公開日2026年4月27日
岐阜県郡上市の頭のかたち外来|郡上こどもと地域のクリニック

この記事では、先生が日々の診療で大切にしている考え方を中心にご紹介します。
赤ちゃんの頭の形やヘルメット治療について詳しく知りたい方は、あわせてご覧ください。
先生のご経歴を教えてください
私は岐阜県出身で、自治医科大学の医学部を卒業後、岐阜県総合医療センターで初期研修を積み、その後は郡上市和良町や高山市久々野町などで地域医療・へき地医療に携わりました。
地域を回りながらも、岐阜県総合医療センターの小児科や高山赤十字病院の小児科で研修を続け、小児科の知識と経験を少しずつ積み上げていきました。地域の方々に支えていただきながら、へき地や地域医療を通じて、患者さんの暮らしに寄り添う医療の大切さを肌で感じた時期でした。
医師8年目には岐阜県総合医療センターに戻り、小児科・小児循環器内科・新生児科(NICU)での後期研修を経て、集中医療や先端医療を学びました。そして2020年からは、その経験を活かして郡上市の病院に異動し、救急医療と地域医療の両方を担ってきました。
医師を目指したきっかけは何だったのでしょうか
幼い頃から医師への憧れはありましたが、決定的だったのは、身近にいる怪我をした人や病気の人を前にして「何もできない」という悔しさを感じた経験です。その時の気持ちが、医師を目指す原動力になったと思っています。
小児科を選んだのは、子どもが好きだったからです。また、一つの専門分野に特化するよりも、幅広く診られる医師でありたいという思いもありました。小児科医は子どもに関わるあらゆることを診る、という姿勢に共感し、その道に進みました。
開業したきっかけを教えてください
2024年5月に「郡上こどもと地域のクリニック」を開院しました。
もともと郡上市内に長年地域を支えてきた小児科クリニックがありましたが、先生がご高齢になられ、閉院されることになりました。そのクリニックは郡上市で唯一の小児科クリニックでした。中心部にはまだたくさんの子どもたちがいる中で、小児科がなくなるというのは地域にとって大きな痛手です。
同じ場所で新たに開院するという形で、地域の小児医療を継続させることを決意しました。地域に必要とされているからこそ、踏み出した決断です。
クリニックの特徴を教えてください
当クリニックの大きな特徴は、小児科に加えて「総合診療」も軸に置いていることです。子どもを支えている親御さんやおじいちゃん・おばあちゃん、大人の方も一緒に診ることで、地域全体を支えていきたいと考えています。
お子さんと一緒に来られた保護者の方の相談に乗ることはもちろん、大人の方だけでご来院いただいても構いません。ちょっとした怪我や皮膚トラブルなど、日常の診療は基本的に対応可能です。まず気軽に相談できるかかりつけの場所として活用していただければと思っています。
診察時に大切にしていることは何でしょうか
診察の中で心がけていることが二つあります。
一つは、電子カルテの入力で画面を見ることも多くなりがちですが、必ずお子さんや親御さんの顔を見て診察するということです。
もう一つは、目の前の症状だけを見るのではなく、その背景にある家庭環境や地域の事情、普段の生活まで含めて考えながら診ることです。丁寧にお話を伺い、症状の裏にある文脈を理解することで、より良い治療の選択肢が見えてくると考えています。
頭のかたち外来を始めたきっかけを教えてください
クリニックを開院する以前から、赤ちゃんの頭のかたちに関する相談を受けることが少なくありませんでした。当時、ヘルメット治療を行っている医療機関は非常に少なく、近隣の岐阜市内にしかなかったり、予約が大変混雑していたりという状況で、ご家族の負担も大きいと感じていました。
その後、ヘルメット治療が普及し、3Dスキャンで計測できる機器も登場するなど、導入のハードルが下がってきました。
患者さんからのニーズもあり、郡上市でできないかと考えて学会や勉強会に参加し、知識を蓄えた上で体制を整え、頭のかたち外来を開設することを決めました。
初診時の流れを教えてください
初診は木曜・金曜の予約枠にて対応しています。
ご来院いただいたらまず外観での診察を行い、続いて3Dスキャンによる頭部の計測をします。解析結果を待つ間に、必要に応じてレントゲンで頭蓋骨の早期癒合などがないかを確認します。
問題がないことを確認した上で、頭の変形の種類やヘルメット治療についてご説明します。なお、初診は斜頭症または頭蓋骨早期癒合症の疑いとして保険診療で対応しています。
ヘルメット治療をするかどうかはその場ですぐに決断しなくてもよく、1週間程度ご家族でよく話し合われてから、最終のご判断をいただいています。
費用や治療期間についてはいかがでしょうか
ヘルメット治療の費用は33万円(税込)です。メンテナンスの費用は別途いただいておらず、この金額に含まれています。
治療期間は、首が座った3〜4ヶ月頃から開始した場合、おおよそ4〜6ヶ月が目安です。開始が少し遅くなった場合は半年以上かかることもあります。月に1回3Dスキャンで経過を確認し、ヘルメットのフィット具合などに細かいトラブルがあれば都度対応しています。
ヘルメット治療に関してはどのように考えていますか?
自然に頭のかたちが改善するケースもある中で、ヘルメットを装着すべきかどうか迷われる方は多いと思います。ただ、客観的な集計データを見ると、ヘルメットを装着した際に頭のかたちが改善したというエビデンスが複数出ています。(※)
適切なタイミングで適切な選択をしていただけるよう、正確な情報をお伝えすることを大切にしています。
ヘルメット治療の対象にならない場合や、治療を選択しない場合でも、向き癖の改善指導や、首が据わる前の赤ちゃんにはタミータイム(うつ伏せ練習)などのアドバイスをしています。
(※)参考論文:
Therapeutic Effectiveness of a Novel Cranial Remolding Helmet (baby band2) for Positional Plagiocephaly: A Multicenter Clinical Observational Study
読者の方へのメッセージをお願いします
頭のかたちが気になるようであれば、月齢に関わらず、まずはお気軽にご相談ください。3Dスキャンの計測やレントゲンをするかどうかは関係なく、相談だけでも構いません。
予約なしで通常の外来として受診していただき、「頭のかたちが気になっている」とご相談いただければ、その場で拝見した上で、必要であれば改めて頭のかたち外来として予約を取る流れにすることもできます。
ヘルメット治療をするかしないかより先に、まず正しい情報を受け取っていただくことが大切だと思っています。少しでもお悩みでしたら、どうぞお気軽に声をかけてください。
ヘルメット治療について
治療の流れ
初診時は外観での診察を行い、続いて3Dスキャンによる頭部の計測をします。 解析結果を待つ間に、必要に応じてレントゲンで頭蓋骨の早期癒合などがないかを確認します。 問題がないことを確認した上で、頭の変形の種類やヘルメット治療についてご説明します。
費用
33万円(税込)
診察日時
【初回相談】木・金曜日 14:30-15:00
予約
お電話もしくは窓口にて予約を受け付けております
相談窓口

アクセス
電車・バスでお越しの方:郡上高校前 下車 徒歩1分
お車でお越しの方:郡上八幡ICから車で約10分

