公開日2026年1月8日
京都府相模原郡の赤ちゃんのあたまのかたち外来|くわはらこどもクリニック

この記事では、先生が日々の診療で大切にしている考え方を中心にご紹介します。
赤ちゃんの頭の形やヘルメット治療に関する基本的な情報は、別記事でご覧いただけます。
先生のご経歴を教えていただけますか
私が医師を目指したのは高校生の時です。赤ちゃんが生まれるという、生命誕生の神秘に強い関心があったことがきっかけで、自然と産婦人科か小児科のどちらかを選びたいと考えていました。
最終的に小児科を選んだ決め手は、大学生の時に出会ったひとりの医師との出会いです。テレビ番組を通じてその先生のことを知り、直接会いに行って話を聞きました。当時、産婦人科と小児科が一体となった病院を開設されていた先生の姿を見て、「小児科医として、お産にも関わっていこう」と決めたのです。
医師になって最初の3年間は一般小児科医として働き、その後約10年間は新生児科医としてNICU(新生児集中治療室)で勤務しました。赤ちゃんに関わる医療に携わってきた期間は本当に長くなりますね。2002年には産婦人科の先生と共同開業し、10年間一緒に診療を行いました。この時期は、すべてのお産に立ち会い、赤ちゃんが生まれる前から親子に関わることができ、貴重な経験となりました。2012年、現在のくわはらこどもクリニックを開院しました。助産院を併設したのが大きな特徴です。生まれる前から産後の育児の時期までを通して、助産院と小児科が一体となって途切れることなく親子に関わっていける。これが当院の一番の強みだと考えています。
診療で大切にしていることを教えてください
特に小さなお子さんの場合、具体的に言葉で伝えられません。ですから、できるだけその子の立場になって考えたときに「どうして欲しいのか」ということを必ず考えた上で診療するようにしています。開業してからは赤ちゃんだけに携わっているわけではないので、ご家族の思いや考えをお聞きして、できるだけそれに沿えるような形で医療を提供しています。
病院の特徴を教えてください
当院の最大の強みは、助産院を併設しているため、妊娠から出産、そして出産後まで、一貫してサポートできる点です。
近年、少子化の影響もあり、全国的に助産院での出産は減少傾向にあります。当院も当初の想定よりは少ない出産数ですが、それでも助産院での出産を希望される方がいらっしゃいます。産後の入院中は、毎日私が赤ちゃんの診察を行っており、少なくとも生後1か月健診まで、私が赤ちゃんへの対応を行っています。すべてのお産に立ち会うことで、生まれた時から継続的に赤ちゃんを見守ることができるのも、当院ならではの特徴だと考えています。
頭の形外来を始めたきっかけを教えてください
実は、頭の形外来を始めたのは2025年の5月です。それまでは正直なところ、ヘルメット治療に対して懐疑的でした。「本当に必要なんだろうか」とずっと思っていました。
新生児科医として長年赤ちゃんに携わり、産婦人科医と共同で開業していた10年間も、一貫して赤ちゃんを診てきました。特に、母子同室・母乳育児を推進するクリニックでは、赤ちゃんを抱っこする機会が多かったためか、ヘルメット治療が必要なほどの頭の変形はほとんど経験しませんでした。しかし、外来では向き癖などによる明らかな頭の変形がある赤ちゃんを多く見てきました。そして、月齢が進んでも必ずしも頭の形が丸くならず、途中で改善が止まってしまうケースがあることにも気づいていました。
転機となったのは、小児科学会です。頭の形外来のセミナーに参加し、日本でも多くのデータが出始めていることを知りました。実際にお話を聞いて、「この内容だったら、こういうエビデンスがあるのなら、やる価値はあるな」と考え直したのです。こういった経緯で、当院でも頭の形外来を始めることにしました。
ヘルメット治療を始めてみていかがですか
ヘルメット治療に関する相談は予想以上に多く、特に生後1〜3ヶ月のまだ首が座っていない時期の赤ちゃんについて多く寄せられています。
私たちは、ヘルメット治療が必要になる前に、できるだけ多くの情報を提供し、向き癖対策などの予防法をお伝えしています。これは、治療が不要であることが最も望ましいと考えているためです。ヘルメットは目標としては1日20時間以上の装着を推奨しています。基本的にお風呂の時以外は寝る時も含めてつけておくという形です。予想外だったことは、赤ちゃんは装着をあまり嫌がらないことが多いです。頭に触れて気にしたり、窮屈に感じて嫌がるのではないかと予想していましたが、これまでのところ、治療を受けている赤ちゃんたちは特に嫌がることなく装着を続けてくれています。
親御さんの反応はいかがですか
皆さん、とても満足しておられると感じています、装着期間は3~4か月くらいなのですが、ヘルメットを着けている状態になじんでしまったのか、治療を終えてヘルメットを外すことになった時に、名残惜しいとおっしゃったお母さんもおられました。
改善しないケースはありますか
今のところ当院では経験はありません。ただ、開始した月齢によっては、改善のスピードが遅くなる可能性は指摘されています。
通常、当院の場合は3〜4ヶ月、首が座ったあたりで開始していますが、過去のデータでは7ヶ月くらいから始めても一定の効果が得られたケースもあるようです。頭の骨が固まり出す時期までに、治療を始めることが出来れば一定の効果が得られるだろうと考えます。治療そのものはお勧めしますが、予防の方法もありますから、気になった場合はできるだけ早めに一度受診していただいて、そこから始めていただきたいなと思っています。
読者の方へのメッセージをお願いします
乳児突然死症候群の予防のために仰向け寝が推奨されるようになって以来、頭の形の変形が問題視されるようになりました。以前はこれほど問題になることはなかったと記憶しています。うつぶせ寝をやめて仰向け寝が主流になったことで、このような変形が増加したと感じています。
予防的な観点からは、乳幼児期の健やかな成長をサポートするために、特定の要素を日々の遊びの中に意識的に取り入れることが非常に有効です。具体的には、「向き癖対策」と「タミータイム」が挙げられます。向き癖対策は、赤ちゃんの頭の形が偏るのを防ぐうえで重要です。例えば、寝かせるときに定期的に頭の向きを変えたり、特定の方向ばかり見ないように環境を工夫したりすることが含まれます。また、抱っこの仕方や授乳の姿勢も、向き癖に影響を与えるため、意識的に左右均等になるように配慮することが推奨されます。タミータイム(うつぶせ遊び)は、赤ちゃんが起きている時間に保護者の見守りのもと、うつぶせで過ごす時間のことです。この時間は、首や肩、背中の筋肉を強化し、寝返りやハイハイなどの運動発達を促す効果があるとされています。また、うつぶせになることで、これまでと異なる視覚情報が得られ、認知発達にも良い影響を与えます。最初は数分から始め、赤ちゃんの様子を見ながら徐々に時間を延ばしていくことが大切です。
このような時間を日々の生活の中に積極的に設けることで、赤ちゃんの運動機能の発達、身体能力の向上、そして全体的な健康促進に良い影響が期待できると考えています。これらの活動は、単なる「訓練」としてではなく、親子の触れ合いを深める楽しい遊びの一環として取り入れることが、赤ちゃんにとっても保護者にとっても、よりポジティブな経験となると思います。
ヘルメット治療について
治療の流れ
視診と触診を行います。病的変形の可能性が無ければ、 3Dカメラで赤ちゃんの頭を撮影し、ゆがみの重症度を評価します。
費用
33万円(税込)
診察日時
都度ホームページをご確認ください
予約
電話にて予約を受け付けております
相談窓口

アクセス
電車・バスでお越しの方: 精華台五丁目 徒歩5分
お車でお越しの方: 「畑ノ前公園前」の交差点を山手幹線に入り北進(精華町役場方面)
