公開日2025年6月18日

舞鶴の小児科医小松先生が語る頭の形治療―地域医療への使命感から始めたヘルメット治療とは

独立行政法人国立病院機構 舞鶴医療センター
小松 博史先生
「舞鶴医療センター」は京都府北部の皆さまの健康を守る地域の中核病院として様々な健康課題にお応えできるよう、脳血管疾患、精神医療、成育医療などの専門分野に力を入れ、小児科では、循環器、代謝内分泌、血液悪性腫瘍、腎臓病、神経、アレルギー、発達など幅広い専門外来で、一人ひとりに寄り添った医療を提供しています。今回は小松先生に、小児科を選んだきっかけや病院の特徴、ヘルメット治療についてお話を伺いました。

先生のご経歴を教えていただけますか

私は高知県出身で、浪人時代から京都市で過ごし、 京都府立医大を卒業しました。卒業後すぐに小児科の医局に入り、1年間大学で研修医として勤務した後、福井愛育病院で2年間経験を積みました。その後大学に戻って1年間修練し、大学院で4年間 学びました。 大学院4年目の秋からは大津市民病院で3年半勤務し、京都第一赤十字病院の新生児科で5年間、一般小児科で4年間働き、18年前に現在の病院に着任しました。

医師を目指したきっかけはありますか

医師を目指したきっかけは、実はあまり明確ではありませんでした。高校時代は物理系が好きで、小学校の時に見たアポロ11号の月面着陸に衝撃を受けロケットなどの分野に進もうと考えていたのですが、ある知り合いの方との会話がきっかけで興味を持ちました。 また、父がサラリーマンだったこともあり、「サラリーマンは窮屈だな」という思いと、「直接的な社会貢献ができる職業に就きたい」という気持ちがありました。この3つの要素が重なって、医師の道を選びました。

小児科を選んだ理由はありますか

小児科を選んだ理由は、当時の小児科の教授がとても魅力的な方だったことと、学生時代の実習で神経難病などを見るのがつらく、「治る病気を診たい」 と思ったからです。小児科の教授の先生は、ズバズバ言うけれど、あっさりしていて、子供が好きなのが伝わってくる、人柄の良い先生でした。

病院の特徴はありますか

当院を含む舞鶴市内には3つの病院がありそれぞれ戦後の歴史的背景を持っています。舞鶴医療センターは元海軍病院で旧満州やシベリアからの引揚者を受け入れた歴史があり、共済病院も海軍関係で船の修理などに従事する労働者のための病院でした。日赤は住民の要望で建てられた病院です。

これらの病院が分散している影響で、内科・外科といった基幹科目が分散してしまい、各病院では人員不足という課題があります。 一方で、当院では脳神経関係、精神医療、周産期医療の3本柱に特化しており、これらの分野では充実した体制を整えています。 小児科の診療圏は非常に広く、東は小浜、西は丹後半島全域、南は福知山までをカバーしています。 特にNICU(新生児集中治療室)については、厚生労働省認可のNICUとして京阪神以北では当院のみが運営しており、地域の新生児医療の中核的役割を担っています。

診療で心がけていることはありますか

診察では、できるだけ子供に直接話しかけることを心がけています。どんなに小さな子供でも、言葉を理解していないように見えても、子供に向かって話しかけるよう心がけています。

ヘルメット治療を始めたきっかけは何ですか

ヘルメット治療を始めたきっかけは、ヘルメット治療について情報を得る機会があったことです。昔は治療対象ではなかった分野だったので、ヘルメット治療の導入に関して迷いはありました。しかし、福井県嶺南地域、若狭地方、丹後地方を含めても、まだこの治療を行っている施設がないということで、「当院がやらなければならない」という使命感から始めました。

ヘルメット治療の反応はどうでしたか

治療を開始してから、頭の形に関する相談が想像以上に多いことに驚きました。これまで聞かれなかった質問も受けるようになり、多くの保護者の方が悩んでいたものの、相談先がなかったのだと実感しました。

診療の流れを教えてください

現在、頭の形の相談については一般外来で受け入れています。まずノギスで測定し、3Dスキャンでデータを解析します。最短30分で結果が出るので、保護者の方と相談しながら治療方針を決めています。写真撮影は、母親に抱っこしてもらいながら、写真を複数枚撮ります。

受診のタイミングはいつが良いでしょうか

受診のタイミングは、将来的には1か月健診や3~4 か月健診の際に、治療法の存在を周知し気になった時点で気軽に相談していただければと思います。

読者の方へのメッセージをお願いします

医療機関にかかることをハードルが高いと感じている方もいらっしゃるかもしれませんが、頭の形の相談を含めて、小児科医としては気軽にかかっていただいて構いません。普段の子育てのことや心配事を相談しながら医師との人間関係を積み重ねていただければ、お互いにとって良い関係が築けると思います。

ヘルメット治療について

治療の流れ

ノギスで測定し、3Dスキャンでデータを解析します。 最短30分で結果が出るので、 保護者の方と相談しながら治療方針を決めています。

費用

33万円(税込)

診察日時

月曜日~金曜日 小児科が開院時間帯

予約

電話にて予約を受け付けております。 一般の枠でのご来院も受け付けております。

相談窓口

0773-62-2680

アクセス

電車・バスでお越しの方: JR東舞鶴駅下車より徒歩16分

お車でお越しの方: 舞鶴自勤車道「舞鶴東インター」を降りて西へ約5分

公開日2025年6月18日

舞鶴の小児科医小松先生が語る頭の形治療―地域医療への使命感から始めたヘルメット治療とは

独立行政法人国立病院機構 舞鶴医療センター
小松 博史先生
「舞鶴医療センター」は京都府北部の皆さまの健康を守る地域の中核病院として様々な健康課題にお応えできるよう、脳血管疾患、精神医療、成育医療などの専門分野に力を入れ、小児科では、循環器、代謝内分泌、血液悪性腫瘍、腎臓病、神経、アレルギー、発達など幅広い専門外来で、一人ひとりに寄り添った医療を提供しています。今回は小松先生に、小児科を選んだきっかけや病院の特徴、ヘルメット治療についてお話を伺いました。

先生のご経歴を教えていただけますか

私は高知県出身で、浪人時代から京都市で過ごし、 京都府立医大を卒業しました。卒業後すぐに小児科の医局に入り、1年間大学で研修医として勤務した後、福井愛育病院で2年間経験を積みました。その後大学に戻って1年間修練し、大学院で4年間 学びました。 大学院4年目の秋からは大津市民病院で3年半勤務し、京都第一赤十字病院の新生児科で5年間、一般小児科で4年間働き、18年前に現在の病院に着任しました。

医師を目指したきっかけはありますか

医師を目指したきっかけは、実はあまり明確ではありませんでした。高校時代は物理系が好きで、小学校の時に見たアポロ11号の月面着陸に衝撃を受けロケットなどの分野に進もうと考えていたのですが、ある知り合いの方との会話がきっかけで興味を持ちました。 また、父がサラリーマンだったこともあり、「サラリーマンは窮屈だな」という思いと、「直接的な社会貢献ができる職業に就きたい」という気持ちがありました。この3つの要素が重なって、医師の道を選びました。

小児科を選んだ理由はありますか

小児科を選んだ理由は、当時の小児科の教授がとても魅力的な方だったことと、学生時代の実習で神経難病などを見るのがつらく、「治る病気を診たい」 と思ったからです。小児科の教授の先生は、ズバズバ言うけれど、あっさりしていて、子供が好きなのが伝わってくる、人柄の良い先生でした。

病院の特徴はありますか

当院を含む舞鶴市内には3つの病院がありそれぞれ戦後の歴史的背景を持っています。舞鶴医療センターは元海軍病院で旧満州やシベリアからの引揚者を受け入れた歴史があり、共済病院も海軍関係で船の修理などに従事する労働者のための病院でした。日赤は住民の要望で建てられた病院です。

これらの病院が分散している影響で、内科・外科といった基幹科目が分散してしまい、各病院では人員不足という課題があります。 一方で、当院では脳神経関係、精神医療、周産期医療の3本柱に特化しており、これらの分野では充実した体制を整えています。 小児科の診療圏は非常に広く、東は小浜、西は丹後半島全域、南は福知山までをカバーしています。 特にNICU(新生児集中治療室)については、厚生労働省認可のNICUとして京阪神以北では当院のみが運営しており、地域の新生児医療の中核的役割を担っています。

診療で心がけていることはありますか

診察では、できるだけ子供に直接話しかけることを心がけています。どんなに小さな子供でも、言葉を理解していないように見えても、子供に向かって話しかけるよう心がけています。

ヘルメット治療を始めたきっかけは何ですか

ヘルメット治療を始めたきっかけは、ヘルメット治療について情報を得る機会があったことです。昔は治療対象ではなかった分野だったので、ヘルメット治療の導入に関して迷いはありました。しかし、福井県嶺南地域、若狭地方、丹後地方を含めても、まだこの治療を行っている施設がないということで、「当院がやらなければならない」という使命感から始めました。

ヘルメット治療の反応はどうでしたか

治療を開始してから、頭の形に関する相談が想像以上に多いことに驚きました。これまで聞かれなかった質問も受けるようになり、多くの保護者の方が悩んでいたものの、相談先がなかったのだと実感しました。

診療の流れを教えてください

現在、頭の形の相談については一般外来で受け入れています。まずノギスで測定し、3Dスキャンでデータを解析します。最短30分で結果が出るので、保護者の方と相談しながら治療方針を決めています。写真撮影は、母親に抱っこしてもらいながら、写真を複数枚撮ります。

受診のタイミングはいつが良いでしょうか

受診のタイミングは、将来的には1か月健診や3~4 か月健診の際に、治療法の存在を周知し気になった時点で気軽に相談していただければと思います。

読者の方へのメッセージをお願いします

医療機関にかかることをハードルが高いと感じている方もいらっしゃるかもしれませんが、頭の形の相談を含めて、小児科医としては気軽にかかっていただいて構いません。普段の子育てのことや心配事を相談しながら医師との人間関係を積み重ねていただければ、お互いにとって良い関係が築けると思います。

ヘルメット治療について

治療の流れ

ノギスで測定し、3Dスキャンでデータを解析します。 最短30分で結果が出るので、 保護者の方と相談しながら治療方針を決めています。

費用

33万円(税込)

診察日時

月曜日~金曜日 小児科が開院時間帯

予約

電話にて予約を受け付けております。 一般の枠でのご来院も受け付けております。

相談窓口

0773-62-2680

アクセス

電車・バスでお越しの方: JR東舞鶴駅下車より徒歩16分

お車でお越しの方: 舞鶴自勤車道「舞鶴東インター」を降りて西へ約5分