公開日2025年4月9日
赤ちゃんの頭の形が気になる方へ|おぎくぼ小児科の「頭のかたち外来」とヘルメット治療とは

先生のご経歴についてお聞かせいただけますでしょうか?
昭和大学医学部を卒業後、厚木市立病院にて初期研修を2年間行いました。厚木市立病院は慈恵医大の関連病院だったこともあり、そのまま慈恵医科大学の小児科講座に入局しました。そこからは慈恵医大附属病院をはじめ、再び厚木市立病院、静岡県の富士市立中央病院など、さまざまな医療現場で経験を積んできました。専門医取得後に医局を離れ、キャップスクリニックに入職し、約2年勤務したのち、おぎくぼ小児科を開業しました。
医師を目指したきっかけや、小児科を選んだ理由をお聞かせいただけますか?
もともと体が弱く、子どもの頃によく小児科に通っていたことがきっかけで、医師という職業に興味を持つようになりました。高校生の進路希望調査の際に、「医師になろう」と本格的に考えるようになったのを覚えています。
小児科医を目指した理由の一つに、子どもの頃にお世話になった小児科の先生への憧れがあります。また、介入によってよくなった子どもたちが未来の社会に貢献していくかたちで、自分の仕事が社会に還元されるような医療に携わりたいと考え、小児科を選びました。
目指すクリニックのかたちを教えてください。
自分が小児科を志した「未来に繋がる仕事がしたい」という想いは、クリニックの診療方針にも反映されています。中長期的な視点に立った診療を提供していきたいと考えています。また、365日診療を行うことで、今後ますます増えていく共働き世帯の子育て支援にもつなげたいという思いがあります。
クリニックの中で工夫していることがあれば教えてください。
特にこだわったのは待合スペースのゾーニングです。感染症の方、一般の方、そして感染症がまったくない方とで、待合室を3つに完全に分けています。また、できる限り日が入る待合室にしたいという想いがあり、明るく開放的な空間が生まれたと思っています。

診察の時に心がけていらっしゃることはなんですか?
診療では、医学的に正しいことが必ずしも患者さんやご家族にとって“納得できる選択”であるとは限らないという現実を常に意識しています。
医学的には推奨しても、患者さんの価値観を頭ごなしに否定することは避け、受け入れ可能な範囲で治療の落としどころを探すようにしています。肌荒れひとつとっても、完璧な治療よりも、納得できる状態を一緒に模索することが大切だと感じています。
ヘルメット治療を始められたきっかけを教えてください。
保護者の方からの頭の形に関する相談が非常に多かったことがきっかけでした。乳幼児健診はもちろん、一般診療でも相談を受けることが増えていました。
これまでは他院をご紹介していましたが、クリニック内で完結できる医療の幅を広げることが患者さんの安心や利便性にもつながると考え、導入に踏み切りました。
治療を通して何か感じられたことがあればお聞かせいただけますか?
治療を始める前は、「頭の形は自然に治るもの」という認識を持っていました。実際、乳幼児健診などでも寝かせ方やタミータイムについてお伝えし、「月齢が進めば自然と整いますよ」と案内してきました。
しかし、1歳を超えても変形が残っている患者さんを診て、これまでの診療で見過ごしてきたかもしれない…と、ある種の悔しさとともに、ヘルメット治療の意義を強く感じるようになりました。
今では治療の選択肢を提案することができるようになり、治療の可能性をもっと広げていきたいと考えています。
初診の流れについて教えていただけますか?
初診の方には事前に問診票をご記入いただいているので、それをもとに簡単な確認を行います。その後、スキャン用の帽子を装着してもらい、頭の歪みがあるかを目視で確認したうえで、そのまま3Dスキャンに移ります。
初診時であればスキャン結果はおよそ30分で出ますので、お待ちいただける方にはその日のうちに結果をご説明します。後日再来院いただいて説明を行うことも可能です。
スキャン結果をもとに、ヘルメット治療の適用があるかどうかをご説明します。もし適用がなければ、寝かせ方のアドバイスなどをしています。
歪みの評価や診断の説明はどのようにされていますか?
スキャンが終わったら、診察室のモニターで保護者の方と一緒に結果を確認します。評価項目としては、「斜頭度」と「短頭度」という2つの指標があります。斜頭度は向き癖による左右差、短頭度はいわゆる絶壁の程度を示すものです。
それぞれの評価は、色分けされたグラフや3Dモデルを使って説明します。たとえば、「短頭は軽症で、斜頭は中等症の中でもやや重めです」といったように、状態を丁寧にお伝えしています。3Dモデルでは、平らになっている箇所や変形の向きを視覚的に確認できるので、「こういう姿勢で寝ていたのかもしれませんね」と具体的な話もできます。
結果の説明とあわせて、冊子を使ってヘルメット治療の概要や費用についてもご案内しています。
予約方法について教えてください。
ご予約は基本的にクリニックのホームページからお願いしています。専用の「頭のかたち外来」の予約枠をご用意していますので、そちらからご都合のよい日時を選んでご予約いただく流れになります。
受診のタイミングはいつ頃が良いでしょうか?
ヘルメット治療を検討するにあたっての受診のタイミングですが、一般的には生後3〜4ヶ月頃が適しているとされています。
ただし、もっと早い段階、たとえば生後1か月頃からご来院いただくことにも大きな意味があります。この時期であれば、タミータイムや寝かせ方の工夫など、予防的な対応が可能になるからです。それによってヘルメット治療が必要なくなるケースもありますので、気になった時点で早めにご相談いただくのが理想的です。
読者の方へメッセージをお願いいたします。
赤ちゃんの頭の形について「気にはなるけど、どこに相談したらいいかわからない」「治療が必要なのかわからない」と感じている保護者の方は少なくありません。そういった方々に向けて、当院ではまずは保険診療の範囲でしっかりと状態を確認し、必要に応じて丁寧にご説明することを心がけています。
また、レントゲンにて頭蓋骨縫合早期癒合症などの頭蓋骨の病気のスクリーニングも行っています。こうした体制を整えることで、より安心してご相談いただけるクリニックを目指しています。少しでも不安があれば、ぜひ一度ご来院ください。
ヘルメット治療について
治療の流れ
問診票をもとに簡単な確認を行います。 頭の歪みを目視で確認し、3Dスキャンに移ります。 スキャン結果をもとに、ヘルメット治療の適用があるかどうかご説明します。
費用
33万円(税込)
診察日時
月・火・金曜日
予約
クリニックのホームページからご予約を受け付けております。
相談窓口

アクセス
電車・バスでお越しの方: 荻窪駅西口から徒歩4分
お車でお越しの方: 近隣のコインパーキングをご利用ください。