公開日2025年4月14日
頭のゆがみを相談できる小児科|すずらん小児科が取り組む赤ちゃんの頭の形ケアとは?

先生のご経歴について教えてください。
大学卒業後は沖縄で2年間の研修を行いました。その後、北海道大学の小児科に入局し、小児科の関連病院を含めて研修を重ねました。その後、北大の大学病院に戻って主に小児腎臓の診療に携わっていました。途中、都立清瀬小児病院で2年間の研修を経て再び大学に戻り診療を続けた後は、北大の関連病院で数年間勤務し、おととしから先代の院長先生からクリニックを引き継いで、現在に至ります。
医師を志したきっかけを教えてください。
父が開業医だったこともありますが、高校生の頃はあまり医師になろうとは思っていませんでした。ただ、自宅で曾祖父母の看取りを経験したことで、「人の生や死に関わる仕事に就きたい」と感じるようになったことが大きなきっかけです。
小児科を選んだ理由はなんですか?
学生時代の実習で一番楽しかったのが小児科だったんです。お子さんと関わることがとても楽しくて、それがきっかけですね。
どんなクリニックを目指していらっしゃいますか?
まずは、先代の先生が作り上げたとても機能的なクリニックをそのまま引き継ぐこと。そして、この地域の小児医療を支える存在として、「あのクリニックがあるから安心だ」と思ってもらえるような場所にしていきたいと思っています。
クリニックの特徴や工夫されている点は?
子どもたちが少しでも嫌な気持ちにならないような空間づくりを心がけています。
院内にはレゴで作られた装飾などがあり、保育士の資格を持つ看護師が手作りで飾りつけをしてくれています。子どもたちにとても喜ばれていて、動物の写真の装飾もたくさんありますよ。
診察時に心がけていることは?
お子さんの不安や苦痛をできるだけ減らすことを最優先にしています。それが親御さんにとっても一番大事なことだと思うので、とにかく「怖くない・不安じゃない・痛くない」診療を心がけています。もちろん、痛い処置は痛いのでごまかすことはしませんが、こまめな声かけや、その子の表情を見ながら合いそうな言葉を選ぶようにしています。
ヘルメット治療を始めたきっかけは?
今も一緒に診療している先代の院長が、小児科の学会でヘルメット治療を知ったことがきっかけです。お子さんの頭の形に悩まれる親御さんからのご相談は想像していたよりも多く、北海道全域から来られる方がいて、遠いところではオホーツク地方からわざわざいらっしゃる方もいます。
どのような場合にヘルメット治療を行うのですか?
診察に来たすべての方がヘルメット治療をするわけではありません。診察を受けて安心されて帰る方も多くいらっしゃいます。その中で、適応があると判断され、ご家族も希望された場合に導入しています。
多くのお子さんは軽症で治療の必要はなく、「タミータイムなどで様子を見ましょう」とお伝えしています。診察と視診で頭のゆがみのクラス分類をして、グレーゾーンのお子さんは経過観察をしていきます。
頭の形外来を始めて感じたことは?
実際に始めてみて、「思っていた以上に不安を抱えている方が多いんだな」と強く感じました。しかも、予想以上に広範囲から受診される方がいらっしゃいます。また、頭の形についての相談は専門外来だけでなく、予防接種のときなど、一般診療の場面でもよく聞かれますね。
ヘルメット治療の効果についてはどう感じられていますか?
やはり早い時期から始めたお子さんほど、治療効果がはっきり現れる印象があります。生後半年を過ぎてしまうと改善に時間はかかりますが、それでも徐々に良くなっていく実感はあります。親御さんの満足度も非常に高いですね。治療を終えた際には「良くなったね」と本当に喜んでくださって、こちらも嬉しくなります。
初診時の流れについて教えてください。
初診は、一般的な乳児健診とあまり変わりません。身体測定と診察を行い、頭の形を触診します。その上で、タミータイム(うつ伏せ遊び)を取り入れているかなど、育児環境についても確認します。
その結果、明らかに病的な所見があれば、その場で専門機関に紹介します。そうでなければ、ほとんどの場合は「タミータイムを取り入れて、1ヶ月後に再診を」とご案内し、2回目の診察でさらに詳しい判断をします。
2回目の診察について教えてください。
2回目のときに改善がなければ、再度治療の流れを説明します。その上で計測を行い、結果が出るまでの間にヘルメット治療全体についてご説明します。結果をご覧いただいたうえで治療を希望されれば、柄を選んでいただき、オーダーという流れになります。
ちなみに人気の柄は「ロケット」と「ダイナソー」です。
予約の方法を教えてください。
初診は一般診療の枠でご予約いただきます。基本はお電話で受付が調整を行います。
受診するタイミングはいつが理想ですか?
理想的なのは月齢3か月くらいまでに相談に来ていただくことです。実際、多くの保護者の方は1〜2か月の段階で頭の形を気にされ始めます。
タミータイムの効果が期待できるのもこの時期ですし、適応の場合は4か月頃からヘルメット治療を行うことができるため、スムーズに進めるためには早めのご相談が理想です。
実際には4か月前後での初診が多く、もう少し早ければタミータイムだけで改善できたかもしれないと思うこともあります。予防接種のときに気になる子がいれば、こちらから声をかけることもあります。
読者の皆さまへのメッセージをお願いします。
お子さんのことについて、「こんなことを聞いてもいいのかな?」と不安に思われる親御さんも多いかと思います。実際、残念ながら相談しにくい雰囲気の先生がいるというお話も聞きます。
でも、もし何か気になることがあったらあまり深く考えずに、まずは聞いてみてほしいと思います。この先生とは合わないなと感じたら、それっきりにしてもいいんです。とにかく、気になることをそのままにせず、聞いてみるという一歩がとても大切だと思います。
頭の形のことも、そのひとつです。小児科医がまず見るべき領域だと思っていますので、相談しやすい先生に気軽に話してみてください。これは頭の形に限らず、どんなことでも同じです。「こんなこと言ったら怒られるかな」なんて思わずに、遠慮なく尋ねてほしいです。
当院は、ヘルメット治療ありきではありません。ヘルメット治療も選択肢のひとつとして相談できることが、大きな意味を持っていると思っています。気になったら、どうぞいつでも声をかけてください。私でも看護師でも構いません。しっかりお話を伺って、一緒に考えていきたいと思っています。
ヘルメット治療について
治療の流れ
初診では、身体測定と診察を行い、頭の形を触診します。 タミータイム(うつ伏せ遊び)を取り入れているかなど、育児環境についても確認します。 2回目の診察では計測を行い、ヘルメット治療についてご説明します
費用
33万円(税込)
診察日時
月・火・木・金曜日
予約
お電話にてご予約を受け付けております。
相談窓口

アクセス
電車・バスでお越しの方: JR琴似駅北口直結
お車でお越しの方: ザ・タワーガレージをご利用の際は必ず駐車券をお持ちください。