公開日2025年12月24日
出身地で恩返しの医療を。地域に根ざした小児科医が語る頭のかたちの悩みに寄り添う姿勢と治療

先生のご経歴を教えていただけますか
医師を目指したきっかけは、学生時代に心理学関係の本を読んだことでした。心理学に興味を持ち、当初は精神科医を目指そうと考えて医学部を目指しました。
その後、実習などを通して、子どもたちの変化の早い病態をしっかり診てあげたいという思いが強くなりました。子どもは良くなる場合も悪くなる場合も変化が早いので、そういう状態をしっかり見守りたいと考え、最終的に小児科を選択しました。
平成元年に滋賀医科大学医学部を卒業し、同年から滋賀医科大学附属病院小児科に入局して3年間研修しました。その後、大学院に進学して学位を取得し、再び臨床に戻りました。
2004年(平成16年)にあいさか小児科クリニックを開業して、現在21年になります。開業した場所は、元々私の出身地なんです。子どもの頃からずっと育った町で、最終的には両親の面倒も見たいという気持ちもありましたし、自分の馴染みのある土地で開業して、恩返しのようなことができたらいいなという思いがありました。
クリニックの特徴を教えてください
当院は開業当初から地域密着型という形で診療しています。些細なことでも健康に関する相談を気軽にしていただけるよう心がけています。
頭の形の診療を始めたきっかけは何ですか
以前から頭の形に関するご相談をいただくことが度々あり、特に4ヶ月健診ではこの質問が多いと感じていました。
当初、私にはこの分野の知識が不足していたため、「機能的な問題はありません」とお伝えしましたが、患者さんから「治療できるところはないですか?」と尋ねられることがありました
そんな中、滋賀県の先生が頭の形外来を始められたと聞き、学会の企業展示で説明を受けたことが、当院でも患者さんに提供できるのではと考えるきっかけになりました。その先生のホームページで多くの治療データと効果の高さに驚き、頭の形に関するニーズが非常に高いことを再認識しました。以前は説明や紹介しかできませんでしたが、今では自分自身で患者さんに治療を提供できるようになったことで、患者さんのメリットと満足度を高められていることを嬉しく思っています。
頭の形の診療を始めてみていかがですか
頭の形の診療を始めてから、相談はさらに増えてきていると思います。
ホームページに記事を載せたこともあり、それをご覧になって来られる方や、別の医療機関で相談したけれども十分納得できなかったので、セカンドオピニオンという形で当院に来られる方もいらっしゃいます。
滋賀県では頭の形外来を行っている病院数は多くはないので、少し遠方からいらっしゃる方もおられます。
赤ちゃんの頭の形の歪みを心配される保護者の方が多いです。特に、その歪みが将来的に何らかの障害や問題を引き起こす可能性を懸念されています。
また、治療が必要なレベルなのか、重症度合いはどの程度なのかといった診断を求めるご相談が多く寄せられます。
初診の予約方法を教えてください
頭の形外来は別枠を設けているわけではありませんが、できるだけ電話で前もって予約いただくようにしています。その時は時間を多めに取るようにしています。
ヘルメット治療の認識はどうですか
ヘルメット治療についてご存じない方もいらっしゃると思います。しかし、皆様が気にされているのは「治せるかどうか」という点です。治療可能な場所があるならそこへ行きたいという思いで受診されているようで、最初からヘルメット治療をご存じだったケースは、まだそれほど多くないように感じます。
不安を感じている方が、測定によってデータに基づいた情報を得られることで、安心して帰宅できるケースや、治療が必要だと判明した場合には、治療へと前向きに進むパターンが多く見られます。
ヘルメット治療について教えてください
一般的に、治療が必要なレベルは中等症以上とされています。中等症以上で治療の必要性をお伝えすると、迷われることも少なくありません。しかし、費用や治療の過程を丁寧に説明することで、多くの方が納得して治療に進まれています。
月齢が低いお子さんの場合、体位変換やタミータイムをお勧めし、1ヶ月後に再診してスキャンで測定するというケースもあります。
ヘルメット製作による治療に同意いただいた場合、ヘルメット製作費用は、33万円(税込)となります。メンテナンス費用も全て含まれています。来院されるのは3〜4ヶ月のお子さんが多いですね。4ヶ月健診で治療の選択肢を知り、当院のホームページなどを調べて来られる方が多くいらっしゃいます。
治療開始が早い月齢ですと治療期間は短くなる傾向があり、開始が遅いと治療期間が長くなることがあります。一般的には4〜6ヶ月程度の治療期間をご案内しています。
どのような治療を心がけていますか
親御さんと一緒に、ご質問やご不安な点について解決策を探りながら、できる限り患者さんに寄り添った治療を心がけています。
患者さんやご家族からは、主に以下の2点についてご質問をいただきます。
「そんなに長い間、着用し続けられるのだろうか」
「ヘルメットをつけて外出することに抵抗がある」
治療期間は3〜4ヶ月です。この期間で頭の形を正常に近い状態に導き、患者さんの満足度を高め、その後は自由に外出できるようになることが、私たちの願いです。そのため、患者さんを励ましながら治療を進めています。頭の歪みは、機能的な問題がなくとも、歯列の乱れや眼鏡着用時の違和感につながることがあります。お子様の容姿に関心を持つ方が増えている中、私たちはそうした方々のお力になりたいと考えています。
早期に矯正を開始するほど、治療速度が速く、より良い効果が期待できます。月齢による効果の差はありますが、体位変換やタミータイムの指導により1ヶ月で大幅に改善したケースもありました。
治療前後の比較データはご家族に大変喜ばれ、私たちの取り組みが患者さんへのアドバイスの幅を広げたと感じています。開業医として、これは非常に喜ばしいことです。
3D画像の測定結果と治療経過表示画面は非常に説得力があり、患者さんの満足度向上に貢献しています。治療を受けるか否かの判断材料としても有用で、改善が見られない場合は治療を検討するといった説明も可能になるため、非常に役立つツールだと考えています。
親御さんへのメッセージをお願いします
4ヶ月健診などで、お子様の頭の形や容姿についてご相談いただくことは珍しくありません。お子様の大切な頭の形について心配されるのは、親として当然のことだと考えております。
頭の歪みの程度や治療の必要性について、また、漠然としたご相談でも構いませんので、どうぞお気軽にご来院ください。
頭の形の計測を通じて、お子様一人ひとりに合わせた適切なアドバイスをさせていただきます。丁寧にお話を伺いますのでお気軽にご相談ください。
ヘルメット治療について
治療の流れ
問診・診療を行い、3Dカメラで赤ちゃんの頭を撮影します
費用
33万円(税込)
診察日時
ご予約の際にはあらかじめ受付へご連絡をお願いします。
予約
電話にて予約を受け付けております。
相談窓口

アクセス
電車・バスでお越しの方: 大窪西[南山王口] 徒歩3分
お車でお越しの方: 甲賀市松尾交差点から国道307号線で約10分
