公開日2024年12月24日
野口院長が解説|赤ちゃんの頭の形に悩む親御さんへのアドバイスと治療方法
先生のご経歴について教えてください。
日本大学卒業後、春日部市立病院、横須賀市立市民病院で研鑽を積み、その後アメリカのアイオワ大学に約2年間留学しました。小児神経分野の研究、特に電気生理学を専門的に学びました。帰国後は、東部地域病院、日本大学板橋病院、日本大学練馬光が丘病院などで経験を重ねてきました。
小児科医を目指したきっかけを教えてください。
医師の家庭で育ち、祖父も父も医師でした。特に父が小児科医院を開業していたこともあり、自然と小児科医を志すようになりました。また、日本大学の小児科で馬場一雄先生、大國眞彦先生という素晴らしい指導者に出会えたことも、小児科医としての道を決める大きな要因となりました。
クリニックではどのような医療を目指されていますか?
三つの大きな理念を掲げています。一つ目は、しっかりとした診断を行うこと。二つ目は、無駄な投薬や検査を避けること。そして三つ目は、お子様だけでなく、ご家族の不安に寄り添うことです。
特に抗生物質の使用については、20年以上前から必要最小限に留めてきました。当時は「お薬のお土産」が当たり前の時代でしたが、自然治癒力を信じ、必要最小限の治療を心がけてきました。最近では耐性菌の問題もあり、この方針が広く認識されてきています。
クリニックの特徴について教えてください。
「病院らしくない病院」をコンセプトに、できるだけ家庭的な雰囲気づくりを心がけています。特にプレイスペースは広いスペースを確保し、おもちゃも定期的に新しいものに更新しています。大きなキッチンセットやぬいぐるみなど、ご家庭ではなかなか置けないような遊具も用意しており、お子様が「遊びに来た」と感じられる空間づくりを目指しています。
妻と一緒に開業前から構想を練り、病院特有の雰囲気や匂いもできるだけ抑えるよう工夫しています。時には診察の順番が来ても「まだ遊びたい」とおっしゃる子どもさんもいますよ。
診察時に特に心がけていることはありますか?
最も重視しているのは、ご家族の不安を取り除くことです。特に現代は核家族化が進み、育児の経験が共有されにくい一方で、SNSなどで不安を煽るような情報が溢れています。
そのため、具体的な見通しをお伝えすることを心がけています。例えば風邪の場合、「いつまで咳が続くのか」「何日熱が続いたら受診が必要か」など、明確な指針をお示しします。単に「様子を見ましょう」と言うだけでなく、いつまでどのように様子を見れば良いのかを具体的にお伝えすることで、ご家族の不安軽減につながると考えています。
頭のかたち外来の開設のきっかけを教えてください。
もともと日本大学板橋病院で実施していることは知っていたのですが、高額な治療ということもあり、自分で導入することは控えていました。しかし、頭のかたちで悩んでいるご家族が多くて、理学的療法以外の選択肢も増やしたいなと考えたことと、価格的にも従来のものより下げることができそうだったので、自分でもヘルメット治療を行うことを決めました。
頭のかたち外来について具体的に教えてください。
患者さんの月齢は主に3〜4か月のお子様が多く、6か月までの方が治療の中心となります。診療は完全予約制で、一般診療とは別の時間帯で対応させていただいています。できるだけ落ち着いた環境で診察させていただくため、午後の診療時間前に予約をお取りいただくことが多いです。
初診では、専用のカメラで頭のかたちを撮影し、3D解析を行います。この結果をもとに、治療の必要性やアプローチ方法についてご説明させていただきます。頭のかたちの歪みの程度や、ご家族の考え方によって治療を選択されるかどうかは異なりますので、データをお示しした上で、ご家族の判断を尊重させていただいています。
治療効果や親御さんの反応はいかがですか?
治療を終えられた方は、いずれも大変満足していただき、ニコニコと喜んでご卒業されました。治療効果については、数値データでも改善が確認できますし、スタッフからも「変化が見てわかる」と驚きの声を聞いています。
ヘルメット治療自体で困ったという声はほとんどありません。むしろ、可愛らしいデザインのヘルメットを装着されたお子様を見て、前向きに取り組んでいただけています。
治療期間は個人差がありますが、3~4か月程度が一般的です。場合によっては、5~6か月となることもあります。
最後に読者へのメッセージをお願いします。
何か不安やお悩みを感じたら、お気軽に当院に立ち寄っていただければと思います。これからの小児科は、病気の治療だけでなく、健康な子育ての支援にもより力を入れていく必要があると考えています。多くの場合、病気は数回の診療で治りますが、その後の健康管理や育児支援がより重要になってきています。
頭のかたちの治療に関しても、この治療は重篤な副作用があるものではありませんし、お子様の頭のかたちに関する保護者の方の悩みに応える一つの選択肢として、むしろ育児の質を高めることにつながると考えています。
また、病気の治療だけでなく、心の面でもサポートできるように当院では心理カウンセリングも提供しています。ご家族の方々が孤独や不安を感じることも多い中、少しでもご家族の子育ての手助けになれればと考えています。
ヘルメット治療について
治療の流れ
専用のカメラで頭のかたちを撮影し、3D解析を行います。 この結果をもとに、治療の必要性やアプローチ方法についてご説明させていただきます。 データをお示しした上で、ご家族の判断を尊重させていただいています。
費用
38万円(税込)
診察日時
一般診療とは別の時間帯で対応しております。 お電話にて問い合わせください。
予約
初回のご相談については、お電話にて問い合わせください。
相談窓口
042-566-8177
アクセス
電車・バスでお越しの方: 多摩都市モノレール 桜街道駅より徒歩5分
お車でお越しの方: 駐車場:15台