公開日2025年11月17日
2つの専門性が守る赤ちゃんの頭の形|小児神経専門医と脳神経外科医による人見クリニックの診療とは

クリニックの特徴について教えてください
当クリニックの強みは、脳神経外科、循環器内科、小児科および小児神経科 の専門医が連携して、脳も心臓も体全体のことを診られることです。 当クリニックの院長は脳神経外科専門医で、もともと大学病院や総合病院で 手術をたくさん行っていました。開業後は、専門性の高い頭痛外来や子ども達の外科治療(外傷によるケガ等)に力を注いでいます。小児科では、大学から専門医を招聘しており、通常診療に加えて、神経専門医による発達障がい、 心身症(頭痛、起立性調節障害など)のお子さんを診させていただいています。
診療時に心がけていることはありますか
今はいろんな情報があふれていて、ご家族も何が正しいのか迷われていると 思います。だからこそ、いただいた質問には一つ一つ丁寧にお答えするよう にしています。医療に対して科学的な根拠をきちんと伝えることを大切にして います。 特に頭のかたち外来では、検査できちんとデータを示した上で診断すること を心がけています。治療の適応があれば提案しますし、相談のみでも科学的な根拠を持って説明させていただくことでご家族の安心につながると考えています。
頭の形の診療を始めたきっかけは何ですか
大学病院で新生児から思春期まで幅広い神経疾患を診ています。 特に発達外来では、頭のかたちについての相談が非常に多いことを実感し ていました。 もともと頭のかたちの治療は脳外科や形成外科が中心で行われてきましたが、治療後のフォローアップや背景にある疾患の評価には小児神経科が関 わる意義が大きいのではないかと感じていました。 そこで当クリニックでは、脳神経外科と小児神経の両方の専門性を活かし、 通常の頭のかたち外来と比べて専門性が高い診療やアドバイスができるのではないかと考え、開設を決意いたしました。
頭の形の診療を始めてみていかがですか
私たちが想像していた以上にお子さんの頭のかたちに悩まれているご家族 が多かったです。スキャンの3D画像で客観的に治療の適応があるかを明確 に説明できることは、ご家族と医療者との信頼関係につながると実感しています。また、院内でも頭のかたち外来の案内を掲載していると、別の理由で来られた方々から頭のかたちに関して質問をいただけるので、潜在的に不安を 抱えている方が多い印象を受けています。来院された方の中には、より専門 性の高い検査が必要な方もいらっしゃるので、大学病院に円滑に紹介しています。大学から招聘された医師がクリニックの外来を担当している大きな利点であると感じています。
初診流れを教えてください
初診では、赤ちゃんの頭のかたちだけでなく、発達面などを含めて全身を しっかり診ることを大切にしています。専門性を活かし、総合的に評価するよう 心がけています。 まず、「赤ちゃんの頭のかたちとは何か」という基本的な説明を丁寧に行います。頭のゆがみの種類や原因、自然に治るかどうかといった基礎的な知識を 保護者の方に理解していただいたうえで、次のステップに進むようにしていま す。説明が終わったら、3Dスキャナーを使って頭のかたちを計測します。この 検査は客観的なデータを得て、重症度を示すために非常に重要です。結果は 30分ほどで出ます。ご家族にとっても、その場ですぐに数字や画像で頭のか たちの状態を確認できるのは大きなメリットだと考えています。 スキャンデータをもとに画像評価を行い、治療の適応があるかどうかをお伝 えします。そのうえで、実際に次のステップに進むかどうかはご家族に判断していただきます。初診で来られた全例に対して無料で3D評価を行っていま す。わざわざ足を運んでくださったご家族は、正確な情報を知りたいという思 いを持たれていますから、その期待に応えるためにもデータでしっかりと示 すことを大切にしています。初診はだいたい1時間以内で終わります。最初の説明に30分ほど、3Dスキャ ンと結果の確認に30分ほどかかるイメージです。こうして、正しい知識の提供 から客観的な計測、治療の必要性の判断までをその日のうちに完結できるこ とが大きな特徴だと思います。
ヘルメット治療を始めた場合、通院頻度や回数はどれくらいですか
治療を開始した場合は、装着から1週間後に皮膚の状態をチェックします。その後はおおむね1か月ごとに通院していただき、ヘルメットのフィッティングや頭の成長に合わせた調整を行っていきます。 私たちは単にヘルメット治療だけを行うのではなく、同じタイミングでほかの 相談や診療も受け付けています。たとえば健診や予防接種を同じ日にまとめて行うこともできますし、通常診療にも対応しています。日常的な育児の相談も気軽にしていただけます。 昨今は共働きのご家庭が多く、通院頻度のご負担をできるだけ減らしたいというニーズがあります。一度の来院で複数の要件を済ませられるよう工夫することは、ご家族にとって大きなメリットになると考えています。
治療期間と費用について教えてください
治療期間はおおむね4か月が目安です。多くの場合、この期間で頭のかたち がしっかりと整い、十分な効果が得られています。ヘルメット治療の費用は総 額33万円(税込)です。
相談のタイミングを教えてください
これまでのご家族の反応を見ていると、生まれたときから頭のかたちを気に されている方が多いです。受診するタイミングとして理想的なのは、ワクチンを 打ち始める生後2か月ごろです。 この時期であれば、タミータイム(うつ伏せ遊び)などで予防や改善を試みら れる有効な期間がまだ残っていますし、ヘルメット治療を導入するかどうかを ゆっくり考える時間も取れます。早めに相談に来ていただくことで、選択肢を 広く持つことができます。実際にヘルメット治療を始めるのは、首が座る生後3~5か月ごろが一般的です。 私たちはそれ以降の治療経験も豊富にありますので、6か月を過ぎても安心 してご相談いただけます。 月齢が遅くなっても改善は期待できることが、論文でも示されています。ご家 族が納得して取り組まれれば、遅めの開始でも十分な効果を得られる可能性がありますので、気になる方は是非ご相談ください。
親御さんへのメッセージをお願いします
赤ちゃんを取り巻く環境や育児のスタイルは、時代とともに大きく変化してい ます。だからこそ、どんな小さなことでも気兼ねなく、まずは相談いただきたい と思っています。 悩んでいる親御さんが安心して一歩を踏み出せるよう、私たちは門戸を広く 開いてきました。予約のハードルをできるだけ低くし、「まず相談してみようか な」と感じてもらえる雰囲気づくりを大切にしています。 一人でも多くのご家族が安心して相談できる場所でありたいと考えていま す。悩みや不安を抱え込まず、ぜひお気軽にご相談ください。
ヘルメット治療について
治療の流れ
「赤ちゃんの頭のかたちとは何か」という基本的な説明を丁寧に行います。 説明が終わったら、3Dスキャナーを使って頭のかたちを計測します。 スキャンデータをもとに画像評価を行い、治療の適応があるかどうかをお伝えします。
費用
33万円(税込)
診察日時
水曜日
予約
電話・問い合わせフォームにて予約を受け付けております。
相談窓口

アクセス
電車・バスでお越しの方: 京王井の頭線「浜田山駅」より徒歩8分
お車でお越しの方: 浜田山駅入口で斜め左方向に曲がり人見街道/都道14号から5分