公開日2025年12月12日
「生まれる前から小児期まで寄り添う」小児科医が実践するあかねこどもクリニックの頭のかたち外来とは

先生のご経歴を教えてください
鳥取大学医学部を卒業し、母校の産婦人科に入局しました。専門は周産期で、産科、新生児科、産科麻酔を習得しました。産婦人科医を取ると、すぐに千葉県の亀田総合病院に小児科医として就職しました。新生児専任の予定でしたが、2年目からは一般小児科も担当するようになり、その後、小児科開業となりました。開業して30年近くになります。現在も産科の方に携わっていて、関連する産科クリニックのお手伝いや、病院の産科の当直もしています。自分がお産を取った人が、実は頭のかたちが心配だと言って、当院の頭のかたち外来を受診して、母子手帳を見たら私の名前が書いてあったなんていうこともあります。生まれる前から生まれた直後、そして小児期まで、全て診ていけるというのが当院の特徴です。
医師を目指したきっかけは何だったのでしょうか
医師を志した動機、そして小児科を選択した背景には、兄の存在が大きく影響しています。兄が脳性麻痺による知的障害を持っていたため、兄と接する機会が多く、それが産科または小児科医を目指すきっかけとなりました。小児科医の重要な役割は、病気になってから治療するのではなく、病気にならないようにする「予防医療」に取り組むことだと考えています。特に、まだ病気になっていない乳幼児を診察することが多いため、この予防医療こそ小児科が注力すべき分野です。
クリニックの特徴と開業した経緯を教えてください
当院は、スキンケアによるアレルギー発症予防を特徴としています。通常診療に加え、頭のかたち外来で受診される患者様にも徹底したスキンケア指導を実施しており、ヘルメット治療終了後もオンライン診療で継続フォローしています。この取り組みの結果、1歳までに6〜7%の児が発症するとされる食物アレルギーが、当院ではほぼゼロという実績が出ています。ヘルメット治療だけでなく全身のスキンケアに注力しており、治療終了後も継続できる点も強みです。アレルギー予防効果に関する資料をご覧いただき、納得して継続されている患者様が多いです。病院組織にいた頃は、部長クラスの先輩医師たちから、治療方針について色々な視点に基づいた貴重な意見をもらうことができました。例えば、若い医師が最新の知識で「これが一番」と思って決めた治療でも、患者さんの安全や病院全体の方針を考えた先輩医師のチェックが入ることで、もっと確実なものに改善される機会があったんです。小児科の集団健診でのヘルメット治療に関する話し合いなどは、みなさんに行う医療の標準化と、一人ひとりに合わせた医療のバランスを考える上で、すごく大事な検討プロセスの一つでしたね。こういう組織での経験を経て、最終的には、自分が良いと信じる医療を、自分の責任と判断で追求して実現するために、開業という道を選びました。
頭のかたち外来を始めたきっかけを教えてください
産科・新生児科を専門としていたため、新生児の頭の変形にはすぐに気づいていました。小児科医として開業後、比較的早い段階で「頭のかたち外来」を開始し、向き癖への注意喚起などの啓発活動を行っています。健診の際に、頭のかたちについて相談を受けるケースは少なくありません。しかし、そうした相談に対して、周囲からは「あまり気にしなくても良い」「成長すれば自然と治るから放っておいて大丈夫」といった声かけをされることがしばしばあります。これは、頭のゆがみが治療を必要とする状態であるという認識が、まだ一般に広く浸透していない現状を示しています。一方で、当院を訪れる患者さんの多くは、頭のゆがみを専門的に治療する手段の一つである「ヘルメット治療」について、事前にインターネットや他の情報源を通じて知った上で来院されています。これは、患者さんのご家族が、頭のゆがみが単なる見た目の問題だけでなく、将来的な影響を懸念して積極的に情報収集を行い、専門的な治療の選択肢を探求した結果であると言えます。そのため、初診の時点ですでに治療への意欲が高く、具体的な治療方針についての話し合いがスムーズに進む傾向にあります。
初診時の流れと治療期間の目安について教えていただけますか
頭のかたち外来において、10年以上の経験と多数の症例実績から、目視による重症度の判断がある程度可能です。診断は、まず3Dカメラでの撮影を行い、その後、超音波検査等で水頭症や頭蓋骨縫合早期癒合症といった医学的な問題がないかを確認します。解析結果が出た段階で、ヘルメット治療の適用や親御さんの意向を確認します。産科・新生児科出身の専門性を活かし、見た目だけでなく、医学的な観点からも詳細な診察を行っています。ヘルメット治療の期間は、開始時期と成長速度によって異なります。治療期間が短いのは、生後3ヶ月頃から治療を開始し、成長が早いお子さんの場合で、最短3ヶ月で治療を終えることがあります。この場合、治療開始時のヘルメット作成を除き、2回の計測で終了します。頭の大きさがヘルメットのサイズになるまでに形状が改善し、計測結果も良好になるため、3ヶ月で卒業となります。一方で、生後5ヶ月頃から開始し、頭の大きくなる速度がゆっくりなお子さんの場合は、治療期間は長くなる傾向にあります。
治療にかかる費用についてはいかがでしょうか
当院の費用は税込27万円です。赤ちゃんが向き合う頭のかたちの問題は、ご家族にとって大きな精神的・経済的な負担となります。当院は、その経済的な負担を少しでも軽減し、より多くのお子様が必要な治療を受けられるように、この価格を設定しています。この27万円には、治療期間中の毎月のチェックやメンテナンス費用が全て含まれていますので、後から追加で費用が発生する心配もありません。お子さんの健やかな成長を第一に考え、安心して治療を受けていただけるよう、良心的な価格での提供を徹底しています。当院の「頭のかたち外来」では、生後1〜2ヶ月のお子さんへの対応も行っております。特に生後1ヶ月から来院された方の中には、枕の使用やタミータイムなどの予防指導により、重症化せずに済んだ事例もあります。このことから、予防指導を早くから行うことが非常に重要であると考えています。
読者の方へのメッセージをお願いします
頭のかたち以外にもスキンケアやアレルギー予防を含めたトータルな診療を行っており、必要に応じて治療のアドバイスをさせていただきます。ヘルメット治療の費用は以前の50~60万円といった時代と比較すると、現在では費用が大幅に抑えられており、治療法の選択肢として検討しやすくなったと考えています。赤ちゃんの頭の歪みに悩む親御さんは多くいらっしゃいますが、「頭のかたち外来」で適切な治療法があることを知っていただくことで、安心して赤ちゃんの頭のかたちに向き合っていただけると思います。少しでも気になることがあればご相談ください。
ヘルメット治療について
治療の流れ
初診時はまず3Dカメラでの撮影を行い、その後、超音波検査等で水頭症や頭蓋骨縫合早期癒合症といった医学的な問題がないかを確認します。 解析結果が出た段階で、ヘルメット治療の適用や親御さんの意向を確認します。
費用
27万円(税込)
診察日時
月〜土 9:30 - 11:30 火・木・金 15:30 - 17:00
予約
電話またはLINEにて予約を受け付けております。
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電車・バスでお越しの方: 稲毛海岸駅 下車 徒歩3分
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