公開日2025年4月14日

赤ちゃんの頭の歪みは予防できる?|慶愛病院のあたまのかたち外来インタビュー

慶愛病院
丸山 和哉先生
「慶愛病院」はすべての年代の女性を生涯にわたり力強くサポートする産科・小児科・婦人科の専門病院です。小児科はかぜ外来の棟と一般診療・健診・予防接種の棟を分けており、非感染の患者さんにも配慮したつくりになっています。十勝地方でもヘルメット治療が受けられるようになればという想いから、あたまのかたち外来も開設しています。今回は副院長の丸山先生に、小児科を目指されたきっかけや病院の特徴、あたまのかたち外来について詳しくお話を伺いました。

先生のご経歴について簡単に教えてください

聖マリアンナ医科大学を卒業後、小児科を専攻し、特に新生児医療を中心に取り組んできました。4〜5年ほど前に、実家でもあるこの慶愛病院に戻ってきました。

新生児医療を志したきっかけを教えてください。

実家の病院が産婦人科と小児科で、赤ちゃんを見ることが当たり前の環境だったんです。十勝地方の半分、今では3分の2くらいの赤ちゃんが当院に来ていて、必然的に新生児と関わる機会が多かったですね。

また、NICUの治療が好きだったこともあります。生まれたばかりで泣いていない赤ちゃんが、処置をすると泣き出して元気になる姿や、どんどん体が大きくなって元気になっていく様子を見るのがとても嬉しかったです。最終的にお母さんと一緒に退院できるときは、やはり達成感がありますね。

赤ちゃんの治療は、治療に対する反応が素直で効果がはっきりとわかることが多く、興味深かったということもあります。そして、やっぱり赤ちゃんはとにかく可愛いですからね。

病院の特徴を教えてください

当院は産婦人科と小児科に特化した病院です。婦人科は外来のみで、入院はお産に限られています。十勝地方の出産のうち、半分以上を当院で担っており、年間の分娩数はおよそ1000件です。十勝全体では1600〜1700件ほどで、以前は2000件近くあった時期もありました。

NICUは併設していませんが、紹介が必要なケースは全体の0.5%程度と非常に少なく、それ以外はほとんど院内で対応できています。

院内での取り組みや工夫について教えてください

慶愛病院 内観

アロマを取り入れたりビュッフェ形式の食事やカフェを設けたりと、患者さんが快適に過ごせるよう工夫しています。また、外来受診時にお子さんを一時的に預かる施設や、併設の保育園もあり、子育て中の方にも安心して通院していただけるようにしています。さらに、グループ内には歯科や生殖医療部門もあり、連携してサポートできる体制が整っています。

診察時に心がけていることはありますか?

まずは「納得していただくこと」を大切にしています。対象が子どもである以上、親御さんが納得されなければ、治療もスムーズには進みません。そのため、わかりやすく丁寧な説明を心がけています。

ヘルメット治療を始めたきっかけについて教えてください

これは明確な理由がありまして、当院のある地域では以前はヘルメット治療が受けられる施設がありませんでした。北海道内で治療が可能なのは札幌のみで、道内の患者さんがそこに集中していたんだと思います。

ただ、頭の変形について悩み始めるのって、生後3か月頃なんですよね。その時点で「じゃあ札幌に行きましょう」とはなかなか言いづらくて。さらに、紹介してすぐに診てもらえるわけではなく、外来の予約だけで1〜2ヶ月待ちという状況もあって、紹介のタイミングにすごく悩みました。

さらに、札幌までは片道2時間以上かかりますので、通うお母さん方にも大きな負担です。それならいっそ自分たちで取り組められれば、十勝地方の中で治療を完結させることができる。それが一番のきっかけでした。

実際にヘルメット治療を始めて感じたことは?

紹介のタイミングや予約の待ち時間などに悩まされることなく、自分たちの施設で完結できるようになったことは、非常に大きな意味がありました。

また、赤ちゃんの頭の経過を見ていて感じるのは、ちゃんと良くなるんだなということですね。見た目にもわかるくらい改善していきますし、ご両親の満足度も高いです。やってよかったですと言ってくださる方がほとんどで、こちらとしても嬉しくなります。

初診時の流れについて教えてください。

初診の流れとしては、まず赤ちゃんの頭部を計測し、斜頭の程度を判断します。時期的にヘルメット治療が適していれば、その場で治療の説明をし、親御さんに治療をするかどうかを選んでいただきます。

ただし、初診時の多くは生後3か月頃なので、まだ自然に治る可能性もあり、その旨を伝えたうえで寝るときの向き癖についての指導を行います。

治療開始は生後6か月頃までが望ましいため、その点も初診時にしっかりご説明しています。

頭のゆがみの予防への取り組みについて教えていただけますか?

まず、2か月などの早い時期でも診察は可能です。また、母親学級で「タミータイム(うつぶせ遊び)」などの予防指導も行っており、赤ちゃんが生まれる前から頭の形に対する意識を高める取り組みも始めています。1か月健診の時点で明らかに変形が見られる場合は、その場でもアドバイスを行っています。こうした早期介入によってヘルメット治療の必要性が減る可能性もあるため、今後も力を入れていきたいと考えています。

頭の形で悩んでいる保護者の方へメッセージ

頭の形について少しでも気になるなと思ったら、なるべく早くご相談いただくことが一番大切だと思っています。赤ちゃんの頭の形は、成長とともに自然に整うこともありますが、そうでない場合もあります。悩んでいる間に月齢が進んでしまうと、できる対応の幅が狭まってしまうこともあるからです。

もうひとつ大切なのは、「予防」の意識です。うつ伏せ遊び(タミータイム)を取り入れることや、同じ向きで寝かせすぎないようにするなど、日常のちょっとした工夫で頭の形の歪みを防げる場合もあります。

最近では、頭の形についての認知も少しずつ広がってきています。スマホで使える測定ツールや、情報サイトも増えていますので、まずは頭の形について調べてみるというのも良い一歩かもしれません。迷ったら、まずは一度受診してみてください。

ヘルメット治療について

治療の流れ

赤ちゃんの頭部を計測し、斜頭の程度を判断します。 時期的にヘルメット治療が適していれば、その場で治療の説明をします。

費用

35万円(税込)

診察日時

月・水・金曜:14時~15時

予約

Web予約システムよりご予約をお取りください。

相談窓口

0155-22-4188

アクセス

電車・バスでお越しの方: 十勝バス「東4条9丁目」下車 徒歩3分 JR帯広駅より徒歩14分

お車でお越しの方: 無料駐車場(100台以上)を完備しています。

公開日2025年4月14日

赤ちゃんの頭の歪みは予防できる?|慶愛病院のあたまのかたち外来インタビュー

慶愛病院
丸山 和哉先生
「慶愛病院」はすべての年代の女性を生涯にわたり力強くサポートする産科・小児科・婦人科の専門病院です。小児科はかぜ外来の棟と一般診療・健診・予防接種の棟を分けており、非感染の患者さんにも配慮したつくりになっています。十勝地方でもヘルメット治療が受けられるようになればという想いから、あたまのかたち外来も開設しています。今回は副院長の丸山先生に、小児科を目指されたきっかけや病院の特徴、あたまのかたち外来について詳しくお話を伺いました。

先生のご経歴について簡単に教えてください

聖マリアンナ医科大学を卒業後、小児科を専攻し、特に新生児医療を中心に取り組んできました。4〜5年ほど前に、実家でもあるこの慶愛病院に戻ってきました。

新生児医療を志したきっかけを教えてください。

実家の病院が産婦人科と小児科で、赤ちゃんを見ることが当たり前の環境だったんです。十勝地方の半分、今では3分の2くらいの赤ちゃんが当院に来ていて、必然的に新生児と関わる機会が多かったですね。

また、NICUの治療が好きだったこともあります。生まれたばかりで泣いていない赤ちゃんが、処置をすると泣き出して元気になる姿や、どんどん体が大きくなって元気になっていく様子を見るのがとても嬉しかったです。最終的にお母さんと一緒に退院できるときは、やはり達成感がありますね。

赤ちゃんの治療は、治療に対する反応が素直で効果がはっきりとわかることが多く、興味深かったということもあります。そして、やっぱり赤ちゃんはとにかく可愛いですからね。

病院の特徴を教えてください

当院は産婦人科と小児科に特化した病院です。婦人科は外来のみで、入院はお産に限られています。十勝地方の出産のうち、半分以上を当院で担っており、年間の分娩数はおよそ1000件です。十勝全体では1600〜1700件ほどで、以前は2000件近くあった時期もありました。

NICUは併設していませんが、紹介が必要なケースは全体の0.5%程度と非常に少なく、それ以外はほとんど院内で対応できています。

院内での取り組みや工夫について教えてください

慶愛病院 内観

アロマを取り入れたりビュッフェ形式の食事やカフェを設けたりと、患者さんが快適に過ごせるよう工夫しています。また、外来受診時にお子さんを一時的に預かる施設や、併設の保育園もあり、子育て中の方にも安心して通院していただけるようにしています。さらに、グループ内には歯科や生殖医療部門もあり、連携してサポートできる体制が整っています。

診察時に心がけていることはありますか?

まずは「納得していただくこと」を大切にしています。対象が子どもである以上、親御さんが納得されなければ、治療もスムーズには進みません。そのため、わかりやすく丁寧な説明を心がけています。

ヘルメット治療を始めたきっかけについて教えてください

これは明確な理由がありまして、当院のある地域では以前はヘルメット治療が受けられる施設がありませんでした。北海道内で治療が可能なのは札幌のみで、道内の患者さんがそこに集中していたんだと思います。

ただ、頭の変形について悩み始めるのって、生後3か月頃なんですよね。その時点で「じゃあ札幌に行きましょう」とはなかなか言いづらくて。さらに、紹介してすぐに診てもらえるわけではなく、外来の予約だけで1〜2ヶ月待ちという状況もあって、紹介のタイミングにすごく悩みました。

さらに、札幌までは片道2時間以上かかりますので、通うお母さん方にも大きな負担です。それならいっそ自分たちで取り組められれば、十勝地方の中で治療を完結させることができる。それが一番のきっかけでした。

実際にヘルメット治療を始めて感じたことは?

紹介のタイミングや予約の待ち時間などに悩まされることなく、自分たちの施設で完結できるようになったことは、非常に大きな意味がありました。

また、赤ちゃんの頭の経過を見ていて感じるのは、ちゃんと良くなるんだなということですね。見た目にもわかるくらい改善していきますし、ご両親の満足度も高いです。やってよかったですと言ってくださる方がほとんどで、こちらとしても嬉しくなります。

初診時の流れについて教えてください。

初診の流れとしては、まず赤ちゃんの頭部を計測し、斜頭の程度を判断します。時期的にヘルメット治療が適していれば、その場で治療の説明をし、親御さんに治療をするかどうかを選んでいただきます。

ただし、初診時の多くは生後3か月頃なので、まだ自然に治る可能性もあり、その旨を伝えたうえで寝るときの向き癖についての指導を行います。

治療開始は生後6か月頃までが望ましいため、その点も初診時にしっかりご説明しています。

頭のゆがみの予防への取り組みについて教えていただけますか?

まず、2か月などの早い時期でも診察は可能です。また、母親学級で「タミータイム(うつぶせ遊び)」などの予防指導も行っており、赤ちゃんが生まれる前から頭の形に対する意識を高める取り組みも始めています。1か月健診の時点で明らかに変形が見られる場合は、その場でもアドバイスを行っています。こうした早期介入によってヘルメット治療の必要性が減る可能性もあるため、今後も力を入れていきたいと考えています。

頭の形で悩んでいる保護者の方へメッセージ

頭の形について少しでも気になるなと思ったら、なるべく早くご相談いただくことが一番大切だと思っています。赤ちゃんの頭の形は、成長とともに自然に整うこともありますが、そうでない場合もあります。悩んでいる間に月齢が進んでしまうと、できる対応の幅が狭まってしまうこともあるからです。

もうひとつ大切なのは、「予防」の意識です。うつ伏せ遊び(タミータイム)を取り入れることや、同じ向きで寝かせすぎないようにするなど、日常のちょっとした工夫で頭の形の歪みを防げる場合もあります。

最近では、頭の形についての認知も少しずつ広がってきています。スマホで使える測定ツールや、情報サイトも増えていますので、まずは頭の形について調べてみるというのも良い一歩かもしれません。迷ったら、まずは一度受診してみてください。

ヘルメット治療について

治療の流れ

赤ちゃんの頭部を計測し、斜頭の程度を判断します。 時期的にヘルメット治療が適していれば、その場で治療の説明をします。

費用

35万円(税込)

診察日時

月・水・金曜:14時~15時

予約

Web予約システムよりご予約をお取りください。

相談窓口

0155-22-4188

アクセス

電車・バスでお越しの方: 十勝バス「東4条9丁目」下車 徒歩3分 JR帯広駅より徒歩14分

お車でお越しの方: 無料駐車場(100台以上)を完備しています。