公開日2025年8月25日
「聞いてよかった」と安心してもらえるクリニックを目指して|父の跡を継いだ秋本先生が語る頭のかたち治療への取り組み

先生のご経歴を教えていただけますか
日本大学を卒業後、千葉県松戸市にある国保松戸市立病院 (現在の松戸市立総合医療センター)で2年間の初期研修を行いました。その後、同病院の小児科で3年間の後期研修を経て、 母校である日本大学の小児科・新生児科に入局しました。入局後に小児科専門医を取得し、その後日大板橋病院や東京都立 大塚病院のNICUなどで新生児科の研修を重ね、周産期専門 医(新生児)を取得しました。ほか、医局関連病院の春日部市立病院などで勤務し、小児科一般から新生児医療まで幅広い経験を積みました。日本大学では赤ちゃんの頭のかたちに関する 研究にも携わりました。父のクリニックを継ぐ前から週1回程度手伝っており、地域の医療状況も把握していました。
小児科を選んだ理由はありますか
初期研修で小児科を回った際、松戸市立病院の先生方の熱心な指導を受け、小児科に進むことを決意しました。 後期研修で は、成田赤十字病院で新生児科の研修を行いました。同科の研修で熱い志をもつ上級医と働くうちに、小児科のなかでも新生児医療が一番自分に合っていると感じ、新生児医療の道を選択しました。超低出生体重児の救命やその後のフォローアップ健診など、子どもの成長に関わる医療に携わることで、やりがいを感じることができました 。
クリニックを継いだきっかけは何ですか
父は栃木県佐野市で30年間、小児科医として地域医療に携わってきました。この町にはもともと小児科医が少なく、そんな中でコロナ禍を迎えた頃、父から「そろそろ引退を考えている」と打ち明けられました。長年地域医療に貢献してきた診療所をなくしてしまうのはもったいないという気持ちと、地元への愛着から、地域の子どもたちのために少しでも力になりたいと考え、帰郷を決意しました。また、これまで大学病院などで培った新生児科の経験や、頭のかたち治療に関する知識を活かして、この地域では提供されていない新しい医療サービスを始めたいという思いもありました。
どんなクリニックを目指していますか
何でも相談できるクリニックを目指しています。父が漢方を取り入れた診療を行っており、私もその考えを受け継ぎながら勉強を続けています。また、アレルギー診療にも力を入れており、地域の中核病院と連携を取りながら、お子さんの健やかな成長のサポートをしています。「こんなことを聞いてもいいのかな」と遠慮なさらず、赤ちゃんの哺乳や皮膚の状態が気になる、他のお子さんと比べて成長発達が心配など、小さなことでもかまいませんのでお気軽にご相談していただければと思っています。来てよかった、聞いてよかったと安心していただけるクリニックを 目指しています。
クリニックのこだわりや工夫を教えてください
患者さんとなるべく距離の近い関係でありたいという気持ちで日々診療にあたっています。診察の際は、できるだけ患者さんやご家族の顔を見て話すことを心がけています。また、感染症対 策として、発熱のあるお子さんや感染症を疑われるお子さんと、そうでないお子さんの動線を分けるよう配慮しています。頭のかたち相談で来られる方には、なるべく待ち時間が少なくなるよう診療時間を工夫しています。話ができる年齢のお子さんからは、 ご家族の方だけでなくご本人からも症状などをうかがうようにしています。今後の経過や「こうなったら来てください」といったことをわかりやすく説明するよう努めています。
頭のかたち外来を始めたきっかけは何ですか
日本大学の医局時代に他の先生方が行っている共に頭のかたちに関する研究に協力していました。新生児科での経験の中で、頭のかたちで困っている患者さんのフォローアップに携わる機会があり、ヘルメット治療にも触れていました。父の病院を継ぐにあたっては新たな取り組みとして、この地域ではまだあまり普及していない「頭のかたち外来」を立ち上げることにしました。頭のかたちに悩む方が気軽に相談できる場をつくりたいという思いから、もともと所属していた日本大学の先生方をはじめ周囲のサポートを得ながらスタートしました。
ヘルメット治療の効果はいかがですか
頭のかたち外来を始めてから1年ほどが経ちますが、予想以上に多くのご相談をいただいており、関心の高さを実感しています。治療を受けられた患者さんからは、「相談してよかった」という感謝の声をいただくことが多く、とても励みになっています。 月齢が進んでから治療を始めた患者さんでも、継続して治療に 取り組まれるケースもあります。驚いたのは、思っていた以上に 遠方からご相談に来られる方が多いことです。クリニックのある 栃木県南部だけでなく、北部の宇都宮方面や群馬県の館林市や太田市など、近隣の都市からも足を運んでくださっています。 それだけ「頭のかたちについて相談できる場所が少なく、悩みを抱えている方が多いのだ」とあらためて感じました。
診療の流れを教えてください
現在はホームページがないため、まず電話でお問い合わせいただくようお願いしています。診察は特定の曜日を決めず、なるべく患者さんのご都合に合わせ調整し決めています。初診の方には時間をかけてお話を聞かせていただくため、あらかじめ長めの時間枠を取って対応しています。初診では病的な変形がないかを診察で確認します。変形の重症度から治療が必要な場合は、レントゲン写真を撮影し、病気がないことを確認して3Dスキャンに進みます。レントゲン写真撮影は、当院に設備がない ため、近隣病院で行います。病気がないことを確認してから、3D スキャンに進むという流れです。
読者の方へのメッセージをお願いします
頭のかたちについて不安があれば、まずは気軽にご相談くださ い。必ずしもヘルメット治療を勧めるわけではなく、ご家族と一 緒に最適な方法を考えます。「こんなことを聞いてもいいのか な」と遠慮せずに、気軽にご相談ください。聞いてよかったと安心していただけるよう、寄り添った診療を心がけてまいります。
ヘルメット治療について
治療の流れ
初診では病的な変形がないかを診察で確認します。 変形の重症度から治療が必要な場合はレントゲン写真を撮影し、病気がないことを確認して3Dスキャンに進みます。 レントゲン写真撮影は当院に設備がないため、近隣病院で行います。 病気がないことを確認してから、3Dスキャンに進みます。
費用
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診察日時
特定の曜日を決めず、患者さんのご都合に合わせて調整しております。
予約
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