公開日2024年12月18日
「赤ちゃんの頭の形、気になっていませんか?」佐野院長が教える早期相談のメリットと治療の選択肢
ご自身の経歴について教えてください。
1997年に大阪大学を卒業後、大学病院や大阪の市民病院で、主に新生児医療を担当していました。医師5年目からは、大阪母子医療センターという全国的にも有名な子ども病院に移り、そこで10年以上新生児医療に従事していました。その後、愛染橋病院、淀川キリスト教病院での周産期センター長を経て、4年前に今のクリニックを開業しました。基本は新生児医療中心でしたが、発達障害なども含めた一般診療も担当していました。
小児科医を目指された理由は?
当時は、進む科を決めたら、例えば内科なら心臓の内科か消化器の内科かとか、最初から分野を決めなければいけなかったんです。でも僕は全身をまず一通り見られるようになりたかったというのがありました。小児科は最初から細かく分かれていなくて、まず全部を診られて、後で専門を決められる。それに、新生児医療にも興味があって。新生児医療というと、救命救急というイメージもあり、そんな仕事に憧れもありましたね。
診察の際に心がけていることは?
何より大切にしているのは、方々に納得して、安心して帰っていただくことです。そのために、一人一人に合わせた丁寧な説明を心がけています。方々の気持ちに寄り添い、不安を解消していただくことが、医師としての大切な役割だと考えています。診察室での会話を通じて、方々との信頼関係を築くことを大事にしています。
クリニックの特徴を教えてください。
「赤ちゃんこどもクリニック」という名前の通り、新生児医療が専門だった経験を活かして、新生児期からの診療に特に力を入れています。その一環で頭のかたち外来も開設しました。生まれたばかりの赤ちゃんから診させていただき、成長に合わせてずっとフォローしていくのが当院の特徴です。
名前に「赤ちゃん」と付いているので「小学生になっても来ていいですか?」とよく質問されますが、もちろん中学生、高校生まで診療しています。むしろ、赤ちゃんの頃から診させていただいているからこそ、お子様の成長をよく理解した上で、年齢に応じた適切な診療ができると考えています。
赤ちゃんから思春期まで、長期的な視点でお子様の成長と健康をサポートさせていただくのが、当院の大きな特徴です。
頭のかたち外来をしようと思ったきっかけを教えてください。
開業する前から頭のかたちに関する相談はあり、悩まれている方々がいらっしゃることは知っていました。ちょうど開業するタイミングでヘルメットを使った治療法を知ったのと、元々地域の方々のためにという想いで開業したので、地域のご家族の不安や心配を少しでも解決できたらと思って始めました。
実際に頭のかたち外来を始めてみられてどうですか?
頭のかたちを気にされて来院される方は本当に多く、中には深刻に心配されている方も少なくありません。そういった方々の気持ちに寄り添い、不安を解消することで、より楽しく子育てができるお手伝いができているのではないかと感じています。これは、ヘルメット治療を選択されるかどうかに関わらずですね。
具体的には、現在の発達の状況や斜頭の程度、改善の可能性について、できるだけ正確な情報をお伝えするようにしています。
また、頭のかたちの相談を通じて、ごくまれではありますが、骨や脳の疾患を疑う場合があり、適切な対応も重要だと考えています。
ヘルメット治療の効果はどうですか?
治療効果は十分良いと思っています。治療終了時に、「よかった」と満足して帰られる方がほとんどです。最近は、以前に比べて、月齢3〜5か月くらいの早い時期に相談に来られる方が増えてきていますので、効果も出やすくなっていますね。治療期間としては、大体3〜5か月程度です。
初診から治療までの流れを教えてください。
はい、大きく分けて初診、検査結果の説明、治療検討の3段階で進めていきます。
初診では、まず頭のかたちを実際に診察させていただき、頭や発育の状態を丁寧に確認します。その後、お子様の状態について詳しくご説明し、ご家族からの疑問やご心配な点についてお聞きします。続いて、現在の頭のかたちを正確に把握するために3D撮影を行います。お待たせしてしまうので、当院で作成した詳しい説明書もお渡しして、一旦お帰りいただきます。所要時間としては約30分程度です。予約は当院のホームページから取っていただけます。
2〜3日後に再度来院していただき、3D撮影の結果説明をさせていただきます。ヘルメットの仕組みや効果、治療の流れについても説明します。
一旦、持ち帰っていただきご家族で十分に検討していただいた上で、治療を開始するかどうかを決めていただきます。
3D撮影の結果を受けてのご家族の反応は?
ご家族の反応は、それぞれのご心配の程度や事前のイメージによって様々ですね。
「思っていた通りの結果でした」とおっしゃる方もいれば、「思っていたほどひどくなかったので安心しました」とホッとされる方もいらっしゃいます。中には、「やはり気になる部分がありますね」と、数値で確認されて納得される方もいます。
基本的には、日頃からお子様の頭のかたちを見ておられるご家族の感覚と、3Dスキャンの数値はおおむね一致することが多いです。この客観的なデータがあることで、ご家族が今後の方針を考える上での、大切な判断材料になっているようです。
大事なのは、この結果を踏まえて、お子様とご家族にとって最適な選択ができることです。そのために、データの見方や意味するところを、できるだけ分かりやすくご説明させていただくように心がけています。
最後に読者へのメッセージをお願いします。
頭のかたちに関わらず、お子様について少しでも気になることがありましたら、お気軽に相談に来てください。『頭のかたち外来』での頭のかたちの相談は、ヘルメット治療含めた対応が可能な生後3か月弱~5か月がおすすめです。ヘルメット治療を前提とする必要は全くありませんし、どんな些細なことでも構いません。「こんなことを聞いても大丈夫かな」と躊躇される必要はありません。お子様とご家族の不安が少しでも解消できるよう、できる限りのお手伝いをさせていただきたいと思っています。まずは気軽にご相談ください。お待ちしています。
ヘルメット治療について
治療の流れ
初診では、頭の変形についてご説明し、頭の形の撮影後に歪みの程度をお伝えします。 ご希望の場合はヘルメット治療に進みます。
費用
38.5万円(税込)
診察日時
【初診】 毎週火曜日 【再診】 毎週月・火・木・金曜日 診療時間 13:30~16:00
予約
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