公開日2025年4月9日
赤ちゃんの頭の形、気軽に相談できる場所があります|けやき脳神経リハビリクリニック 林祥史院長が語る想い

目次
先生のこれまでのご経歴について、簡単にお聞かせいただけますでしょうか。
2005年に東京大学を卒業し、初期研修は千葉県の亀田総合病院で行いました。その後、脳神経外科の道に進むことを決め、亀田総合病院および八王子の北原国際病院にて研修を受け、脳神経外科専門医となりました。脳神経外科の臨床に携わる中で海外医療にも関心を持ち、2015年から5年間、カンボジアに赴任いたしました。そこでは、脳神経外科と小児科を中心とした病院の院長として勤務しておりました。2020年に帰国後、再び北原国際病院で勤務し、このたび2024年11月に、より身近な形で患者さまと接し、自分のやりたい医療を実現する場として、けやき脳神経リハビリクリニックを開業いたしました。
先生が医師を志されたきっかけや脳神経外科にご関心をお持ちになった理由についてお聞かせください。
高校生の頃、進路を考えるタイミングで、困っている患者さんを助けることができる医師という職業に魅力を感じ、医師を目指しました。また、脳にはまだ解明されていない部分が多く、そうした未知の領域に惹かれ、中学・高校の頃から脳の機能や脳科学に興味を持っていました。脳神経外科には命に関わる重篤な疾患を扱う場面も多く、救命に関わる医療に携わりたいという思いから、脳神経外科を志しました。
クリニックを開業された経緯やその想いについてお聞かせください。
これまで主に急性期病院で勤務しておりましたが、そのような医療現場では、くも膜下出血や脳腫瘍といった、すでに重症化した患者さまを診る機会がほとんどでした。また、外来診療も術後の患者さまが中心となっておりました。そうした経験を経て、より予防的な医療や、重篤な疾患を経験された患者さまの生活面まで寄り添えるような医療を提供したいと考えるようになりました。そのためには、地域に根ざしたクリニックの形態が適していると判断し、開業を決意いたしました。
クリニック内で、こだわっていらっしゃる点や工夫されていることがあれば教えてください。
当クリニックは「脳神経外科」と「リハビリテーション科」を標榜しておりますが、私自身、カンボジアで小児科医療にも従事していた経験から、小児医療にも強い関心を持っています。現在は日本小児神経外科学会にも所属しており、乳児の診察にも対応しております。そうした背景から、お子さまやその保護者の方にも安心してご来院いただけるよう、院内環境を整備しています。具体的には、おむつ替え台やベビーキープを備えたトイレ、キッズスペースの設置など、乳幼児連れの方にも配慮した工夫を凝らしております。脳神経外科の施設でここまで対応しているところは少ないかと思いますが、当院の特色のひとつです。
赤ちゃんの頭の形を診ようと思われたきっかけは、どのようなことだったのでしょうか。
私は小児神経外科学会にも所属しており、学会や各種会場などで、脳神経外科領域の疾患として頭蓋縫合早期癒合症や、いわゆるヘルメット治療については以前からよく知っていました。医学的にも非常に興味深い分野であり、適切な診断と治療を行えば改善が期待できることは理解していました。ただし、開業以前は実際に治療に携わる機会はありませんでしたので、今回の開業にあたり、ぜひ取り組みたいと考え、あらためて学び直し、必要な準備を整えた次第です。
治療の効果についてはどのように感じていらっしゃいますか。
非常に高い効果があると実感しております。ほぼすべての赤ちゃんにおいて、目に見えて頭の形が改善していきます。これは、3Dカメラと、確立されたベビーバンドの技術が相まって、非常に効果的な治療につながっているのだと思います。
多くの保護者の方にご満足いただいており、赤ちゃん自身もヘルメットを嫌がらず比較的すぐに慣れてくれるケースが多いため、治療もスムーズに進んでおります。
ヘルメット治療を行う上で、保護者の方が「大変そうだな」と感じられる点があれば教えてください。
特に治療開始初期は、ヘルメットがまだ緩いため、ずれやすいという課題がございます。そういった場合は、必要に応じてパッドを追加し、ずれにくくなるように調整を行っております。また、我慢せずに気軽にご相談いただけるように、LINEを用いた保護者の方とのやり取りも導入しております。
予約の取り方について教えていただけますか。
当院の「赤ちゃんの頭のかたち外来」は月~土すべての診療時間内で受付可能としています。オンラインもしくはお電話で予約をおとりいただく形です。
初診時の診察の流れについて、具体的にお聞かせいただけますか。
初診では、初めに頭の歪みに気付いた時期や、現在も悪化しているか、あるいは変化がないかなどをお伺いいたします。その後、頭部を触診し、診察を行います。
必要に応じてレントゲン撮影も行い、頭蓋縫合早期癒合症がないか確認しています。位置的頭蓋変形症と判断される場合には、3Dカメラによる撮影をお勧めしております。
解析結果をもとに、ヘルメット治療を行うかどうかをご検討いただいております。結果が正常あるいは軽度であった場合には、タミータイム(うつ伏せの遊び)の実施や、生活の中で圧力を分散する工夫などをご指導させていただきます。必要に応じて、外来でのフォローアップも行います。中等度以上の変形が認められ、ヘルメット治療を希望される場合には、次回の予約をお取りいただき、初回装着日のスケジュールを立ててまいります。
ありがとうございます。最後に、読者の方々にメッセージをお願いできますでしょうか。
私自身、4人の子どもを育ててまいりました。中には頭の形が自然と整った子もいれば、歪んでしまった子もおります。当時はベビーバンドのようなヘルメットによる治療法がまだ一般的ではなく、歪んだまま成長したという現状があり、この外来を立ち上げるに至りました。
当院では3Dカメラの撮影を主に看護師が担当しております。お子さまの対応にも慣れており、あやし方も非常に上手です。また、おもちゃも多数ご用意しており、赤ちゃんが落ち着いた状態でスムーズに撮影ができるような環境を整えております。
もし少しでも不安を感じられた場合には、悩まずに専門機関にご相談いただいて、一緒に解決していければと思います。
ヘルメット治療について
治療の流れ
問診の後、頭部を触診し、診察を行います。 頭蓋縫合早期癒合症が疑われる場合は、レントゲン撮影を行います。 位置的頭蓋変形症と判断される場合には、3Dカメラによる撮影をお勧めしております。
費用
33万円(税込)
診察日時
9:00~12:30(月曜~土曜) 14:30~18:00(木曜) 14:30~19:00(月曜・水曜・金曜)
予約
オンライン、もしくはお電話にてご予約を受け付けております。
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