場合には、データをもとに結果を詳しくご説明します。

費用

33万円(税込)

診察日時

毎週金・土曜日

予約

お電話にて予約を受け付けております。

相談窓口

0575-29-3383

アクセス

電車・バスでお越しの方: 岐阜バスB線(B81, B83, B87) 小屋名バス停から徒歩10分

お車でお越しの方: 156号線沿い、貝印工場北側

公開日2025年5月26日

ヘルメット治療はいつから?小児外科医 嶋寺先生が語る赤ちゃんの頭の形治療のタイミング

しまでらメディカルクリニック
嶋寺 伸一先生
「しまでらメディカルクリニック」はこどもが泣かないクリニックをめざして、小児の内科・外科はもちろん、成人の内科や外科まで対応できるファミリークリニックとして、0歳から100歳まで、地域の健康を守っています。今回は院長の嶋寺先生に、小児外科を目指されたきっかけやクリニックの特徴、ヘルメット治療についてお話を伺いました。

先生のご経歴について簡単に教えていただけますでしょうか? 

平成7年に滋賀医科大学を卒業しました。小児外科を志しており、外科のトレーニングを積むにはまず成人の診療が必要だったため、最初は大人の外科診療からスタートしました。その後、医師3年目で東京の専門病院に出向し、3年間にわたって小児外科の診療に従事しました。そこでは、乳幼児から15歳くらいまでの小児を対象に、手術を中心とした医療を行っていました。この経験を通じて、小児外科の専門医の認定を取得することができました。

ただ、専門医の資格を得たとはいえ、まだまだ実践的な力は足りないという自覚がありました。そこで、より深く学ぶために小児外科が独立した科として存在する京都府立医科大学で再び一からトレーニングを積み直しました。8年間にわたって京都で研鑽を積んだ後、地元である滋賀県に戻り、小児外科の部長として病院に勤務しました。その後、岐阜県でしまでらメディカルクリニックを開設することとなりました。


先生が医師を目指されたきっかけについて教えていただけますか?

私の身近な親戚には医師はいなかったので特に医師という道を意識したことはなかったのですが、高校2年生のときに、カエルの解剖をものすごくきれいにできたことがあって、ある先輩にそのことを話したんです。そのとき、「お前、医者に向いてるよ、医者になれ」と言われたのがきっかけでした。ただそれだけなんですが、それが強烈に心に残っています。やはり人生の節目で誰かの一言が大きな方向転換になることってありますよね。不思議なものです。


小児外科を専門に選ばれた理由は何だったのでしょうか?

医学部では6年間の課程の中で、5年生になると病院実習が始まります。私は最後まで「外科」と「小児科」で悩んでいました。子どもが好きだったので小児科もいいなと考えていた一方で、外科手術にも強く惹かれていました。

特に印象的だったのが「糸結び」の練習でした。血管を縛って真ん中を切る、そのときに出血を止めるために使う糸結び。指先の技術によって手術の時間が大きく変わる、これは自分の努力がダイレクトに成果に表れる技術だと感じて、猛練習しました。そうした経験を通じて「これが仕事になれば面白いな」と思い、外科を志すようになったんです。最終的には「子どもも診たいし、外科もやりたい」という2つの夢を、小児外科という形で叶える道を選びました。



普段の診療の中で、先生が大切にされていることは何ですか?

パソコンばかり見ないということですね。やはり患者さんの顔や表情を見ることが一番大事だと思っています。患者さんの雰囲気を感じ取ることで、接し方や言葉の選び方、治療の提案の仕方も変わってきますし、治療に対する反応も違ってくると思うんですよ。

特に「痛み」に関しては、心理状態によって感じ方が大きく変わります。不安が強ければ痛みも強く感じられるし、安心感があれば痛みは軽減される。患者さんの不安を取り除くことも、治療の一部なんです。

理想を言えば、ここが“ディズニーランド”のような場所でありたいと思っています。クリニックという空間に入ったとき、「なんだか安心する」「楽しい」と感じてもらえるような空気感をつくりたい。実際、待合室には子どもたちが自由に触れられるものを置いたりして、リラックスできる環境づくりをしています。


クリニックの特徴を教えてください。

小児外科をベースとしながら、小児内科も診るというハイブリッドなスタイルを取り入れています。小児の内科・外科はもちろん、成人の内科や外科まで対応できる「ファミリークリニック」のような形にして、0歳から100歳まで、内科も外科も幅広く診る体制を整えたんです。皮膚科の相談もあれば、外科的な処置の相談もある。いわば“なんでも屋”のような存在として、地域に根差すことができるようになってきたと思います。また、保育士が在籍しており、遊びを取り入れた温かいケアが可能です。医療と保育をつなげたサポートを行っています。

加えて、「でべそ」、つまり臍ヘルニアの治療に力を入れています。赤ちゃんの頃に圧迫療法という治療をすると、形が矯正されていきます。乳幼児の頃に圧迫療法をしていれば、手術に至らずに済む可能性があります。でも現実には、多くの小児科医が「自然に治っていくよ」と言って何もしない方針を取ってしまうんです。この点は頭の形の矯正ともよく似ていますよね。

もし赤ちゃんのおへそで気になることがあれば、当院のことをぜひ頭の片隅にでも置いておいてもらえればと思っています。


頭の形外来を開設したきっかけを教えてください。

赤ちゃんの頭の形に関する相談が増えてきたことがきっかけです。当初は他の医療機関を紹介していたんですが、どこも非常に混んでいて患者さんをスムーズに紹介できない状況が続いていました。そこで自分がやろうと決意しました。新しい分野に踏み出すには学びが必要だと感じ、勉強会にも積極的に参加するようにしました。昨年の日本外来小児科学会にスタッフ全員で参加し、ランチョンセミナーで頭の形に関する講演を受けました。みんなで一緒に学んだことで「やってみようか」という流れになり、本格的に取り組み始めました。


頭の形外来の初診の流れを教えてください。

まず初診時には、当院で作成した治療のタイムラインや選択肢をまとめたパンフレットをお渡ししており、治療の流れに合わせて段階的にご案内しています。特にヘルメット治療の適応時期や、必要に応じた3D撮影の目安なども、視覚的に理解できるよう構成しています。3D撮影を行った場合には、翌日、そのデータをもとに結果を詳しくご説明します。


頭の形外来は、いつ頃受診するのがいいですか? 

気になったときが受診のタイミングだと思います。ただし、赤ちゃんの頭の形に関する治療には時期的な制限があるのも事実です。成長の段階に合わせて、改善できる時期を逃さないことが大切です。ですから、長い間悩まずに、少しでも気になったら早めに専門家の意見を聞いていただきたいですね。


最後に読者の方へのメッセージをお願いできますか?

頭の形は、昔から個人差があるものです。頭のCTを撮れば、実は誰しも大なり小なり歪みがあるもの。決して「まんまる頭」が正解というわけではありませんし、完璧な形でなければいけないわけでもありません。ただ、今は選択肢としてヘルメット治療のような新しい方法があるということを、ぜひ知っていただきたいと思います。そして、こうした治療には最適なタイミングがあります。これは私たち医師が判断する必要がありますから、ぜひ気になった段階で一度、医療者の意見を聞いていただきたいですね。

「我が子の今の状態がどうなのか」を知るだけでも、安心につながりますし、必要ならば次のステップを選ぶこともできます。どうか、悩みを一人で抱えず、気軽にご相談いただければと思います。


ヘルメット治療について

治療の流れ

パンフレットをお渡しし、治療のタイムラインや 選択肢を段階的にご案内しています。 3D撮影を行った場合には、データをもとに結果を詳しくご説明します。

費用

33万円(税込)

診察日時

毎週金・土曜日

予約

お電話にて予約を受け付けております。

相談窓口

0575-29-3383

アクセス

電車・バスでお越しの方: 岐阜バスB線(B81, B83, B87) 小屋名バス停から徒歩10分

お車でお越しの方: 156号線沿い、貝印工場北側