公開日2025年5月21日

小児科健診で増える頭の形の悩み―村井先生が語る親が子に残せる"財産"としてのヘルメット治療

柏崎総合医療センター
村井 英四郎先生
「柏崎総合医療センター」は柏崎市および刈羽村を中心とした地域の約10万人を診療圏とする地域基幹病院として近隣住人の健康を守っています。今回は小児科の村井先生に、医師を目指されたきっかけや病院の特徴、ヘルメット治療についてお話を伺いました。ヘルメット治療に関するイラストの作者である、研修医の渡邉朱希恵先生にもご同席いただいています。

先生のこれまでのご経歴について、お伺いできますでしょうか。

金沢医科大学を卒業後、新潟大学で初期研修を終えました。その後、新潟大学の小児科に入局し、医局員として県内外のさまざまな病院で勤務させていただきました。現在は、私の出身地である新潟県柏崎市にある病院に勤務しています。


医師を目指されたきっかけや小児科を選ばれた理由を教えてください。

父が小児科の部長をしていたことが大きかったと思います。今は開業していますが、私が物心ついた頃にちょうど開業したんです。1階が病院で2階が自宅という環境だったので、父の働く姿を日常的に見て育ちました。夜中も電話がかかってきて対応していたり、そういった様子を見て「小児科医になりたい」と自然に思うようになったんだと思います。


病院の特徴を教えていただけますか?

現在、当院の選定療養費は安価です。そのため、紹介状なしで来院される方や開業医と併用されている患者さんも多くいらっしゃいます。それが当院の特徴のひとつにもなっていると感じます。

また、入院設備が整っており、検査も比較的早めに対応可能です。患者さんの医療アクセスは非常に良好だと思います。


ヘルメット治療を始めようと思われたきっかけは、何だったのでしょうか?

乳児健診などで、頭の形に関する相談を受けることが年々増えてきました。2〜30人診ると、1人くらいは頭の形について悩みを抱えているケースに当たるという印象です。これまでは、他院を紹介する程度しか対応の選択肢がありませんでした。でも、それも「ヘルメット治療をやっているよ」と伝えるくらいで、実質的には患者さんが自ら情報を集め、ある程度手を尽くした後で相談に来られるというのが現実だったと思います。

そんな折に、ベビーバンドを知りました。今まで見てきたヘルメットはアメフトの防具のように重たそうに見えるものが多く、「これは小児科には難しいかもしれない」と感じていました。ですが、ベビーバンドは見た目がかわいらしく明るい印象でしたし、軽そうで、価格も比較的お手頃です。通気性も良さそうで、「これなら導入してもいいな」と思いました。


実際に治療を始められてみて、何かご感想はありますか?

率直に言って、形は本当によくなりますね。親御様から感謝の言葉をいただいています。やはり見た目に関する悩みは根深いですし、それに対して何かできることがあるということ自体が大きな価値なのだと思います。

髪の毛が薄い子だと1歳を過ぎても頭の形が目立ちやすいですし、それがずっと気になってしまう親御様も多いです。特に1歳で職場復帰されるお母さんが多い中、育休中のこの1年間で改善が見込めるというのは、とても意味があることだと思っています。

そういう意味でも、悩んでいるのであればまずは一度、気軽に相談していただけたらと治療を始めてみて強く感じましたね。


初診の流れを教えてください。

初診ではまず、早期癒合症など頭蓋縫合の異常がないか、発達状況や首のすわり具合はどうか、皮膚の状態に問題がないかといったところを確認します。その後、3Ⅾスキャンのための写真撮影に進みます。保護者の方にはヘルメット治療についての資料をお見せし、不明点があればその場で質問していただくようにしています。同時に、パンフレットを渡して柄選びなども進めていただきます。


撮影はどのような体制で行っていらっしゃいますか?

基本的には私一人で対応しています。手が空いているスタッフがいれば、お願いして音の鳴るおもちゃや声かけなどで赤ちゃんの注意を引いてもらうこともあります。


予約方法や、受診に適した時期についても教えてください。

予約は小児科外来にお電話いただければ大丈夫です。看護師がその場で日程調整を行います

月齢としては、首が座りかけていればいつでもOKですが、あまり早すぎると評価が難しい場合もあります。実際、受診されるのは4か月健診のあとが多く、その時期がベストだと思っています。月齢1〜2か月で気になるという相談もありますが、まずはタミータイム(うつぶせ時間)や体位変換などを自宅で試してもらい、それでも不安が残るようなら次の健診の際に再度ご相談いただくようにしています。


読者の皆様へのメッセージをお願いいたします。

もしお子さんの頭の形に関して気になっていることがあるのなら、今しかできないことがあるということをぜひ知っておいていただきたいです。私自身が思うに、親が子どもにしてあげられることは、「教育」と「容姿のケア」だと考えています。生きていく上での考え方や知識である教育と、見た目に対するケアが子どもに残せる“財産”なのではないでしょうか。容姿のケアというと大げさに聞こえるかもしれませんが、たとえば歯の矯正、肌のケア、そして今回のヘルメット治療もその一つだと私は思っています。特に見た目に対する悩みというのは成長してからでは解決が難しいことも多く、幼少期のうちに手を差し伸べてあげることが親にできるサポートなのかもしれません。必要な情報をしっかりお伝えしたうえで、無理なく治療に進める体制を整えていますので、もし関心を持たれた方がいらっしゃいましたらお近くの医療機関に一度ご相談ください。当院は上越に近い中越地域となりますので上越方面からの受診もしやすいかと思います。


ヘルメット治療について

治療の流れ

初診ではまず、早期癒合症など頭蓋縫合の異常がないか、 発達状況などを確認します。 その後、3Dスキャンのための写真撮影に進みます。

費用

47.3万円(税込)※現金のみ※

診察日時

水曜日

予約

お電話にて予約を受け付けております。

相談窓口

0257-23-2165

アクセス

電車・バスでお越しの方: JR柏崎駅からバス: ・柏崎総合医療センター線:病院前下車 徒歩すぐ ・久米線:病院前下車 徒歩すぐ ・岡野町線:総合庁舎前下車 徒歩5分

お車でお越しの方: 自家用車:北陸自動車道 柏崎ICから3分

公開日2025年5月21日

小児科健診で増える頭の形の悩み―村井先生が語る親が子に残せる"財産"としてのヘルメット治療

柏崎総合医療センター
村井 英四郎先生
「柏崎総合医療センター」は柏崎市および刈羽村を中心とした地域の約10万人を診療圏とする地域基幹病院として近隣住人の健康を守っています。今回は小児科の村井先生に、医師を目指されたきっかけや病院の特徴、ヘルメット治療についてお話を伺いました。ヘルメット治療に関するイラストの作者である、研修医の渡邉朱希恵先生にもご同席いただいています。

先生のこれまでのご経歴について、お伺いできますでしょうか。

金沢医科大学を卒業後、新潟大学で初期研修を終えました。その後、新潟大学の小児科に入局し、医局員として県内外のさまざまな病院で勤務させていただきました。現在は、私の出身地である新潟県柏崎市にある病院に勤務しています。


医師を目指されたきっかけや小児科を選ばれた理由を教えてください。

父が小児科の部長をしていたことが大きかったと思います。今は開業していますが、私が物心ついた頃にちょうど開業したんです。1階が病院で2階が自宅という環境だったので、父の働く姿を日常的に見て育ちました。夜中も電話がかかってきて対応していたり、そういった様子を見て「小児科医になりたい」と自然に思うようになったんだと思います。


病院の特徴を教えていただけますか?

現在、当院の選定療養費は安価です。そのため、紹介状なしで来院される方や開業医と併用されている患者さんも多くいらっしゃいます。それが当院の特徴のひとつにもなっていると感じます。

また、入院設備が整っており、検査も比較的早めに対応可能です。患者さんの医療アクセスは非常に良好だと思います。


ヘルメット治療を始めようと思われたきっかけは、何だったのでしょうか?

乳児健診などで、頭の形に関する相談を受けることが年々増えてきました。2〜30人診ると、1人くらいは頭の形について悩みを抱えているケースに当たるという印象です。これまでは、他院を紹介する程度しか対応の選択肢がありませんでした。でも、それも「ヘルメット治療をやっているよ」と伝えるくらいで、実質的には患者さんが自ら情報を集め、ある程度手を尽くした後で相談に来られるというのが現実だったと思います。

そんな折に、ベビーバンドを知りました。今まで見てきたヘルメットはアメフトの防具のように重たそうに見えるものが多く、「これは小児科には難しいかもしれない」と感じていました。ですが、ベビーバンドは見た目がかわいらしく明るい印象でしたし、軽そうで、価格も比較的お手頃です。通気性も良さそうで、「これなら導入してもいいな」と思いました。


実際に治療を始められてみて、何かご感想はありますか?

率直に言って、形は本当によくなりますね。親御様から感謝の言葉をいただいています。やはり見た目に関する悩みは根深いですし、それに対して何かできることがあるということ自体が大きな価値なのだと思います。

髪の毛が薄い子だと1歳を過ぎても頭の形が目立ちやすいですし、それがずっと気になってしまう親御様も多いです。特に1歳で職場復帰されるお母さんが多い中、育休中のこの1年間で改善が見込めるというのは、とても意味があることだと思っています。

そういう意味でも、悩んでいるのであればまずは一度、気軽に相談していただけたらと治療を始めてみて強く感じましたね。


初診の流れを教えてください。

初診ではまず、早期癒合症など頭蓋縫合の異常がないか、発達状況や首のすわり具合はどうか、皮膚の状態に問題がないかといったところを確認します。その後、3Ⅾスキャンのための写真撮影に進みます。保護者の方にはヘルメット治療についての資料をお見せし、不明点があればその場で質問していただくようにしています。同時に、パンフレットを渡して柄選びなども進めていただきます。


撮影はどのような体制で行っていらっしゃいますか?

基本的には私一人で対応しています。手が空いているスタッフがいれば、お願いして音の鳴るおもちゃや声かけなどで赤ちゃんの注意を引いてもらうこともあります。


予約方法や、受診に適した時期についても教えてください。

予約は小児科外来にお電話いただければ大丈夫です。看護師がその場で日程調整を行います

月齢としては、首が座りかけていればいつでもOKですが、あまり早すぎると評価が難しい場合もあります。実際、受診されるのは4か月健診のあとが多く、その時期がベストだと思っています。月齢1〜2か月で気になるという相談もありますが、まずはタミータイム(うつぶせ時間)や体位変換などを自宅で試してもらい、それでも不安が残るようなら次の健診の際に再度ご相談いただくようにしています。


読者の皆様へのメッセージをお願いいたします。

もしお子さんの頭の形に関して気になっていることがあるのなら、今しかできないことがあるということをぜひ知っておいていただきたいです。私自身が思うに、親が子どもにしてあげられることは、「教育」と「容姿のケア」だと考えています。生きていく上での考え方や知識である教育と、見た目に対するケアが子どもに残せる“財産”なのではないでしょうか。容姿のケアというと大げさに聞こえるかもしれませんが、たとえば歯の矯正、肌のケア、そして今回のヘルメット治療もその一つだと私は思っています。特に見た目に対する悩みというのは成長してからでは解決が難しいことも多く、幼少期のうちに手を差し伸べてあげることが親にできるサポートなのかもしれません。必要な情報をしっかりお伝えしたうえで、無理なく治療に進める体制を整えていますので、もし関心を持たれた方がいらっしゃいましたらお近くの医療機関に一度ご相談ください。当院は上越に近い中越地域となりますので上越方面からの受診もしやすいかと思います。


ヘルメット治療について

治療の流れ

初診ではまず、早期癒合症など頭蓋縫合の異常がないか、 発達状況などを確認します。 その後、3Dスキャンのための写真撮影に進みます。

費用

47.3万円(税込)※現金のみ※

診察日時

水曜日

予約

お電話にて予約を受け付けております。

相談窓口

0257-23-2165

アクセス

電車・バスでお越しの方: JR柏崎駅からバス: ・柏崎総合医療センター線:病院前下車 徒歩すぐ ・久米線:病院前下車 徒歩すぐ ・岡野町線:総合庁舎前下車 徒歩5分

お車でお越しの方: 自家用車:北陸自動車道 柏崎ICから3分