公開日2026年3月25日
神奈川県藤沢市の向きぐせ外来|かるがも藤沢クリニック

この記事では、先生が日々の診療で大切にしている考え方を中心にご紹介します。
赤ちゃんの頭の形やヘルメット治療について詳しく知りたい方は、あわせてご覧ください。
先生のご経歴を教えてください
杏林大学医学部を卒業後、神奈川県内の病院での勤務を経て、クリニックを開業しました。医師を目指したきっかけを一言で表現するのは難しいのですが、総合内科医としての知識を活かせること、そして地域に根差した開業医として活動したいという思いがあったからです。
子どもを単なる「患者」として捉えるのではなく、「一人の人間」として向き合うことを重要視しています。病気そのものだけでなく、その子自身、そしてその家族全体を包括的に診ることを大切にしたいと考えています。
クリニックの特徴を教えてください
当クリニックでは、「飲んで、食べられて、寝られて、遊べる」という、お子さんの健やかな成長の土台を築くことを重視しています。この目標の実現のため、保険診療に加えて、離乳食教室や身体の使い方に関するクラスなど、多岐にわたる活動を展開しています。
医師、看護師、助産師、理学療法士といった多様な専門職が連携し、親子を総合的にサポートすることを目指しています。「ごはん外来」や「発達とこころの外来」などは、まさにこうした総合的な支援体制の一例です。
診療においては、「不必要な介入はしない」という姿勢を大切にしています。お子さんが本当に困っていることは何かを親御さんと共に考え、薬が必要のない病気の場合には、お子さん自身の持つ育つ力を見守ることを重視し、親御さんにもその点を考慮していただくよう心がけています。
向きぐせ外来を始めたきっかけは何だったのでしょうか
向きぐせ外来は、赤ちゃんの「反りぐせ」や「運動発達」に向きぐせが強い影響を与えているという実感からスタートしました。病気ではない場合でも、向きぐせを改善することは、「うまく食べられない」「ぐっすり眠れない」といった乳幼児の問題を防ぐために非常に重要です。生後半年頃まで、つまり離乳食開始までに、左右の非対称性を解消することを目標としています。
医学的なフォローが必要な子どもたちに対し、病気ではない段階でも早期に介入することで、その後の発達段階で良いスタートが切れるよう支援したいと考えています。
初診時の流れと診療方針について教えてください
当クリニックでは、「頭の形外来」ではなく「向きぐせ外来」として、お子さんの健やかな発達を根本からサポートしています。
ヘルメット治療を初診のお子さんにすぐにおすすめすることは基本的にありません。重度の斜頭の場合にのみ治療の検討をお話ししますが、すぐに始める方が多いわけではありません。
ヘルメット治療は、お子さんの今の状態という「結果」に対して行うものであり、その「結果」をもたらした根本的な原因に目を向けることが重要だと考えています。根本的な原因(身体の使い方など)を改善しないままヘルメット治療を行っても、あまりうまくいかないという考えから、まずは理学療法的なアプローチに注力しています。ヘルメット治療は、あくまで選択肢の一つです。
向きぐせ外来では、お子さんの向きぐせや反りぐせ、運動発達の状況を診察し、それを解消するための具体的な運動発達を促す遊びや日々の関わりを提案します。薬の処方はなく、通院いただく中で、ご家族にお子さんの身体を動かすことの重要性を納得していただき、ご自宅で実践してもらうという地道な繰り返しで診療を行っています。
ご家庭で実践いただいた結果、2〜3週間後には赤ちゃんに変化が現れることが多いです。生後2ヶ月頃から通っていただき、頭の形の変形が進む前に、真ん中を見る時間やうつ伏せの時間を長くするなど、発達を促すことで、変形がひどくなるのを防ぐ予防的な取り組みを行っています。
さらに、抱っこ紐の種類や使い方、抱っこのポジション、お母さんの身体の状態(抱っこした時に手などに痛みがないか)まで、育児の環境全体を詳細に観察し、生活全体の評価も重視しています。向きぐせは、多くの場合、特定の向きで寝かされているなど、育児環境に起因します。昔のように大人みんなで育児をすることが難しい現代において、お子さんの問題を解決するためには、暮らし全体を見直す視点が不可欠だと考えています。
当クリニックの診療は、お子さん一人ひとりに深く関わるため、非常に手間と時間がかかり、効率が悪いと感じられるかもしれません。しかし、私たちにとって最も大事にしたいのは、お子さんの発達の根本的な部分への関わりであり、そこに注力して診療を行っています。
ヘルメット治療に関してはどのように考えていますか?
ヘルメット治療は、「向きぐせ外来」での最終的な選択肢の一つです。
特に斜頭の場合、適切な月齢で開始すれば、良い変化が得られる傾向にあると思います。実際にこの治療を行うことで、親御さんの大きな悩みを解決できる有効な手段であることを実感しています。ヘルメット治療をするかどうか大変迷われることが多いと思いますが、その迷いを肯定的な決断へと導けるようサポートしています。
治療過程でも、理学療法の手を緩めることはありません。頭の形は結果であり、タミータイムの実施状況や、お子さんの発達段階に合わせた運動指導をヘルメット治療終了まで継続します。長期にわたって関われるため、治療経過も把握しやすいことも利点です。
初診を受ける月齢の目安を教えてください
向きぐせ外来は、担当医が月曜日か金曜日の午前に2枠を設けて診療しています。予約枠は変動する可能性があるため、事前にお電話での問い合わせをお願いしています。
小児科は「気になった時に来る場所」であり、些細なことでも遠慮なく受診していただきたいと考えています。受診の具体的なサインとして、「片方の手しか舐めない」「うつ伏せを嫌がる」など、客観的に分かりやすい指標をホームページに記載しています。
最適な介入時期は生後2〜3ヶ月頃からで、2ヶ月のワクチン接種時の無料健診で向きぐせや反りぐせが判明することが多く、その時点で親御さんと問題意識を共有するようにしています。親御さんが積極的に関わることで、お子さんの変化が見込めます。
当クリニックには理学療法士が在籍しており、ヘルメット治療と並行してリハビリテーションも受診可能です。特に基礎疾患があるお子さんに対しては、ヘルメット治療と運動発達のサポートを連携して実施しています。医師が診察可能な範囲で対応し、理学療法士の介入が必要と判断した場合は、リハビリテーションへ引き継ぎます。
読者の方へのメッセージをお願いします
赤ちゃんの頭の形についてご相談いただく際は、まずヘルメット治療の開始可否ではなく、「赤ちゃんが何に困っているのか」を専門家と一緒に見極めることが重要です。
頭の形自体で日常生活に大きな不都合を感じている赤ちゃんは少なく、ごく稀な最重症例を除き、頭の出っ張りが邪魔になるなどのケースは多くありません。
重要なのは、現時点でできることは何かをその都度考えていくことです。心配なことがあっても、一人で抱え込まず、理学療法を含めて総合的に診られる適切な施設に相談することが当クリニックの強い願いです。
赤ちゃんは変化が非常に早く、初診からわずか数週間で「抱っこが楽になった」「泣かなくなってきた」など、親御さんの表情が変わるほどの変化が見られることも少なくありません。この早い変化に応じて、次なる見通しを持って、その時点で最適な対応(理学療法か、ヘルメット治療か否かなど)を考えることが大切です。
当クリニックでは、治療の選択肢を提示しつつ、言葉を話せない赤ちゃんに代わって「今、赤ちゃんがどういう状態か」を代弁する役割を担い、その上で、理学療法のみで進めるか、ヘルメット治療を行うか否かについて、ご家族とよく話し合います。一人で悩んでいても解決しないことが多いので、少しでも気になることがあれば、まずはお問い合わせ・ご相談にお越しください。
ヘルメット治療について
治療の流れ
初診では、お子さんの向きぐせや反りぐせ、運動発達の状況を診察し、それを解消するための 具体的な運動発達を促す遊びや日々の関わりを提案します。
費用
診療時にご説明します
診察日時
月・金 9:30~12:30
予約
電話にて予約を受け付けております。
相談窓口

アクセス
電車・バスでお越しの方:藤沢駅 下車 徒歩2分
お車でお越しの方:藤沢ICから車で約17分
