公開日2025年1月9日
あたまの形外来の診察内容とヘルメット治療のプロセスについて
先生のご経歴を教えてください。
筑波大学卒業後は、京都で医師としての第一歩を踏み出しました。その後、つくばに戻り、整形外科医として複数の病院で手術などの診療に携わってきました。もともと小児整形外科を志望していたため、専門医取得後は滋賀県の小児病院で研鑽を積み、その後、茨城県立医療大学で小児整形外科医として勤務しました。そこでは特にリハビリテーションに力を入れて診療を行っていました。
病院での経験を通じて、より患者さんの身近な場所で医療を提供したいという思いが強くなり、地域に根ざした医療を実践するため、現在の診療をスタートすることを決意しました。
医師を目指されたきっかけを教えてください。
高校生の頃、私は陸上競技をやっていたのですが、度重なる怪我を経験し、治療のために病院に通う機会が多くありました。その経験から、「怪我を治して選手が競技に打ち込めるようにしたい」という思いが芽生え、スポーツ医療の道を志すようになりました。特に、ジュニアスポーツに関わる選手たちを支援したいという思いが強く、怪我が原因で競技を諦めたり、実力を十分に発揮できない子どもたちを医療の立場からサポートしたいと考えていました。そういった経緯から自然と小児医療の分野に進むことになりました。
クリニックの特徴を教えてください。
待合室は従来の病院のような固い雰囲気ではなく、子どもたちが楽しく過ごせる空間づくりを心がけています。真ん中に設けた窪みスペースや、階段下の秘密基地など、子どもたちが自由に遊べる場所を用意しています。
2階にはリハビリ室があり、ボルダリングなども設置しています。リハビリは単に治療するだけでなく、子どもたちが自主的に楽しく体を動かせるよう工夫を凝らしています。
クリニック全体として、「また来たいな」と思っていただけるような、温かい雰囲気づくりを心がけています。
今後の展望などはありますか?
実は、このクリニックの敷地内に保育園を開設しようと計画を進めています。リハビリが必要なお子さんのために頻繁に通院するのは親御さんの負担になりますし、かといってリハビリのために入院してしまうと、リハビリ以外の時間は病室でじっとしていなければならず、何か良い方法が無いかと考えていました。リハビリができるクリニックのすぐそばに保育園があれば、親御さんにとってもお子さんにとっても良いのではないかと考えました。2025年の4月を目標に開設予定ですので、その頃には乳幼児の遊ぶ姿や、リハビリを頑張る姿がたくさん見られると思います。
あたまのかたち外来を始められたきっかけを教えてください。
小児整形外科医として診療を行う中で、股関節脱臼や斜頸などで受診される赤ちゃんの中に、頭のかたちが気になるケースが多くありました。以前は東京の病院まで通っていただく必要があり、中には2〜3時間かけて通院される方もいらっしゃいました。地域の患者さまの負担を考え、茨城県内でも治療ができる場所を作りたいと考え、頭のかたち外来を始めることにしました。
現在では、小児科の先生方からのご紹介や、乳幼児健診からの受診も増えてきており、地域の医療機関とも連携を取りながら診療を行っています。
初診ではどのような検査や診察が行われますか?
まず保険診療の一般外来として予約をとっていただきます。予約はインターネットやLINEから可能で、ご家族のご都合に合わせて受診ができます。
最初に、レントゲン検査を行います。正面、側面など3方向から撮影し、病的な原因がないかを確認します。その後の診察では、頭を実際に触れながら、歪みや凹み、耳の位置、おでこの形などを丁寧に確認し、特徴をお伝えします。
また、頭の歪みには様々な要因が関係している可能性もあるため、向き癖のチェックや首の状態、脚の開き具合なども含めて総合的に診察します。必要に応じて超音波検査なども行い、首の筋肉の状態も確認します。赤ちゃんの発達状況もしっかりと見させていただきます。
ヘルメット治療を行う場合は、改めて自由診療の枠で予約していただきます。そこでは、3Dスキャンによる撮影を行い、赤ちゃん一人一人に合わせたヘルメットを作製します。撮影は経験豊富なスタッフが担当しますので、赤ちゃんが泣いてしまっても心配ありません。
ヘルメット治療の効果はどうですか?
ヘルメット治療を行った方からは「やって良かった」という声を多くいただいています。また、早期に治療を開始できた場合、2か月程度で卒業できることがあり、「もう終わりですか?」と驚かれる方も多いです。
ヘルメット治療を行う上で大変なことはありますか?
最近はヘルメットも改良され、肌のトラブルはあまりありません。また、洗えるので衛生面でも安心してお使いいただけています。中には暑さで不快に感じたり、寝つきが悪くなる赤ちゃんもいらっしゃいますが、多くの場合は次第に慣れていきます。
通院の頻度と治療期間について教えてください。
通院は月1回です。ただし、状況に応じて2週間に1回など、より細かく確認することもあります。治療期間は個人差がありますが、2か月から半年程度が一般的です。
最後に読者へのメッセージをお願いします。
頭のかたちでお悩みの方は、一人で悩まずにお気軽にご相談ください。まずは相談だけでも構いません。自然に改善していく場合もありますが、ご家族が満足できる程度まで改善するかどうかは個人差があります。
また、当クリニックは、子どもたちが楽しく通える場所、ご家族の皆さまが安心して相談できる場所として、お待ちしておりますので、気軽にお立ち寄りください。
ヘルメット治療について
治療の流れ
初診では、頭の変形や発達等について総合的に確認します。 ヘルメット治療をご希望の場合は、再度ご予約をお取りいただき3D撮影に進みます。
費用
38.5万円(税込)
診察日時
毎週月・火・木・金・土曜・祝日 診療時間 8:00~12:00 15:00~19:00 ※土曜午後は13:00~17:00 祝日は午前のみ
予約
WebまたはLINEよりご予約可能です。 お気軽にお越しください。
相談窓口
詳細は公式サイトをご確認ください。
アクセス
電車・バスでお越しの方: つくばエクスプレス「万博記念公園駅」下車 車5分
お車でお越しの方: 約30台分の無料駐車場がございます。