公開日2025年2月17日

赤ちゃんの頭のゆがみは治せる?安齋先生がヘルメット治療の効果と診療の流れを解説

出町柳こどもクリニック
安齋 祐子先生
「出町柳こどもクリニック」は、一般内科から健診、ワクチン接種、小児アレルギー、ヘルメット治療まで幅広く対応しています。院長の安齋先生は小児科専門医かつアレルギー専門医として豊富な経験と知識を持ち、地域のかかりつけとして小児の健康を守るベテラン小児科医です。そんな安齋先生に、クリニックのこだわりや診療への思い、ヘルメット治療について詳しくお話を伺いました。

先生のご経歴についてお聞かせください。

2001年に自治医科大学を卒業後、滋賀県内の関連病院で経験を積みました。その後は長浜赤十字病院に勤務したのち、東京、上海へと赴きクリニックで勤務しました。日本に戻ってからは長浜赤十字病院で小児科副部長を務め、その後千葉県流山市のクリニックで初めて頭の形に関する診療について詳しく学びました。そして、2023年8月より、出町柳こどもクリニックを開院しました。

開院したきっかけについて教えてください。

子どもが大好きで、病気の子どもはもちろんですが、健康な子どもたちにも積極的に関わり医療を提供していきたいと考えていました。ワクチン接種や健診などの予防医療にも力を入れたかったため、子どもたちのファーストタッチを担う場として、クリニックを開院することを決めました。

医師を志したきっかけは?

勉強が好きで、常に知識を更新し続けなければならない環境が自分に合っていると感じました。漠然と選んだ職業でしたが、小児科医を志したのは大学時代に出会った小児科の先生の影響が大きいです。その先生の一つひとつの言葉に重みがあり、憧れを抱いたことが小児科を選んだ大きな理由です。また、もともと子どもが好きであったことも小児科医を目指す原動力になったのだと思います。

クリニックのこだわりや工夫について教えてください。

クリニック内観

当クリニックでは、何よりも子どもが安全に過ごせる環境を重視しています。例えば、階段の前には柵を設置していますし、子どもがひとりで出入りしてしまわないように自動ドアのボタンを高い位置に設置するなどの工夫をしています。

また、親御さんがストレスを感じにくい環境づくりにも配慮しています。その一環として、クリニック内では靴を脱がずに過ごせるようにしています。これは、親御さんが子どもの靴を脱がせる手間を省くとともに、スリッパの衛生面を気にされる方にも配慮したものです。

その他にも明るく開放的な空間を意識しています。診察室は広めに設計しており、兄弟で来院した場合も遊びながら順番を待てるように工夫しています。ベビーカーもそのまま入ることができるため、多くの親御さんに好評をいただいています。また、やなせたかし氏の原画を飾っており、これは私の宝物でもあります。診察を受ける子どもたちや親御さんが少しでも安心できるように工夫を凝らしています。

診察時に心がけていることはありますか?

診察では、まず挨拶と自己紹介を必ず行います。子どもに対しても積極的に声をかけ、赤ちゃんであっても「こんにちは」と挨拶をします。診察の際には「喉を見ますね」「お腹を触りますよ」など、一つひとつの診察行為について説明を行い、子どもが安心できるよう配慮しています。また、親御さんともしっかり向き合ってコミュニケーションをとることを大切にしています。

頭の形の診療を始めようと思ったきっかけを教えてください。

小児科医としてのキャリアを積んで約25年になりますが、かつては赤ちゃんの頭の形の歪みは自然に治ると考えられている時代でした。しかし実際には1歳を過ぎても歪みが残り保護者の方から相談を受けることが多く、疑問を抱いていました。その後、小児科学会などで頭の形は矯正できるという話題が出るようになり、これまで気になっていた問題を解決できるのではないかと興味を持ちました。

その頃は、頭の形についての相談を受けた場合、近隣で対応可能な施設を探して紹介していました。紹介した方のほぼ全員が実際に受診し、治療の選択をするかどうかに関わらず相談してよかったと感じていたのが印象的でした。結果として、治療を受ける人と経過観察を選択する人はおよそ半々でしたが、どちらを選んだ方も納得されており、再度頭の歪みについて相談されることはほとんどありませんでした。重要なのは「気になることを放置せず、行動を起こして納得できる結論を得ること」なのだと実感しました。

京都に来てからも頭の形に関する相談を受ける機会は多くありましたが、京都市内には診療施設がほとんどなく、自分にできることがあるなら提供したいと思うようになったことが、頭の形の診療を始める大きなきっかけとなりました。

外来を始めてみての感想や気づいたことがあれば教えてください。

以前から小児科の健診が好きで、親御さんの悩みに寄り添いながら診療を行うことにやりがいを感じていました。今回、頭の形に関してより深い知識を得て、具体的な治療手段を持ちながらお話しできるようになったことは、大きな収穫だと思っています。

小児科では、ワクチン接種などの場面ではどうしても赤ちゃんが泣いてしまうことが多いですが、ヘルメット治療は痛みを伴う治療ではないため、赤ちゃんが笑顔のままでいられる診療ができるのは、私自身にとっても非常に嬉しいことです。

ヘルメット治療の効果はいかがですか?

ヘルメット治療の効果は非常に高いと実感しています。親御さんと一緒に「すごいですね」と喜び合う場面が多く、「ここが膨らんできましたね」といった細かな変化にも感動を共有できるのは、診療をしていて本当に嬉しい瞬間です。途中経過の段階でも「すごくいい感じになっていますね」と喜んでくださる方が多いです。

診療の流れを教えてください。

初診では、まず身体計測と発達の確認を行います。定頸があるか、発達異常が無いかをチェックします。もし定頸がまだの場合は経過観察を提案し、必要に応じて3Dデータ作成のための写真撮影を行います。

また、当院ではヘルメット治療を希望される場合、近隣の脳神経外科の先生に頭蓋骨の異常が無いかを確認していただいています。その後、最終的な同意を得た上でヘルメットを作成するという流れになります。ヘルメットが完成した後は、装着開始から1週間後にフォローアップを実施します。問題がなければ、以降は1ヶ月ごとのフォローアップを行います。

読者の方へのメッセージをお願いします。

私たちが行っているヘルメット治療は、必ず受けなければならない治療ではありません。赤ちゃんの頭の形は個性の一つと考えることもできますし、歪みがあっても健康上の問題が生じるわけではありません。しかし、「気になるなら、相談して解決しておくことで後悔がない」というのは、多くの親御さんを診てきた中で強く感じることです。あとになって後悔するよりも、早い段階で一度相談し検討することが大切です。特に、頭の形の矯正治療は生後3〜6か月の間に行うのが最適なため、タイミングを逃さないようにすることが重要です。予約についても、できる限り親御さんのご都合に合わせて調整できるよう努めています。安心してご来院いただける環境を整えておりますので、気軽にご相談ください。

ヘルメット治療について

治療の流れ

初診では、まず身体計測と発達の確認を行います。 もし定頸がまだの場合は経過観察を提案し、必要に応じて3Dデータ作成のための写真撮影を行います。 ヘルメット治療を希望される場合、近隣の脳神経外科にて頭蓋骨の異常が無いかを確認していただいています。

費用

38万円(税込)

診察日時

月・火・金曜日 11:00~12:00 15:00~16:00 木曜日 11:00~12:00 14:00~16:00

予約

受診希望の方は電話でのご予約をお願いいたします。

相談窓口

075-254-7712

アクセス

電車・バスでお越しの方: 電車でお越しの方 京阪鴨東線・叡山本線  出町柳駅より徒歩6分 バスでお越しの方 バス停「河原町今出川」でお降りください。

お車でお越しの方: 近隣の駐車場をご利用ください。京都市市営駐車場、梶井町パーキングの駐車券をご提示いただいた方には30分の駐車サービス券をお渡しします。

公開日2025年2月17日

赤ちゃんの頭のゆがみは治せる?安齋先生がヘルメット治療の効果と診療の流れを解説

出町柳こどもクリニック
安齋 祐子先生
「出町柳こどもクリニック」は、一般内科から健診、ワクチン接種、小児アレルギー、ヘルメット治療まで幅広く対応しています。院長の安齋先生は小児科専門医かつアレルギー専門医として豊富な経験と知識を持ち、地域のかかりつけとして小児の健康を守るベテラン小児科医です。そんな安齋先生に、クリニックのこだわりや診療への思い、ヘルメット治療について詳しくお話を伺いました。

先生のご経歴についてお聞かせください。

2001年に自治医科大学を卒業後、滋賀県内の関連病院で経験を積みました。その後は長浜赤十字病院に勤務したのち、東京、上海へと赴きクリニックで勤務しました。日本に戻ってからは長浜赤十字病院で小児科副部長を務め、その後千葉県流山市のクリニックで初めて頭の形に関する診療について詳しく学びました。そして、2023年8月より、出町柳こどもクリニックを開院しました。

開院したきっかけについて教えてください。

子どもが大好きで、病気の子どもはもちろんですが、健康な子どもたちにも積極的に関わり医療を提供していきたいと考えていました。ワクチン接種や健診などの予防医療にも力を入れたかったため、子どもたちのファーストタッチを担う場として、クリニックを開院することを決めました。

医師を志したきっかけは?

勉強が好きで、常に知識を更新し続けなければならない環境が自分に合っていると感じました。漠然と選んだ職業でしたが、小児科医を志したのは大学時代に出会った小児科の先生の影響が大きいです。その先生の一つひとつの言葉に重みがあり、憧れを抱いたことが小児科を選んだ大きな理由です。また、もともと子どもが好きであったことも小児科医を目指す原動力になったのだと思います。

クリニックのこだわりや工夫について教えてください。

クリニック内観

当クリニックでは、何よりも子どもが安全に過ごせる環境を重視しています。例えば、階段の前には柵を設置していますし、子どもがひとりで出入りしてしまわないように自動ドアのボタンを高い位置に設置するなどの工夫をしています。

また、親御さんがストレスを感じにくい環境づくりにも配慮しています。その一環として、クリニック内では靴を脱がずに過ごせるようにしています。これは、親御さんが子どもの靴を脱がせる手間を省くとともに、スリッパの衛生面を気にされる方にも配慮したものです。

その他にも明るく開放的な空間を意識しています。診察室は広めに設計しており、兄弟で来院した場合も遊びながら順番を待てるように工夫しています。ベビーカーもそのまま入ることができるため、多くの親御さんに好評をいただいています。また、やなせたかし氏の原画を飾っており、これは私の宝物でもあります。診察を受ける子どもたちや親御さんが少しでも安心できるように工夫を凝らしています。

診察時に心がけていることはありますか?

診察では、まず挨拶と自己紹介を必ず行います。子どもに対しても積極的に声をかけ、赤ちゃんであっても「こんにちは」と挨拶をします。診察の際には「喉を見ますね」「お腹を触りますよ」など、一つひとつの診察行為について説明を行い、子どもが安心できるよう配慮しています。また、親御さんともしっかり向き合ってコミュニケーションをとることを大切にしています。

頭の形の診療を始めようと思ったきっかけを教えてください。

小児科医としてのキャリアを積んで約25年になりますが、かつては赤ちゃんの頭の形の歪みは自然に治ると考えられている時代でした。しかし実際には1歳を過ぎても歪みが残り保護者の方から相談を受けることが多く、疑問を抱いていました。その後、小児科学会などで頭の形は矯正できるという話題が出るようになり、これまで気になっていた問題を解決できるのではないかと興味を持ちました。

その頃は、頭の形についての相談を受けた場合、近隣で対応可能な施設を探して紹介していました。紹介した方のほぼ全員が実際に受診し、治療の選択をするかどうかに関わらず相談してよかったと感じていたのが印象的でした。結果として、治療を受ける人と経過観察を選択する人はおよそ半々でしたが、どちらを選んだ方も納得されており、再度頭の歪みについて相談されることはほとんどありませんでした。重要なのは「気になることを放置せず、行動を起こして納得できる結論を得ること」なのだと実感しました。

京都に来てからも頭の形に関する相談を受ける機会は多くありましたが、京都市内には診療施設がほとんどなく、自分にできることがあるなら提供したいと思うようになったことが、頭の形の診療を始める大きなきっかけとなりました。

外来を始めてみての感想や気づいたことがあれば教えてください。

以前から小児科の健診が好きで、親御さんの悩みに寄り添いながら診療を行うことにやりがいを感じていました。今回、頭の形に関してより深い知識を得て、具体的な治療手段を持ちながらお話しできるようになったことは、大きな収穫だと思っています。

小児科では、ワクチン接種などの場面ではどうしても赤ちゃんが泣いてしまうことが多いですが、ヘルメット治療は痛みを伴う治療ではないため、赤ちゃんが笑顔のままでいられる診療ができるのは、私自身にとっても非常に嬉しいことです。

ヘルメット治療の効果はいかがですか?

ヘルメット治療の効果は非常に高いと実感しています。親御さんと一緒に「すごいですね」と喜び合う場面が多く、「ここが膨らんできましたね」といった細かな変化にも感動を共有できるのは、診療をしていて本当に嬉しい瞬間です。途中経過の段階でも「すごくいい感じになっていますね」と喜んでくださる方が多いです。

診療の流れを教えてください。

初診では、まず身体計測と発達の確認を行います。定頸があるか、発達異常が無いかをチェックします。もし定頸がまだの場合は経過観察を提案し、必要に応じて3Dデータ作成のための写真撮影を行います。

また、当院ではヘルメット治療を希望される場合、近隣の脳神経外科の先生に頭蓋骨の異常が無いかを確認していただいています。その後、最終的な同意を得た上でヘルメットを作成するという流れになります。ヘルメットが完成した後は、装着開始から1週間後にフォローアップを実施します。問題がなければ、以降は1ヶ月ごとのフォローアップを行います。

読者の方へのメッセージをお願いします。

私たちが行っているヘルメット治療は、必ず受けなければならない治療ではありません。赤ちゃんの頭の形は個性の一つと考えることもできますし、歪みがあっても健康上の問題が生じるわけではありません。しかし、「気になるなら、相談して解決しておくことで後悔がない」というのは、多くの親御さんを診てきた中で強く感じることです。あとになって後悔するよりも、早い段階で一度相談し検討することが大切です。特に、頭の形の矯正治療は生後3〜6か月の間に行うのが最適なため、タイミングを逃さないようにすることが重要です。予約についても、できる限り親御さんのご都合に合わせて調整できるよう努めています。安心してご来院いただける環境を整えておりますので、気軽にご相談ください。

ヘルメット治療について

治療の流れ

初診では、まず身体計測と発達の確認を行います。 もし定頸がまだの場合は経過観察を提案し、必要に応じて3Dデータ作成のための写真撮影を行います。 ヘルメット治療を希望される場合、近隣の脳神経外科にて頭蓋骨の異常が無いかを確認していただいています。

費用

38万円(税込)

診察日時

月・火・金曜日 11:00~12:00 15:00~16:00 木曜日 11:00~12:00 14:00~16:00

予約

受診希望の方は電話でのご予約をお願いいたします。

相談窓口

075-254-7712

アクセス

電車・バスでお越しの方: 電車でお越しの方 京阪鴨東線・叡山本線  出町柳駅より徒歩6分 バスでお越しの方 バス停「河原町今出川」でお降りください。

お車でお越しの方: 近隣の駐車場をご利用ください。京都市市営駐車場、梶井町パーキングの駐車券をご提示いただいた方には30分の駐車サービス券をお渡しします。