公開日2025年1月21日
早期相談が重要!山田先生が教える頭の形治療の受診タイミングと治療の流れ

ご経歴について教えてください。
2013年に近畿大学医学部を卒業後、医師としての第一歩を兵庫県の高砂市民病院で踏み出しました。ここで2年間の初期研修を行い、医療の基礎を徹底的に学びました。その後、より専門的な知識と技術を磨くため、2015年から2021年まで、大阪難波にある脳神経科の専門病院、富永病院で勤務。計8年間にわたり、脳神経外科医として数多くの症例を経験してきました。
医師を目指したきっかけを教えてください。
医師への道を選んだのは、家族環境の影響が大きかったですね。母が歯科医師として活躍していて、さらに母方の家系に医師が多かったことから、自然と医療の世界を身近に感じていました。でも、それ以上に印象的だったのは、母の厳格な教育方針でした。母の実家がある田舎の地域では、当時、祖父が経済的に恵まれない患者さんに対して無償で診療を行っていたんです。そういった医療に対する精神が、家庭環境の中で自然と受け継がれていったように思います。
なぜ脳神経科を選んだのでしょうか?
子供の頃から手先の器用さには自信がありました。工作や物づくりでも、いつも周りより上手くできていたんです。そんな自分の特性を活かせる分野を考えたとき、医療の中で最も繊細で難しいとされる脳神経外科に魅力を感じました。実際の現場では、その選択の重みを実感することも多かったですね。手術時間が10時間を超えることも珍しくなく、月に1回は朝9時半から夜中まで及ぶような大きな手術もありました。体力的には本当に大変でしたが、やりがいのある仕事でした。
クリニック開業にあたって大切にされていることはありますか?
開業時は、特別な理想像を掲げるというよりも、もっとシンプルな考えでした。地域の患者さんに信頼されるクリニックとして、確かな医療サービスを提供すること。これだけを軸に据えていました。患者さんのニーズに応えながら、特に頭痛診療に力を入れてきた結果、開院から2年半という短期間で、日本でも有数の片頭痛患者さんが集まるクリニックになりました。この実績は、地道な診療の積み重ねの結果だと考えています。
クリニックのこだわりの部分はどこでしょうか?
最大の特徴は、MRIによる当日診断が可能な点です。近年、MRIを導入するクリニックは増えていますが、当日に診断結果を出せる体制を整えているところは多くありません。また、個人的なこだわりとしてリハビリ室の設備があります。私自身がトレーニングが趣味ということもあり、一般のジムと同等クオリティのトレーニングマシンを完備しています。特に高齢者の方の足腰の筋力低下予防に効果的な設備を揃えており、これほどの本格的なトレーニング設備を持つクリニックは、全国でも1、2件程度ではないでしょうか。
診察時に心がけていることを教えてください。
患者さんのニーズを正確に把握することを最も重視しています。来院される方の中には、自分の症状や不安をうまく言葉にできない方も少なくありません。特に当院のような専門クリニックでは、「頭が何となく変」「どこで検査を受ければいいか分からない」といった漠然とした不安を抱えて来院される方も多いんです。そういった方々に対しては、特に丁寧なヒアリングを心がけ、本当の来院目的や不安の本質を見出すようにしています。そして、その方の生活の質を向上させるために何が必要なのかを一緒に考え、具体的な解決策を提示するようにしています。
頭のかたち外来を始められたきっかけはどのようなものでしょうか。
知人の医師から「こんな治療法があるよ」と勧められたことがきっかけで導入を検討し始めました。ヘルメットを導入する前からヘルメットや帽子をかぶる際に、頭が突っ張るとか当たって痛いとかそういった相談が以前からありました。実際に治療を始めてみると、頭のかたちで悩んでいる方が予想以上に多いことに気づきました
予約方法について教えてください。
現在は完全電話予約制を採用しています。これは診療の時間枠の都合によるものです。ただ、患者さんの利便性を考慮して、今後はウェブ予約システムの導入も検討しているところです。特に頭蓋形状矯正に関しては、赤ちゃんを連れての電話予約が大変な場合もあると考えており、より便利な予約方法を提供できるよう準備を進めています。
診療の流れについて教えてください。
初診では、大きく分けて3つのステップで診療を行っています。まず、早期癒合症などの疾患の有無や、頭のかたちに明らかな異常がないかを丁寧にチェックします。次に、3D撮影に移ります。この撮影では、頭のかたちを立体的に計測し、詳細なデータを収集します。
最後に、撮影結果について詳しい説明を行います。3Dデータをもとに、現在の頭のかたちの状態や、治療の必要性について具体的にお話しします。
無理に治療を勧めるようなことはなく、歪みが軽度な場合は、はっきりとヘルメット治療の必要がないことをお伝えしております。ヘルメット治療開始後は、約1か月に1回のペースで来院いただき、経過観察のための3D撮影を行います。
頭のゆがみが気になったらどれくらいの月齢で相談に行くのが良いでしょうか?
早い段階での受診をお勧めしています。現在の患者さんは生後2~6か月くらいの方が多いです。早期であればヘルメット治療以外の方法も含めて選択肢が多くなります。12か月以降では治療効果が低減してしまうため、気になる場合は早めの相談をお勧めしています。
頭のかたちに悩む親御さんへのメッセージをお願いします。
頭のかたちの歪みは、機能的な面での問題は少ないものの、将来的な生活の質に影響を与える可能性があります。帽子の着用や整容的な面での悩みにつながることもあります。明らかな歪みがある場合は、お子様の将来のために早期治療を検討する価値があると考えています。ただし、軽度の場合は必ずしも治療が必要というわけではありません。当院では、個々の状況を慎重に判断し、必要な場合にのみ治療を提供しています。ご不安なことがありましたら、まずはご相談ください。
ヘルメット治療について
治療の流れ
疾患の有無や、頭のかたちに異常がないかチェックし、3D撮影に移ります。 撮影結果について詳しい説明を行います。 現在の頭のかたちの状態や、治療の必要性について具体的にお話しします。
費用
35万円(税込) / 初診(自費) : 5,000円 ヘルメット治療を希望される方 : 345,000円
診察日時
月・火・水・金曜日 午前(11:30 12:00)
予約
完全予約制・電話でご予約を承っています。
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