公開日2025年6月12日

頭の形のケアに治療の選択肢を―しおはたファミリークリニックの頭の形相談とヘルメット治療

しおはたファミリークリニック
塩畑 健先生
2024年7月に開院した「しおはたファミリークリニック」は、子どもたちの診療を中心に行いながら、そのご家族にとっても身近な存在でありたいという思いをクリニック名に込めています。院長の塩畑先生は、小児の一般診療はもちろん、腹部疾患に関する豊富な経験をお持ちです。特に子どもに多いおなかの症状に対しては、積極的に腹部超音波検査を取り入れ、重篤な疾患の早期発見・鑑別に努めています。今回は塩畑先生に、小児科を志したきっかけや、クリニックに込めた想い、そしてヘルメット治療についてお話を伺いました。

先生のこれまでのご経歴について簡単にお伺いできますか?

岩手県の沿岸部にある大船渡病院で初期臨床研修を行いました。その後、岩手医科大学に移り、社会人大学院制度を利用して、働きながら大学院に通いました。岩手医大の小児科の医局に所属し、県内のさまざまな病院で勤務しました。八幡平市立病院(当時の西根病院)に内科医として2年間勤務した経験もあります。小児科医でありながら、成人の胃カメラや大腸カメラ、エコーなどの検査も一通り習得しました。その後、再び岩手医大の小児科に戻り、小児消化器を専門として診療を行ってきました。そして2024年の7月、しおはたファミリークリニックを開院しました。


医師を目指されたきっかけや小児科を選ばれた理由をお聞かせいただけますか?

弟の存在が大きなきっかけです。弟は生まれつき腸の難病があり、私が小学校低学年の頃に1歳10ヵ月で亡くなりました。生涯のほとんどを入院して過ごし、家に帰ってこられたのはたった1、2日だけでした。病院で弟が亡くなった時、心臓マッサージを受けている光景を見て、医師になろうと決意しました。

私が日焼けでひどい水膨れをつくってしまった時に、弟の主治医の先生が病院の廊下で水を抜いてくれました。小児科医を目指したのは、その時に先生が言ってくれた「小児科医になりなよ」という言葉がずっと心に残っていたからです。大学生になって小児科学の授業を受けた時、その先生が教えてくださっていたことに驚きました。十数年後に再会できたことが、本当に嬉しかったです。


このクリニックをどんな場所にしていきたいとお考えですか?

開院したときにスタッフの皆さんにも話したのですが、クリニックの理念は特に掲げてはいません。ただ、自分の家族を安心して通わせたいと思えるようなクリニックにしていこうと、それだけは皆さんに伝えました。理念らしい理念はないかもしれませんが、その気持ちがベースにあります。


院内でこだわっている設備や工夫されていることはありますか?

お腹の症状を訴えてくるお子さんに対しては、積極的にエコー検査を行うようにしています。例えば便秘にしても、適切な管理をするにはエコーなどの視覚的な情報が必要だと思っています。排便日誌をつけてもらいながら、都度、直腸の状態をエコーで確認して、具体的にお伝えするようにしています。薬を出すだけでなく、しっかりとモニタリングしながら対応したいという思いがあります。

また、レントゲン設備も導入しました。肺炎が疑わしい時など、身体所見だけでは判断が難しいケースもありますので、検査の選択肢があることは大切だと感じています。


診察のときに心がけていることはありますか?

自分ではあまり意識していなかったのですが、最近スタッフとお花見をしたときに教えてもらったことがあります。診察のときに、患者さんが入ってくると「お願いします」と自然に口にしているらしいんです。それを聞いたスタッフが、「それはすごくいい口癖ですよ」と言ってくれて。診させていただくという姿勢が伝わるし、実際先生もそう思ってるんでしょうと。

それを言われてから、確かに自分でも自然に言っていることに気がつきました。診療って、患者さんが「診てもらいたい」と来てくださるものですから、診させていただくという気持ちは大事にしたいですね。

自分のクリニックを選んで来てくださるというのは、信頼していただいている証です。もちろん、全員がそうとは限らないでしょうけれど、そうでなければ2回目、3回目は来てもらえないですからね。その感覚は忘れないようにしたいと思っています。


頭の形を診るようになったきっかけを教えていただけますか?

特に大きなきっかけがあったわけではないんですが、ご相談を受けることもたまにあり、その度に「縦抱きの時間が増えれば自然と良くなるかも」や「向き癖に気を付けてね」と、一般的なアドバイスをする程度でした。

ただ、2018年に神奈川に1年間留学した際、いろいろな場所で頭の形に関するケアを見かけました。その経験を通じて、この分野の治療選択肢があることを知り、患者さんのニーズにお応えするため、当院でも対応できるよう準備を進めました。


初診時の流れについて教えてください。

当院ではまず感染症以外の患者さん用の診察室にご案内します。保護者の方からご希望があれば、看護師がその場で頭の形を測定するための撮影を行います。その後、Berry(ヘルメットのメーカー)にデータを送り、結果の画面をご家族と確認しながら、ヘルメットの適応について一緒に考えていきます。


頭の形の相談をしたい場合、どのように予約すればいいですか?

当院では診察予約は患者さんがオンラインで取っていただく形式をとっていますが、頭の形のご相談の場合は、お電話でのご予約をお願いしております。


頭の形が気になると思ったとき、いつ頃受診するのが良いのでしょうか?

一般的に、首がしっかり座る頃から生後3〜6ヶ月くらいの時期に相談いただくことが多いです。治療を検討される場合も、この時期が最も多くなっています。

ヘルメット治療を行う場合は、頭の形をスキャンし、その状態を元にヘルメットをオーダーメイドで作製します。治療効果や期間については個人差がありますが、早期の治療開始が推奨されています。


読者の方へメッセージをお願いします

この記事をご覧いただいている方は、お子さんの頭の形について関心をお持ちのことと思います。ご心配な点がおありの場合は、一度ご相談いただければと思います。話すことで気持ちが軽くなることもたくさんあると思います。当院では、頭の形に関するご相談をはじめ、小児の一般診療や腹部疾患など、専門的な診療を行っております。些細なことでも構いませんので、お気軽にご相談ください。


ヘルメット治療について

治療の流れ

診察して、必要があればすぐ撮影という流れになります。 初診時は1-2時間かかることもあります。 お時間に余裕をもって来院してください。

費用

スタッフまでお問い合わせください。

診察日時

お電話いただいた際に調整させていただきます。

予約

お電話でのご予約をお願いしております。

相談窓口

019-656-7339

アクセス

電車・バスでお越しの方: バス:盛岡バスセンター停留所下車徒歩1分

お車でお越しの方: monaka駐車場および提携駐車場は、 診療時間に応じて最大2時間まで無料になります。

公開日2025年6月12日

頭の形のケアに治療の選択肢を―しおはたファミリークリニックの頭の形相談とヘルメット治療

しおはたファミリークリニック
塩畑 健先生
2024年7月に開院した「しおはたファミリークリニック」は、子どもたちの診療を中心に行いながら、そのご家族にとっても身近な存在でありたいという思いをクリニック名に込めています。院長の塩畑先生は、小児の一般診療はもちろん、腹部疾患に関する豊富な経験をお持ちです。特に子どもに多いおなかの症状に対しては、積極的に腹部超音波検査を取り入れ、重篤な疾患の早期発見・鑑別に努めています。今回は塩畑先生に、小児科を志したきっかけや、クリニックに込めた想い、そしてヘルメット治療についてお話を伺いました。

先生のこれまでのご経歴について簡単にお伺いできますか?

岩手県の沿岸部にある大船渡病院で初期臨床研修を行いました。その後、岩手医科大学に移り、社会人大学院制度を利用して、働きながら大学院に通いました。岩手医大の小児科の医局に所属し、県内のさまざまな病院で勤務しました。八幡平市立病院(当時の西根病院)に内科医として2年間勤務した経験もあります。小児科医でありながら、成人の胃カメラや大腸カメラ、エコーなどの検査も一通り習得しました。その後、再び岩手医大の小児科に戻り、小児消化器を専門として診療を行ってきました。そして2024年の7月、しおはたファミリークリニックを開院しました。


医師を目指されたきっかけや小児科を選ばれた理由をお聞かせいただけますか?

弟の存在が大きなきっかけです。弟は生まれつき腸の難病があり、私が小学校低学年の頃に1歳10ヵ月で亡くなりました。生涯のほとんどを入院して過ごし、家に帰ってこられたのはたった1、2日だけでした。病院で弟が亡くなった時、心臓マッサージを受けている光景を見て、医師になろうと決意しました。

私が日焼けでひどい水膨れをつくってしまった時に、弟の主治医の先生が病院の廊下で水を抜いてくれました。小児科医を目指したのは、その時に先生が言ってくれた「小児科医になりなよ」という言葉がずっと心に残っていたからです。大学生になって小児科学の授業を受けた時、その先生が教えてくださっていたことに驚きました。十数年後に再会できたことが、本当に嬉しかったです。


このクリニックをどんな場所にしていきたいとお考えですか?

開院したときにスタッフの皆さんにも話したのですが、クリニックの理念は特に掲げてはいません。ただ、自分の家族を安心して通わせたいと思えるようなクリニックにしていこうと、それだけは皆さんに伝えました。理念らしい理念はないかもしれませんが、その気持ちがベースにあります。


院内でこだわっている設備や工夫されていることはありますか?

お腹の症状を訴えてくるお子さんに対しては、積極的にエコー検査を行うようにしています。例えば便秘にしても、適切な管理をするにはエコーなどの視覚的な情報が必要だと思っています。排便日誌をつけてもらいながら、都度、直腸の状態をエコーで確認して、具体的にお伝えするようにしています。薬を出すだけでなく、しっかりとモニタリングしながら対応したいという思いがあります。

また、レントゲン設備も導入しました。肺炎が疑わしい時など、身体所見だけでは判断が難しいケースもありますので、検査の選択肢があることは大切だと感じています。


診察のときに心がけていることはありますか?

自分ではあまり意識していなかったのですが、最近スタッフとお花見をしたときに教えてもらったことがあります。診察のときに、患者さんが入ってくると「お願いします」と自然に口にしているらしいんです。それを聞いたスタッフが、「それはすごくいい口癖ですよ」と言ってくれて。診させていただくという姿勢が伝わるし、実際先生もそう思ってるんでしょうと。

それを言われてから、確かに自分でも自然に言っていることに気がつきました。診療って、患者さんが「診てもらいたい」と来てくださるものですから、診させていただくという気持ちは大事にしたいですね。

自分のクリニックを選んで来てくださるというのは、信頼していただいている証です。もちろん、全員がそうとは限らないでしょうけれど、そうでなければ2回目、3回目は来てもらえないですからね。その感覚は忘れないようにしたいと思っています。


頭の形を診るようになったきっかけを教えていただけますか?

特に大きなきっかけがあったわけではないんですが、ご相談を受けることもたまにあり、その度に「縦抱きの時間が増えれば自然と良くなるかも」や「向き癖に気を付けてね」と、一般的なアドバイスをする程度でした。

ただ、2018年に神奈川に1年間留学した際、いろいろな場所で頭の形に関するケアを見かけました。その経験を通じて、この分野の治療選択肢があることを知り、患者さんのニーズにお応えするため、当院でも対応できるよう準備を進めました。


初診時の流れについて教えてください。

当院ではまず感染症以外の患者さん用の診察室にご案内します。保護者の方からご希望があれば、看護師がその場で頭の形を測定するための撮影を行います。その後、Berry(ヘルメットのメーカー)にデータを送り、結果の画面をご家族と確認しながら、ヘルメットの適応について一緒に考えていきます。


頭の形の相談をしたい場合、どのように予約すればいいですか?

当院では診察予約は患者さんがオンラインで取っていただく形式をとっていますが、頭の形のご相談の場合は、お電話でのご予約をお願いしております。


頭の形が気になると思ったとき、いつ頃受診するのが良いのでしょうか?

一般的に、首がしっかり座る頃から生後3〜6ヶ月くらいの時期に相談いただくことが多いです。治療を検討される場合も、この時期が最も多くなっています。

ヘルメット治療を行う場合は、頭の形をスキャンし、その状態を元にヘルメットをオーダーメイドで作製します。治療効果や期間については個人差がありますが、早期の治療開始が推奨されています。


読者の方へメッセージをお願いします

この記事をご覧いただいている方は、お子さんの頭の形について関心をお持ちのことと思います。ご心配な点がおありの場合は、一度ご相談いただければと思います。話すことで気持ちが軽くなることもたくさんあると思います。当院では、頭の形に関するご相談をはじめ、小児の一般診療や腹部疾患など、専門的な診療を行っております。些細なことでも構いませんので、お気軽にご相談ください。


ヘルメット治療について

治療の流れ

診察して、必要があればすぐ撮影という流れになります。 初診時は1-2時間かかることもあります。 お時間に余裕をもって来院してください。

費用

スタッフまでお問い合わせください。

診察日時

お電話いただいた際に調整させていただきます。

予約

お電話でのご予約をお願いしております。

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電車・バスでお越しの方: バス:盛岡バスセンター停留所下車徒歩1分

お車でお越しの方: monaka駐車場および提携駐車場は、 診療時間に応じて最大2時間まで無料になります。